“個”を大切にする穐丸さん。その考えに至った背景は会社員時代にあるのでしょうか
まず私自身、会社員として働く環境に馴染めなかったんです。窮屈な組織のルールや、必要以上の上下関係が肌に合いませんでした。 また一方で、誰かのせいにする風潮にも疑問を抱いていましたね。新卒入社した会社で同期と集まった時も、仕事が上手くいかないことを「チームや上司が○○だから……」とぼやく仲間が、なんだか情けなくて。 だからこそ自分が興した会社では、余計なしがらみを払って、一人ひとりが能力を発揮できる環境を目指しました。その上で、誰も“他責思考”にならないムードもつくろうと思いましたね。 というのも“個”を大事にする自由な環境とは、基本的には自分で判断して行動することです。「○○だったからできなかった」という言い訳は、誰のためにもなりませんから。強い責任感の上でこそ、自由度の高い仕事ができるのではないでしょうか。
御社を立ち上げてから、組織づくりで苦労されたことを教えてください
2018年に社内体制を大幅に見直した時のことです。 当時は50名規模でしたが、利益がほとんど上がらず、企業として成り立っていない状態で。私が設立当初に目指した「一人ひとりが責任感を持ちながら、自由に能力を発揮できる」という会社像は、メンバーが増えるほどに崩れていきました。 しかし、その原因は明確に“自分”にあったと言えます。確かに人数が多ければ、仕事に対して様々な考えのある人が集まります。だからこそ、代表である私がきちんとまとめなければなりません。それなのに、私はこの会社に自分の居場所を求めるあまり、メンバーに厳しいことを言えなかったんです。 そこで意を決し、会社の方向性を改めて社内に示しました。すると、賛同しないメンバーは次々と退職し、わずか十数名になりました。
大きな変革を経験したんですね。その後、御社はどのように変わりましたか
実は、人数が大幅に減ったものの、利益は以前よりも上がっているんです。また私も残ったメンバーも、気兼ねなく意見を言い合えるようになって、社内の雰囲気も良くなりました。 残ってくれたメンバーや、その後にジョインしたメンバーには感謝しています。彼らは本当に真面目で責任感もあり、自分達に任せられた仕事をしっかりとやり遂げます。また一方で自分の軸を持って、それぞれが目指すものに向けて突き進んだり、その人ならではの提案をしたり……といったこともしてくれますね。クライアントからも、技術面・人柄面共に高い評価を頂いています。だからこそ、私も安心して任せられます。
メンバーの活躍のために、代表として心掛けていることはありますか
まず、やはり一人ひとりの成果に対して、正当な評価をすることです。 当社の評価は、各プロジェクトの単価売上を大きな基準にしています。そこで売上に向けて、例えば新たな技術を習得して仕事に生かしたり、クライアントへ有意義な提案をしたり……。そのように努力しているメンバーの姿を、私はきちんと見ています。また当社は社内のチームでアサインすることも多いのですが、チームの枠を広げてくれたメンバーにも還元するようにしています。 その上で、学ぶ姿勢をしっかりバックアップする体制も整えています。「こんな技術を学びたい」という人には、希望の書籍を購入しますし、オンライン研修が受講できる制度もあります。今も社員がよく利用していますね。 つまりプロジェクトへ貢献するということは、本人のスキルアップも伴うということ。ぜひ、当社を上手く活用して、自分自身のキャリアを前進させてほしいですね。
最後に、穐丸さんのリフレッシュ方法について教えてください
当社は土日が休みですが、私は基本的に家族と過ごしています。家族みんなでどこかへ出かけたり。子供からの「保育園でこんなことがあった」といった話も聞けますし、日々成長を感じられて嬉しいですね。 そういった時間も癒しですが、子供が寝た後にゆっくり晩酌するのもかなりのリフレッシュになります。自分時間は少なくなっているものの、やはり元々は一人で過ごすのが好きですから、こうしてゆっくりするひと時も大切にしています。