株式会社フロアスタンダード

株式会社フロアスタンダードは、ECサイトの構築・運用からWebマーケティング、Web広告の運用まで、包括的にEコマース支援を提供している。競合他社がひしめくEC業界にあって、同社は「自社の経験」をベースに、小規模な会社でも予算に合わせ、できる限りの支援を通してクライアントの事業を成功へと導く。

現在、フロアスタンダードがメイン事業に据えているのは、世界中で人気のECプラットフォーム「Shopify」のアプリ開発である。日本製の定期通販アプリ『Mikawaya』を「Shopifyアプリストア」で提供している。

簡単にECストアを始められる「Shopify」は、Shopifyアプリストアを通じてECストアを自分好みにカスタマイズできる。世界中の開発者がShopifyアプリストアに自ら開発したアプリを提供している。フロアスタンダードが手掛ける『Mikawaya』も、そんな外部開発者によって開発されたShopifyアプリである。

「当社が開発する『Mikawaya』は、定期購入（サブスクリプション）にフォーカスしたShopifyアプリです。お客様に定期的に商品をお届けする定期購入は、単品で商品を販売する“通常購入”とは異なるロジスティクスやマーケティングが必要。Shopifyで定期購入してもらうための機能をそろえています。日本製なので、日本の商習慣や日本人のライフスタイルにマッチした仕様となっており、大手企業から小さな商店まで多くのお客様が自社製品で活用いただいています」(代表取締役・高松悠氏)。

定期的な売り上げが見込めるサブスクリプション型のECは、食品や日用品等を製造するどこのメーカーでも実現したい目標である。しかし、少額の通常購入に比べ、一定の金額を前提にする定期購入は消費者にとってハードルが高く、メーカーにとっては難易度が高い。フロアスタンダードの『Mikawaya』は、お客様を定期購入へと導き、それを続けてもらうための「導線」をしっかりと考えて開発されている。

「販売だけでなくマーケティングにも活用できます。サブスクリプションの注文データに限らず、単品都度注文も含めたストア内の全ての注文データを集計可能。2ステップマーケティングに対応したアップセル・クロスセル機能を備え、お客様が複数アイテムからセットを作って購入できる“BOX機能”など、Webでの集約や販売においてかゆいところに手が届く仕様です。定期便の継続回数をアプリ上で管理できたり、購入回数ごとに異なる商品ラインナップにしたりすることもでき、消費者を無理なくスムーズに定期購入へと導くのが『Mikawaya』のユーザー体験です」(高松氏)。

同社は、Shopiyfアプリ『Mikawaya』の提供を通して、食品・日用品のメーカーにとって理想ともいえるECサイトの実現をバックアップしている。定期購入だけでなく、通常購入も含め、アプリの提供だけでなく、販売体制構築のサポートやWeb広告の運用等、ECサイトを活用して商品販売をしたい会社の課題を解決している。

「商品を定期購入してもらうため、サブスク機能を備えれば、定期的な受注が確定すると思われがちですが、実際の運営は非常に複雑。運用面での落とし穴が満載です。法律に則った販売のルール策定から出荷物流体制・カスタマー体制の構築、販売戦略の立案まで、現状をヒアリングした上で、最適な運用体制を構築します」(高松氏)。

ECストアの構築と運用のサポートに加え、オープン後のWebマーケティングや広告運用サービスも提供する。Web広告の企画から制作、配信まで、ワンストップで請け負っている。

「Shopify顧客属性別LTVデータ分析アプリ『Mikawaya CDP』、Shopifyでフォーム一体型を実現する『Mikawaya EFO』を自社開発し、WebマーケティングでECストアの売上アップにも貢献しています。Facebook、Instagram、Google、YouTube、LINE、SmartNews、TikTok等、獲得型の広告運用を得意としており、特にFacebook、Instagramを展開するMeta社とは、密接な関係を築いています。広告媒体の専属担当が付いており、四半期に一度、Meta社を訪問し最新情報をキャッチアップしています」(高松氏)。

Shopifyを活用したECサイト運営のノウハウをトータルで提供するフロアスタンダード。ECサイトを成功に導く数々の経験は、自社ブランドの運営を通して学んだものだ。身銭を切った失敗も含めた試行錯誤が、同社のビジネスの根底に脈々と流れている。

「くせ毛向けヘアケアブランド『YOU TOKYO』を自社で運営しています。時系列でいえば、Web広告の運用が最初で、その後、自社ブランドの運営で広告運用のノウハウを生かし、さらにブランド運営においてShopifyの活用で成功したことで『Mikawaya』が生まれました。現在も『YOU TOKYO』を運営しており、当社の事業のもう一方の柱です。自社ブランド運営で試行錯誤し、その中から成功した施策をクライアントに提供しています。そのおかげで、結果に繋がるため、クライアントから喜ばれます」(高松氏)。

2016年に設立された同社は「お客様からアンコールをもらえる商売を作る」をミッションに掲げ、お客様と真摯に向き合い地道に結果を出し続ける会社を目指している。

「フロアスタンダードは、正直なビジネスを展開している会社です。ブランド運営でもECストアの支援でも、お客様と真正面から向き合い、嘘や誤魔化しをせず、クオリティと結果にこだわり、少しずつ前進を続けてきました。時には失敗することもありますが、その経験を次に生かして、壁を突破する。そんな真面目な会社です」(高松氏)。

小さな会社だからこそ業務範囲が未分化。落ちているボールを手の空いている人が拾うベンチャーのようなカルチャーが、8期目を迎えた今でも色濃く残っている。高松氏を含め、メンバーのコミュニケーションはフランクで温かみがある。

「"中枢精鋭"を目指し、過剰な組織拡大には拘らないスタンスの為、組織内のコミュニケーションがシンプルです。メンバー全員の人となりが知れていますし、日々どんな仕事をしているかも見えます。採用ではスキルよりもやる気や人柄を重視します。私たちはこんな人と働きたいと考えています！

・前向きなハードワークができる（やりきる力、結果にこだわる）
・迷惑をかけても許される「愛され力」がある
・バイアスを排除できる素直さ
・論理的かつ客観的に物事を可視化して判断する力がある
・チームメンバーと積極的にコミュニケーションが取れる
・サービスの成長のために業務領域にとらわれず行動できる

未経験からわずか半年ほどでバリバリの戦力となり活躍している20代前半の女性などもいます。WebマーケティングやECストアの運営スキルを身に着けて、キャリア構築したい人には最適な環境です」(高松氏)。

働き方に関しては、現在も条件付きでリモートワークOKとしている。その条件とは「丁寧なコミュニケーション」を心掛けること。テキストベースとなるオンラインでのコミュニケーションでも、スムーズに意思疎通ができるように、メンバー全員でチャットやメールでやり取りする際に、相手の顔をイメージしてメッセージが過不足なく伝わるように工夫・努力している。

「リモートワークの弊害は、コミュニケーションが行き違うことです。そのため、オフィスワークにシフトする会社も増えていると聞きますが、当社ではオンラインコミュニケーションの質を上げる方向を目指しています。みんなで協力して、リモートワークでも生産性が落ちないようにすることで、快適な働き方を続けたいと考えています」(高松氏)。