株式会社KANGEN Holdings

“高還元型SES”事業を運営しているスタートアップの、株式会社KANGEN Holdings。
「当社は、高還元率等の好待遇で一人でも多くのエンジニアが気持ち良く働ける環境をつくり、多くのエンジニアを集めてお客様に最良のサービスをご提供するマッチングを実現させ、お客様が困った時に第一想起してもらえる存在となることを目指しています。キーワードは『選択肢の最大化』です」と代表取締役CEOの金沢大輝氏は説明する。

最大の特徴である“高還元型SES”として、同社は案件の単価とエンジニアの報酬を連動させる“単価連動型報酬制度”を採用。会社としての売上総利益（粗利）率は最大20%に抑え、それ以外の80%以上をエンジニアに還元している。
個別エンジニアの給与総額としての還元率は、メンバーは65%以上、リーダーは72%、マネージャーは77%、ディレクターは83%。リファラル採用や営業を行った場合はインセンティブが付く。
これによって、月額単価が80万円の場合、業界平均年収が589万円のところ、同社では624万円と35万円アップ。リーダーの場合は102万円アップする。

こうした高還元が実現できるのは、エンジニア不足で採用コストが高騰する中、採用広告費を年間一人当たり30万円以下に抑えていることが大きい。そのほか、諸業務を効率化するSaaSの導入や経験者による少数精鋭の管理体制、最低限のオフィス賃料等によってコストを大幅に削減、原資を抽出している。
「好待遇でエンジニアを集めやすいことが広告費削減に直結しています」（金沢氏）。

案件としては、Web/オープン系システム開発、インフラ設計・構築、スマートフォンアプリ/ネイティブアプリ開発、制御・組込系開発等、月間1万5,000件以上から選べる体制を構築。元請けとなるSIerやエンドユーザー約200社、2次請け以降のパートナー会社約2,000社という業界ネットワークを、金沢氏はじめ経営層の人脈や、グループの営業代行会社が築いている成果だ。
「特にスタートアップ系の案件に多くの実績があるので、モダンな技術による開発案件を得意にしています」と金沢氏は話す。

こうした経営方針により、創業から丸2年でエンジニアは96名まで増え、売上高は2023年10月期の1.2億円から2024年10月期の5.3億円まで440%以上という高成長を実現している。

同社の設立は、2022年10月。創業者である金沢氏は、それまでSESや受託開発、プログラミングスクールの運営、フリーランス独立支援等でITエンジニアに特化したキャリアサポートを手掛けるベンチャーの役員として、営業や人事責任者を務めてきた。同社を2020年7月に東証マザーズ（現・東証グロース）市場に上場させた後、自らも経営者となることを決意する。その経緯を、金沢氏は次のように説明する。

「5,000人以上のエンジニアのキャリア相談に応じる一方、エンジニアを雇用する企業に対して評価制度づくり等の伴走型支援を手掛けてきました。その中で、いい労働環境をつくれば自ずといいエンジニアが集まり、高いパフォーマンスを発揮して企業の成長に繋がり、労働環境がさらに良くなるという好循環に繋がることを見てきたのです。そこで自分もそういったエンジニアの企業をつくろうと志し、当社を創業することにしました」

同社が掲げるミッション、ビジョンは次のとおり。

●ミッション：世界中に“フェア”を届ける
●ビジョン：労働環境日本一の企業になる/日本一信頼されるパートナーになる

この思いについて、金沢氏は次のように話す。
「IT業界、特にSES業界は多重下請け構造にあり、決められた案件にしか入れず、単価や還元率も公開されず不透明な評価に忍従しているエンジニアが多数存在しています。したがって、サービス品質が低下し、ユーザー企業にとっても悪影響を被るという構造があるのです。こうした業界にあって、当社は“単価連動型報酬制度”を採用し、エンジニアのレベルや状況に応じた案件における単価や還元率をオープンにしてエンジニアが案件を選べる透明度の高い運営を行っています。こうした運営でエンジニアのパフォーマンスを高め、お客様から信頼される企業となることを目指します。そして、こうした“フェア”な取り組みを世界中に広げていきたいと考えています」

そんな同社の中長期目標として、次のステップを計画している。

●第1フェーズ：高成長基盤の確立（～2024年）
経営体制を確立、競合他社との差別化、会社制度の環境整備等により、440%の高成長を実現。
●第2フェーズ：2028年に最短でIPOを実現（2025～2028年）
ラボ型のSI、コンサルティング、アウトソーシング、オフショア開発の各事業を確立させ、“総合SIer”となってIPOも実現。単価の大幅アップも目指す。社員数1,000名以上、年収1,000万円以上を50～100名輩出させる。
●第3フェーズ：2035年までに月間1万人稼働
名実ともに“労働環境日本一”を実現。M&Aにも積極的に取り組み、他業界や海外への展開も通じて非連続的な成長へ。社員数は5,000名以上、年収2,000万円以上の社員を多数輩出へ。

エンジニアにとっての“労働環境日本一”を目指す同社として、次のとおり数々の制度を既に導入している。

●単価連動型×安心保証のハイブリッド
前述の単価連動型報酬制度に加え、待機時も月額100%を保証するとともに、万一想定単価を下回ることになっても最低年収は保証。

●給与体系の選択が可能
同社のほかに、グループ会社として株式会社AURUM Technologiesを2024年8月に設立しており、フリーランス集団に近い“粗利一律10万円、残りは全て還元”という、福利厚生を絞り給与に充当する収入重視型の給与制度を運営。希望すれば同社への配属も可能だ。

●案件選択制度
案件へのアサインは会社主導ではなく、エンジニアに100%の選択権がある。流れとしては、営業担当と希望条件をすり合わせた上で複数の候補案件を提示し、顧客との面談を経て案件を決定する。したがって、納得して案件に取り組むことができる。
また、会社の戦略案件に参画した場合は、還元率がさらに2%アップされる。

●ワークライフバランスが実現
完全週休2日制に加え、有給休暇、夏季休暇や年末年始休暇をはじめ、プロジェクト完遂休暇やバースデー休暇等があり、年間休日は131日、平均残業時間は月7.3時間で、プライベートも充実できる。産前・産後・育児休暇の取得率は100%。

●充実した福利厚生制度
社会保険や税金を抑えて実質的な手取りを増やせる借上社宅制度、将来に備える企業型確定拠出型年金制度、トレーニングジムやマッサージ、美容系サロン等のリフレッシュ&アピアランス補助、3,780円の自己負担で7,560円分の食事を補助する食事チケット等、数々の制度が充実。

●社内コミュニケーション支援
部活動補助（一人当たり月2,000円まで）、会社主催の交流会（東京は月1回、大阪は3カ月に1回、任意参加）、全社総会（年1回、原則全員参加）、困り事があればいつでも1on1で相談できるオープンドア制度、希望する制度が提案できる改善提案窓口等を設けている。
また、チャットツールを活用し、業務系、雑談系、技術系のチャンネルを設けて活発なコミュニケーションが行われている。

●スキルアップ支援
資格取得や書籍購入代、外部研修費用の補助、e-ラーニングの無料受講や、チームでの現場アサインにおける熟練者からのOJT等を通じてスキルアップが図れる。フリーランス独立希望者の相談も。副業もOK。

以上の詳細は、同社ホームページを参照してほしい。

そんな同社が求める人材像について、金沢氏は次のように期待を寄せる。
「単価連動型報酬制度という実力主義を導入していることもあり、自ら意欲的に能力アップに取り組む主体性のある方に来ていただきたいと願っています！」

現在、不透明な環境に不満を覚えていたり、さらなる待遇アップを求めていたりするエンジニアにとっては、見逃せない募集と言えるだろう。