株式会社ネットウェーブ

株式会社ネットウェーブは、クライアント・サーバシステムの設計構築からネットワーク、セキュリティー、Web系ソフトウェアの開発まで、多岐にわたるITソリューションを提供する企業だ。同社は技術の進化とクライアントのニーズに応えるとともに、社員一人ひとりの「人間力」を大切にしている。成長と働きやすさが両立する環境づくりに努めており、準委託（SES）での案件においては、社員の意志を尊重したプロジェクトへのアサインを心掛ける。社員を実力あるエンジニアへと育てることを使命とし、30年にわたり堅実な経営を続けてきた。今後は、社員の安定した未来を見据え、さらなる事業拡大に取り組む。同社は新たな事業展開に当たり、コアメンバーとなり得る意欲的な人材を求めている。

同社は、1995年に代表取締役の間敏幸氏によって設立された。その道のりは、まさに挑戦と決断の連続であった。間氏は商社系SIerに新卒で入社し、ハードウェアエンジニアを経て営業職に従事。技術とビジネスの両面からキャリアを重ねてきた。
会社設立を決意した背景には、当時のIT業界の激動がある。1994年にインターネットとして商用利用が可能となり、そのニュースを聞いて間氏は、「これからはインターネットの時代だ」という確信を持つ。こうして、37歳で安定したキャリアを捨て起業を選んだのだ。
「ネットウェーブという社名には、これから訪れるインターネットの波を掴み、世界に広がるネットワークの一部となりたいという思いを込めました。ロゴも自分でデザインし、五大陸を制圧するような熱い気持ちを表現しています」と語る間氏の情熱は、設立当初から今も変わらない。

同社の歴史は、IT業界の変遷と共にある。1990年代はCPUの処理能力が飛躍的に向上し、導入コストが高いメインフレームから、低価格かつ高性能なUNIXシステムへの移行が進んだ時代だ。UNIXシステムが企業のシステム構築において中心的な役割を果たす中、同社はその保守運用事業からスタートした。

同社は設立から30年にわたり多くのチャレンジに挑む一方で、数々の困難にも直面してきた。特にリーマンショック後の時期には、名古屋や大阪の支社を撤退させ、会社の人員規模を半数に削減するという厳しい決断を迫られた。間氏は「会社を絶対に潰さない」という強い意志でこれを乗り越えた。
「会社を30年続けるのは命懸け。それぐらいの強い思いを持って、社員の幸せを考えることが自分の責任だと思っている。24時間、社員と仕事のことを考えています」と語る。自身の資産を使って会社を守った時期もあるという、強い眼差しが印象深い。

現在、同社はネットワーク機器やUNIXシステムの保守運用を主軸としながら、新しい技術と市場の変化に対応している。今後はSESだけでなく、これまでの実績を基にした通信インフラとITソリューションに関するオリジナルサービスの展開を進め、より安定した事業基盤を築くことを目指している。具体的には、ルーターやスイッチの経年変化に対応する大手企業向けのサービス提供の他、AI監視サービスカメラや画像解析を用いた先進的なソリューションにも注力する。

特に中部地区においては、大手メーカーを中心に「ネットワークインフラにおける品質とトラブル対応ならばネットウェーブ」というポジションの獲得を目標に掲げている。
「これからの3年で売上比率をSESと受託開発で半々にし、50代・60代・70代でも活躍できる場を提供したい」と語る間氏の言葉には、社員への深い思いやりが感じられる。

同社は、多様性を尊重するカルチャーが特長だ。個々の特性やスキルを生かせるプロジェクトへのアサインを行い、社員が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう努めている。
「当社を選んで良かったと、社員が心から感じられる会社にしたい」と間氏は語る。そのために、社員の声に真剣に耳を傾け、安心して働ける環境を整えることに尽力している。取材中も、社員一人ひとりの体調を気遣ったり、家族の様子を尋ねたりする間氏の姿が印象的だった。ある社員は「まるで父親のようです」と嬉しそうに話していた。

採用面接ではフィーリングを重視し、「一緒にやりたいかどうか」を判断基準にしている。人生観や価値観を大切にし、共感できるかどうかが重要だという。ある時、名古屋で技術営業の応募があり、間氏は即座に名古屋へ向かって面接を行い、その日のうちに50代中盤のベテランの採用を決定した。これまでの経験が同社のビジョン実現に貢献できると確信したからだ。現在、その社員は名古屋で活躍しており、今後は10人規模のチームを率いることが期待されている。

同社の社内は規模こそ小さいものの、社員同士の距離が近く、温かみのある雰囲気が感じられる。
「そうはいっても、会社の雰囲気や仕事の面白さは、実際に来てもらって話してみないと分からないもの。まずは気軽な気持ちで話したいですね」と間氏は屈託なく笑う。そして、「面接を通して『ここが最後の会社だ』という感覚を持ってもらえたなら、その思いに応えたい。進行中の新規事業拡大を任せ、責任は会社が取るから挑戦してほしいです」と、自主性と意欲を尊重したいという考えを示した。

これからも進化を続けるIT業界で、同社は新たな挑戦を恐れず、さらなる高みを目指していく。その未来のビジョンに共感し、共に歩んでいける人材を求めている。同社が目指す未来は、社員と共に築き上げるものであり、挑戦を続ける姿勢を持つ全ての人にとって、魅力的なフィールドが広がっている。