株式会社ジンアースを立ち上げるまでのキャリアは?
キャリアのスタートは料理人。仙台にあるお店で働いていましたが、東日本大震災でお店がダメになってしまい、仕事を変わることに。ライフステージの変化もあって、夜型の仕事から日中の仕事へシフトを考えていたタイミングでもあったことから、思い切ってジョブチェンジしました。中古車販売の営業をしていたのですが、故郷の北海道に帰りたいと思い、移住しました。 札幌では証券会社の営業をしました。証券会社で働くと注目のIT企業の情報に触れる機会が多く、将来性のある業界だと感じたのです。営業や接客のスキルを生かしてIT業界で働きたいと考え、SES会社の営業職に転身。東京の会社の札幌支社に勤め、半年で支社長を任されました。支社に所属するエンジニアのマネジメント全般が仕事でした。その会社で4年間働き、SES業界の現状をつぶさに見る中で、エンジニアが幸せになるために他の道もあると感じたのです。そこで、本社で営業部長をしていた当社代表の川崎と共に、会社を飛び出して当社を設立しました。
独立・起業を決意した理由は?
前職の会社も「エンジニアファースト」を掲げてSES事業を展開していましたが、そこで働くうちに、単価連動型SESのデメリットを感じるようになりました。還元率が高いと所属エンジニアの年収は上がりますが、ミドルエイジになると単価が下がります。営業として現場の責任者と交渉する際に、対象エンジニアの年齢が40歳を超えたあたりから交渉が難しくなってきます。長期間エンジニアを待機させるわけにもいかないため、営業としては単価を下げて交渉するしかありません。実際、私も交渉の中で単価を下げざるを得なかったケースが多々ありました。 経験豊富なエンジニアなのに、単価が下がることでエンジニアの給与も下がってしまいます。ましてや40歳といえば、子供が高校・大学の受験を控えて、最もお金が必要な時期。そんなタイミングで給与が下がる仕組みに疑問を感じ、経営を工夫することでエンジニアが長期的に安定したキャリアを築ける会社にできないか、と考えたのが起業の理由でした。営業部長の川崎も同じような思いを抱いており、二人で独立しました。
SES営業として、仕事をする上で大切にしていることは?
ロースキルの現場を避けることです。経験がないエンジニアは、キッティングやヘルプデスク、テスト工程、サーバ監視等の高い開発スキルを必要としない職種でキャリアをスタートしますがすることがありますが、早急にスキルアップを実現してもらい、より難易度の高い仕事に就けるようにしています。ロースキルの案件にも一定の需要があり、現場としてはそこで長く活躍してくれるエンジニアも求めています。ただ、エンジニア自身やSES会社の視点から見ると、ロースキルの案件でエンジニアが働いていても、スキルアップが望めませんし、ロースキルの案件では単価アップの交渉も難しい。そこで、可能な限り早くスキルを身に付けてもらい、次のステージへステップアップしてもらうようにしています。 SES営業はエンジニアにとって、エージェントの役割だと考えています。本人の希望をヒアリングして、それを叶えられる現場を探してくる。そのため、日常的にあちこちの現場の人と意見交換をしています。営業力があるSES会社に所属すれば、エンジニアにとってキャリアの可能性が広がると考えています。当社は私達創業者の二人が営業出身なので、営業力には自信があります。SESエンジニアとして安定したキャリアを築きたいと考えているエンジニアの力になれる会社です。
ジンアースは、どんな社風の会社ですか?
既婚者の比率が高いのは、当社の特徴かと思っています。子育て中のエンジニアも多いから、お互いにその苦労を分かり合えているのです。社内で家族ぐるみの交流も盛んで、私も他の社員と子供を連れてプライベートで出かけることが多々あります。私の父は自衛官をしていたこともあって、幼い頃から父親の仕事仲間の子供とよく遊んでいました。自衛隊はお互いに厚い信頼関係で結ばれていることが多く、家族同士の仲も良いです。 私にとって仕事とは「家族の幸せ」です。SES営業の仕事は意義があるので好きですが、職種にこだわりはありません。家族を幸せにするために、しっかりと稼いでくるのが何よりも重要です。SES会社で働くエンジニアは、私と同じような考え方をする人が多いようで、家族のために安定した収入が見込めるようにしたいという思いが強いです。受託開発や自社開発も含めて、全社でしっかり収益を上げて、社員全員が安定した生活をできる。それが当社の目指す姿です。
ジンアースを今後、どんな会社にしたいですか?
資本の関係で、現在は上場企業である株式会社TWOSTONE&Sonsのグループ会社でありますが、会社の成長を意識しながらも、社員同士が仲良く、無理のない範囲で着実にステップアップが望める会社であり続けたいです。おかげさまで、創業4期目で所属エンジニアが100名を超えようとしており、私達が歩んできた道は間違えていないのかなと感じています。エンジニアのキャリアも会社の成長も、右肩上がりであり続ける必要はないと考えています。時には無理をせず、ステップダウンすることがあっても良いでしょう。進もうとした道が違ったなら、一度戻って立て直してから別の道を進めばそれで問題ありません。 エンジニアとして経験を積んできた人でも、ミドルエイジを目前にすると、今後のキャリアに悩むかと思います。当社はこれまで活躍してきたエンジニアが、そのまま活躍し続けられるフィールドを創ろうとしているところです。50代・60代のエンジニアの働き方は、まだ明確になっていない部分もあり、それはチャレンジだと思っています。家族を幸せにするために、40歳以降も年収を着実にアップさせられる環境の構築を一緒に実現しましょう!