新卒入社先として、住友商事を選んだ理由は?
海外でビジネスを展開している企業で働きたかったから。社会に出るにあたり、日本の未来を考えたとき、日本国内の市場を向いた企業では先行きが怪しいのではないかと感じました。住友商事は世界中に拠点を構え、グローバル展開をしている企業。自分の将来を築くにはピッタリな会社だと感じました。 もう一点、住友商事で働きたいと思ったのは、自分より優秀な人しかいないだろうと思ったからです。優秀な人に囲まれて働けば、苦労するだろうと思いました。ただ、そういった環境に身を置くことが自分の成長につながると考えました。 文系学部卒でしたがIT系の部署に配属となり、社内イントラネットの運用・保守からはじめ、その刷新プロジェクトを経験。入社4年目にはグローバル連結業績管理システムの構築プロジェクトに参加しました。全世界にある800社以上の事業会社の業績を収集し連結するシステムで、この仕事に関わることで、住友商事のグローバル展開の全体像を知ることができました。
住友商事では、どんな仕事をしてきましたか?
私に限らず、住友商事で働く人は、けっこういろいろな仕事を経験して社内キャリアを構築しています。私の場合は、先ほど述べたグローバル連結業績管理システムに携わった後、2016年から2年間、トレーニーとしてシンガポール拠点で働きました。トレーニー制度は、海外での業務経験を通じて、グローバルで活躍できる人材を育成するための住友商事独自のキャリア制度。シンガポールでは、西はパキスタンから東はニュージーランドまで、アジア大洋州地域の拠点で利用するITシステムの企画と導入、運用保守をしました。 2018年に日本に戻り、社内システムを見る部隊から一旦離れ、海外事業会社へのIT支援を行う仕事に携わりました。グローバル800社以上ある事業会社のうち、いくつかの具体的な個社と向き合えたよい経験でした。 2021年からは更に上流の、会社を買収し事業会社化する、M&AをIT観点で支援する仕事をしていました。営業部署が行う投資や買収のプロセスに伴走し、総合商社の生業たる事業投資について理解を深められました。
現在はどんな仕事に携わっていますか?
2023年から、久しぶりに社内システムを見る仕事に戻り、基幹システムバージョンアッププロジェクトを担当しています。住商の国内外100拠点以上で使っている、営業・会計・財務機能がオールインワンになっているシステムをバージョンアップするもので、予算規模も大きく、5回に分けてリリース予定です。日本国内での2回のリリースを皮切りに、ヨーロッパ&中東&アフリカ、東アジア&大洋州、最後に北中南米。2022年2月から開始したプロジェクトですが、予定通りにいけば2026年上期に完了する計画です。 今回のバージョンアップは保守切れ対応なのですが、更にその先には、住商の基幹システム全体のあり方を抜本的に見直すプロジェクトが待っています。2027年、或いはそれ以降を見据えたものです。今やっているバージョンアッププロジェクトより、もっと大胆な発想と強力な推進力が求められる、重要なプロジェクトになるのは間違いありません。私はそのプロジェクトにどこまで関われるかわかりませんが、次のプロジェクトをスムーズに立ち上げるためにも、現在のバージョンアッププロジェクトを計画通りに進めねばならないという使命感でいます。
仕事を進める上で、大切にしていることは?
今の仕事はプロジェクトマネージャーですが、自分がどうこうと言うより、どうすればメンバーがパフォーマンス発揮できるか、また、このプロジェクトでの経験が各々のその後のキャリアにどう活きてくるかを考えて、差配しています。IT企画推進部にはさまざまな業務があり、基幹システムに携わることもあれば、生成AIの活用促進に従事しているメンバーもいます。それぞれの強みを生かせる持ち場がある組織なので、今のプロジェクトメンバーにも次、さらにその先を見据えて働いてほしいと願っています。 IT企画推進部のキャリア採用は2016年頃から本格的にスタートしたと記憶しています。今はキャリア採用第一世代が海外駐在しているタイミングで、第二世代が東京本社で各プロジェクトの主要ポジションで活躍しています。キャリア採用の人材は、IT企画推進部にはなくてはならない存在になっています。次に入ってくる人たちは、第三世代という感じで、中途入社の方の受け入れ体制は随分と洗練されてきていると思います。外から入ってくる人材には、積極的に住商のITの足りない部分・おかしな部分を指摘してほしいです。現状を疑い、本質を見定め、それをフラットに提言してくださるような方とぜひ一緒に働きたいです。
住友商事IT企画推進部での働き方は?
IT企画推進部は、個々の価値観やライフスタイルが尊重される自由な組織です。週3日までリモートワークOKで、スーパーフレックス制度もあり、働き方は自由にデザインできます。私自身、これらの制度がフル活用できるからこそ、仕事と家庭が無理なく成立しています。私の場合、出社は週2日、働く時間もフレキシブル。家庭の都合で中抜けをして、子供が寝てから働く時もあります。住商社内でも部署によって違いはありますが、IT企画推進部は働き方に関しては個々の事情が尊重されています。社会全体では「出社回帰」の流れもありますが、今の働き方が維持されるのを願っています。 私は、働く中でジェンダーを意識することは少ないのですが、一般論として女性も働きやすい環境だと思います。しかしながら、女性社員の割合はまだまだ少ないと感じるので、もっと増えるといいと思っています。そのためにも、私がしっかりと住商の中でキャリアを構築して、一つのモデルケースになれば、違った形で会社に貢献できるかなとも考えます。私は次のキャリアとして海外駐在も考えていますが、家庭がある身としてどんな形で海外駐在をするか考えなればなりません。共働き世代が多くなっている私たちの世代にとって、パートナーのキャリアも考慮しながら海外駐在を自身のキャリアに組み込むやり方は、一考の価値があると思います。