遠鉄システムサービス株式会社

静岡県浜松市にある遠鉄システムサービス株式会社は、浜松市を中心に、鉄道・バス・タクシー・百貨店・ストア・自動車販売・不動産・建設・介護・保険・旅行等、16の関連会社を擁する「遠鉄グループ」の一員。遠州鉄道株式会社の100%子会社。グループのシステムインテグレーターとして、1984年の設立から遠鉄グループ各社のシステム開発・運用を一手に担ってきた。

現在の同社の事業は、遠鉄グループ各社のシステム開発・運用だけに止まらない。浜松を中心とした静岡県西部地方（遠州）の自治体や学校、民間企業向けにITサービスを提供している。

民間企業向けの事業では、遠州を中心にこれまで1,300社以上の企業を支援してきた実績がある。遠鉄グループ各社のインフラシステムを一手に対応してきた経験を強みに、クライアント企業の規模や環境に合わせた最適なネットワークやセキュリティの設計・導入を進めてきた。

「地域に根差し、寄り添ってきた実績ある『遠鉄ブランド』を背負って、地元企業ならではの小回りの利く現場対応力とサポート体制で、遠州地域の民間企業に様々なシステムを提供しています。多種多様なメーカーのソフトウェアに対応し、お客様の課題を解決する最適なソリューションの構築が、当社の強みです」（取締役営業本部長 兼 企画開発部長・山内大輔氏）。

「システムのクラウドへの移行や業務効率化ツールの導入・活用等、地域企業のDXを全面的にサポートしています。各種ソリューションの導入支援を通じて、お客様の多様な経営課題にICTの力で対応することで、迅速で安価なサービス提供が可能となります」（山内氏）。

民間企業向けのソリューションだけでなく、地域の自治体にもサービスを提供している。業務プロセスの見直しや各種ソリューションの活用を通じ、市民サービス向上、あるいは自治体職員の業務負担軽減を実現し、遠州地域のICTインフラを支えている。

「遠鉄グループ各社への数多くのシステム構築・導入、運用サポートの経験を生かし、ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークをトータルで支援しています。自治体専門のスタッフが、提案・導入から保守まで一貫してサポート。公共図書館システムや地域包括支援システムをはじめ、内部情報システムや各種ソリューション、職員端末の導入保守の実績だけでなく、『LGWAN（総合行政ネットワーク）』接続のネットワーク環境下においても、グループウェア・AIソリューション・ファストシステム等の導入実績があります」（山内氏）。

遠州地域で暮らす人々を主にインフラ面で支えてきた「遠鉄グループ」の一員として、民間企業や自治体に対しても、遠鉄グループ各社へのシステム構築・導入、運用サポートの経験を生かし、トータルでICT支援を展開している、遠鉄システムサービス。同社のもう一つの主力事業が「教育ビジネス」。地域のICT教育環境を整えることで、子供達の希望が溢れる未来の実現に貢献している。

県内10市町の小中学校へのGIGA端末の導入実績を持つ。文部科学省が掲げる「GIGAスクール構想」の実現に向け、静岡県内の各市町に対し学習者用端末約90,000台を導入した。導入した端末の保守はもちろん、年次更新等アカウントの運用管理も担当。教育現場の困りごとを、長年の経験を生かして支援している。

「1990年代に浜松市教育委員会へPC導入やネットワーク構築を行ったのを皮切りに、浜松や近隣の市町の小中学校へのPC導入・運用等を、長年にわたって事業として手掛けてきました。2020年に文部科学省が小中学校に一人1台の情報端末を配備し、子供達の学びの形をアップデートする『GIGAスクール構想』を立ち上げ、当社の教育事業部もその実現に参画。県内高等学校へのタブレット端末導入や、『GIGAスクール構想』の一環である高速大容量の通信ネットワークを実現するため、小中学校へ無線アクセスポイント約3,200台の導入も担当しました」（山内氏）。

学校の授業でのICT活用推進や活用提案、教材作成をサポートする「ICT支援員」。同社は静岡県内の各市町にICT支援員を派遣し、教育委員会の目指すICT教育の実現に向けた支援をしている。

「ICT支援員のシェアは静岡県下でナンバーワンの実績があります。先生方との円滑なコミュニケーションを通して、独自ノウハウを蓄積し、地域のICT教育の実現をバックアップしています。また、先生の働き方改革もICTで支援。業務量調査や学校現場へのヒアリングを通して業務フローの整理を行い、ICTを活用した業務改善を提案しています」（山内氏）。

1984年の設立以来、遠鉄グループならびに遠州地域の民間企業・自治体、そして教育の現場でICT活用の支援を続けてきた同社。2024年の創立40周年を機に、新しいチャレンジに取り組み、さらなる成長を目指す経営計画を打ち出した。その中で、これまでの枠組みを飛び越えた新たな事業の創出を掲げ、自社ソリューションの開発等に注力していく。

「40年間で培った技術力で新たなソリューション開発を進め、遠州地域に止まらず、全国各地の民間企業や自治体、教育現場にICT活用によるDX推進を事業展開していく計画です。当社を支える強みの一つである『遠鉄ブランド』は、全国的に知名度が高いとは言えません。『遠鉄ブランド』に依存せず、これまでに培った技術力とICTの活用経験を武器に、新たなステージでの活躍を目指します！」（山内氏）。

遠州地域の暮らしのインフラを支えてきた遠州鉄道のグループ会社であり、自治体や教育現場等公共セクションでのICT活用推進をサポートしているのと相まって、同社に“堅苦しさ”をイメージする人もいるかもしれない。「遠鉄ブランド」のネームバリューが経営に安定感をもたらすのは事実であるが、同社は新しいことへ柔軟に対応する革新性をとても大事にしている。

福利厚生の充実、あるいは新たな制度や働き方への柔軟性がある。近年は男性社員の多くが育休制度を取得しており、育休明けの時短勤務や在宅勤務等、社員それぞれのライフイベントに合わせ柔軟な働き方をバックアップする体制も整っている。

家族や友人との時間、あるいは自己研鑽に充てる時間を大切にしてもらうため、月に1回、全社で「定時一斉退社日」を設けている。残業も月平均20時間以内で土日祝休みの完全週休二日制。時差出勤、リモートワーク等、自身や家族に不測の事態が発生した際も、柔軟に対応できる制度がある。遠鉄「新浜松」駅から徒歩3分の好立地にあるビルに本社を構え、オフィスはフリーアドレス、ドレスコードも自由だ。

遠鉄グループならではの福利厚生も充実。遠鉄グループ企業のサービスにおいて各種割引が受けられ、「えんてつカードポイント」も特別に割り増し。スポーツジムの利用補助もある。

子ども手当、住宅手当に加え、転職時の引っ越し費用等に充てられるように「入社支度金」も用意されている。遠州地域に根差した企業だけに、もちろん転勤はない。遠鉄グループ従業員のための保育施設「遠鉄グループ保育園」を利用でき、５つある保育園のうちの１つは、同社と同じビルにある。安定した環境で子育てをしたいエンジニアにとっては、抜群の環境がある。

20代から50代までそれぞれの年代が約25%ずつと、非常にバランスの取れた年代構成で、65歳の定年まで安心して働ける企業と言える。

「社員の平均勤続年数は11年。直近の離職率も低く全国平均を大きく下回っています。充実した福利厚生、柔軟な働き方に加え、社風に『人の良さ』を挙げる社員が多く、クラブ活動、社員旅行、ビアガーデン等の社内イベントもあって、社員間のコミュニケーションがとてもスムーズです。Uターン人材が多いのも特徴で、手前味噌ですが、浜松でITを仕事にするなら当社がファーストチョイスだと自負しています」（山内氏）。