株式会社ミックウェア

「株式会社ミックウェア ナビゲーションズは、IVI、クラウド、スマホアプリケーションに関する知見や開発技術を基盤に、車内から車外まで様々なシーンで利用者をナビゲートすることで、“外へ出かける”きっかけづくりに力を注いでいる会社です」（代表取締役社長・今井田健太氏）。

同社は、株式会社ミックウェアのグループ会社であり、国内カーナビ市場でシェア15%を占めるナビゲーションソフトウェアブランドである『naviAZ（ナビアズ）』を主力事業として展開している。国内主要完成車メーカーの全てと取引があり、マツダ車においては全車種に同社のカーナビが採用されている。

その大きな理由の一つが、道路交通情報やルート検索、地図表示、検索、案内、マップマッチング、ロケーション等のモジュールを利用シーンに最適化して提供できるナビゲーションエンジンにある。
「日本のナビゲーションシステムは海外のものに比べて求められる機能が幅広く、多彩です。国土が狭い中を縦横に道路が走り、高層、地上、地下で道路が重なっている場所もかなりあるため、高低差も踏まえた分かりやすいナビゲート機能が必要です。また日本人は細かさや丁寧さに重きを置く傾向が強いため、地図の見せ方や右左折、指示の表示方法等の細かなところまで気にするところも。こういったユーザーのニーズと完成車メーカーとしてどこまで対応するかといった考えを踏まえ、適宜、最適なモジュール構成を実現できる柔軟性の高さをお客様には評価いただいています」（今井田氏）。

これを可能にしているのが、冒頭でも触れたIVIやクラウド、スマホアプリケーション開発に対する造詣の深さなのだという。
「IVIは20年以上の実績があります。そこに加えて、クラウドやスマホアプリにも豊富な知見も有するソフトウェア開発会社となると、他にはあまり見当たらないところも強みですね」（今井田氏）。
この裏付けがあるからこそ、完成車メーカーやTier1（ティアワン）と呼ばれる完成車メーカーに直接部品を供給しているメーカーと直接取引ができているのであり、企画段階や仕様・要件定義、設計といった上流工程から参画するプロジェクトが多くを占めているのだと言える。

ただ、単なるナビ開発会社に止まらず、その枠を超えていこうとしているところが、同社の大きな魅力であり、成長の源泉にもなっている。

現在、モビリティ業界は大きな転換期を迎えている。電気自動車（EV）が急速に普及しつつあり、数年後には自動運転も実現するといわれている。複数の交通手段やサービスをICTによって最適に組み合わせるMaaS（モビリティ・アズ・ア・サービス）が進展すれば、利用者の移動体験は大きく変化していくことだろう。それに伴い、当然利用者のニーズも変わり、新たな価値が生まれたりしていくはずだ。

同社は、その来たるべき未来に向けて自動車内だけでなく、「車外にも」サービスの領域を広げていこうとしている。
「既に、バイクや自転車、船舶等のナビゲーションソフトとして採用実績があります。今後については詳細を話せないのが歯がゆいですが、位置情報や運転に関する情報、渋滞情報といった移動に関する情報だけでなく、流行スポットや観光施設等のエンタメに関する情報等を収集・加工して、車以外の様々なシーンにおいて“外へ出かける”きっかけづくりや価値提供ができるのか、新規事業開発も含めて取り組みを進めているところです」（今井田氏）。

例えば、利用者の周辺に昨今話題のお店があれば表示したり、過去の行動履歴から推測したお勧めのスポットをレコメンドしたりといったリアルタイム性やパーソナライズ化に即した価値提供は既に実現している。ただ、これらはあくまでも過去と現在に関する情報提供で、今後はそこから先に進んで未来を予測した情報提供を形にしていきたいと今井田氏は語る。
「あくまでも例ではありますが、AIを活用することで道案内もパーソナライズ化することができるでしょう。過去の運転データを取り込んで運転の上手さを数値化し、上手な人には多少細い道や入り組んだ道でもより早く目的地へ着けるルートを案内する。一方、運転技術がそれほどでもない人には、できるだけ大きな通りを走るルートを案内するといった具合です。このような道案内ができれば、利用者はより安心して出かけられるようになりますよね」

このように、車内のナビゲーションを進化させるだけでなく、車外へと領域を広げていくことで新たな分野を開拓、進出し、持続的な成長を実現する――それが同社の成長戦略というわけだ。

同社社員の7割ほどが中途入社であり、リファラル採用の割合も高い。知人を紹介するほど、会社に魅力を感じている社員が多いということだ。その理由の一つが、三つのワークスタイルから働き方を選べるところにある。
「裁量労働制による高収入型の『マネーワーク』、公私を充実させたい人なら原則的に残業のない固定時間型の『タイムワーク』、コアタイムありのフレックスタイムを導入した自由出勤型の『フリーワーク』の3種類があります。マネーワークだと、年4回ある賞与が評価次第で4カ月分になることも。フリーワークならリモート勤務も可能です」（総務人事室室長・石井綾氏）。

社員同士の距離感が近く、上層部も含めてコミュニケーションが活発といった点も会社への愛着を生む理由になっているのかもしれない。同社では、年に4回、全社員を集めて社員総会を開催している。国内外の拠点から社員が集まり、事業方針等の報告会を行った後、懇親会が開催される。
「500名ほどの社員が一斉に集まるので、普段は他の拠点で顔を合わせることのない社員同士の間で交流が生まれたり、親睦を深めたりする機会になっています」（石井氏）。

プロジェクトのメインは受託開発で一部自社サービス開発も行っている。基本的にチームでプロジェクトを担当するので、メンバー同士刺激し合いながら互いに高めていける環境がある。上流工程から参画できるため、エンジニアとしての幅を広げたいという人にも向いた環境と言えるだろう。
「こういった環境に魅力を感じ、モビリティ系のソフトウェア開発に携わりたいというやる気のある人と一緒に働きたいです」（今井田氏）。

変化の多い業界であるため、変化をポジティブに受け入れてやる気に変換できるタイプであれば、戸惑うことなく力を発揮できる。
「当社が扱う製品やサービスは多くの人に使われるもので、ものづくりの手応えを得やすい仕事です。しかも、その出来栄えによっては世の中の多くの人達の役に立つものになる可能性もあります。『そんなものづくりがしたい！』という人は、ぜひ一度話をしましょう。お待ちしています」（今井田氏）。