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インタビュー画像大学、大学院では機械学習の研究に取り組む。新卒でSIerへ入社した後、2016年にSansanへ入社。 約3年間プロダクト開発部のエンジニアとして従事した後2018年12月より人事部へ異動、以来エンジニア採用を務める。 最も影響を受けた技術書はスティーブ・マコネルの「ソフトウェア見積り」。 好きなプロレスラーは柴田勝頼。

Sansanエンジニアの考えに共感し、転職。

―これまでの経歴を聞きたいのですが、Sansanは何社目ですか? 2社目です。大学院修了後、中堅のSIerで働いていました。就職活動の時、最初はベンチャー企業も考えたのですが、当時はベンチャー=チャラチャラしている、という固定概念があり、自分に合わないと感じてたんです。そこで、しっかりしたイメージのところを探し、要件定義と実装の両方が経験ができ、技術的にも成長できるところを探して前職の会社に決めました。入社後は自社のパッケージの開発を行っていました。3年弱働いてSansanに来ましたが、実は特に転職したいという思いはなかったんですよね。 ―それがどうしてSansanに? あるとき技術系の勉強会に行ったんですよ。それまでは技術的な話しは社内のメンバーとしかしたことがなかったのですが、ウェブサービスのエンジニアたちがワイワイとすごく楽しそうで。そこで「あれ?開発って俺が思ってるより楽しいのか?」という思いが湧きました。 当時、前職での仕事は嫌でもなければ、苦しくもなかったのですが、「楽しいか」とか「成長できているか」というと、そうと言い切れない部分もあって。そこからもう少し自分なりに探ってみようという気持ちになりまして、SIerからウェブサービス企業に転職した人の転職体験が聞けるイベントに参加しました。 そのイベントでパネリストとしてSansanエンジニアが出ていたのですが、他の企業では「自分の好きな技術を追求できる事がやりがいだ」という意見が多い中、Sansanのエンジニアは「技術も大事だけど、その先のサービスこそが本当に重要」と話していて、すごく共感したんです。僕の中でも、好きな技術がやれればいいという考えはなくて、技術は世の中に価値を与えるためのものだという思いが強くあって、彼らの「ビジネスと技術は両軸で考えなくてはならない」というメッセージに納得しました。 SIerというビジネスモデルは、仕様にしたがって開発して契約の期日に納品して売上をたてる、という流れなので、そもそもの考えが違いました。イベントで話を聞いて「こんなアプローチができるんだ。自分の考え方と同じ会社がちゃんとあるんだ!」と思いました。それで早速、Sansanにエントリーしました。

エンジニアのバックグラウンドを 持つ人事として

―入社後は、プロダクト開発部に配属されましたが、そこではどのような事をしていましたか? 入社後1年半は法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」のエンジニアとして働いていましたが、その後、新機能の開発に携わりました。 ―新機能開発で印象的だったことはありますか? そうですね、たくさんありますが、先輩エンジニアのエピソードですね。新機能のアーキテクチャを考えようという最初の段階で、その先輩が考えたものに対して「たしかに一般化したらそうなるけど、そんなに複雑にする必要があるのか?」と思える箇所があったんです。でも、その先輩がそう言うならと、深く考えず作りました。約半年後、リリースしてから「こんなパターンがあったらどうする」と問題が起きかけた時に、先輩が「このパターンはこのルートを通るから大丈夫」だと。想定内だったんです。 半年前の僕には全く想像できなかった事が、彼の頭にはあった。「こんな事、半年前に考えていたんですか?」と聞いたら、「なんとなく」と返ってきて。本当にすごいなと素直に思いました。後から考えると、どれにもきちんとロジックがあって、当初複雑すぎると感じた僕には、そこまでの考えが及んでいなかったんです。 ―そして、今度はエンジニアから人事へ。大きな変化ですよね。 さかのぼれば、学生の時から「自分は一生エンジニアとして生きていくのか」という疑問があったんです。それは1社目で働いているときやSansanに転職した後も、折に触れて浮かんでいました。かといって何がしたいかというと、はっきりとはわからない、という状態が続いていたんです。転機は、代表の寺田と行った「Know Me」(※)。僕ともう一人で寺田を誘ってみようか?というノリで声をかけたんです。当日、早速寺田から「何か悩みあるか?」という質問をされたので、思い切って話してみました。「一生エンジニアでいたいのか迷ってる」と。それに対する寺田の回答が、まさかの「人事やらないか?」でした。 ―人事への異動という選択肢はこれまでにあったのですか? いえ、一度も考えたことはありません。思いも寄らない提案でしたが、一晩考えて「やります」と返事をしました。 ―一晩でそんなに大きな決断を? 僕のポリシーとして「想像していない選択肢が目の前に来たら、乗る」というのがあったので(笑)。その他にもいろいろ考えていて、まず、それまでSansanの人事にはエンジニアリングのバックグラウンドを持っている人がいなかった。Sansanという会社が今後やるべきこと、やりたいことを考えると、エンジニアの数は全く足りていない。客観的に考えて、僕のような人材がエンジニア採用にコミットするべきだ、と思えたのが大きかったです。また、僕個人の話になっちゃいますが、「エンジニア×人事」という点で、未知の分野で成長して尖った人材になれるとも感じました。あとは、僕としては寺田に信頼してもらえているという感覚があったので、彼が言うならやってみようと思えました。 ※Know Meとは 他部署の社員と飲みに行く場合に、会社から1人当たり最大3,000円の補助が受けられる、事業成長のためのコミュニケーション醸成を目的としたSansanの社内制度。

「Sansanエンジニアならでは」をもっと発信したい

―エンジニア時代と比べて、人事での仕事はどうですか? 人事って、こんなにやることがあるんだ!と思いました(笑)。日々の社内ミーティングもそうですが、候補者や面接官、エージェントと話をする、それぞれ日程調整をするなど、細かい作業がたくさんあります。エンジニアとの違いを考えると、エンジニアは「人間は、失敗やミスをするもの」と言う前提に立って、極力、人に依存させないプロセスを作り、人が失敗しても何とかなる仕組みを作ります。対して、人事は、ある意味で属人的というか、人との間に立つのが常で、メール1本の間違いが致命的なことになったりもする。エンジニアも人事もやることがたくさんあるのは同じですが、仕事の捉え方、進め方は全く違うと思います。 ―実際にエンジニア採用を行って、エンジニア出身の人事としての強みはどんなことだと感じますか? 二つあると考えています。一つは、エンジニア的な発想でものを考えられること。 もう一つは、Sansanに入社する候補者やエージェントに生の声を届けることができること。例えば「Sansanのエンジニアは裁量をもってものづくりに取り組めるよ。ただ案件が降ってきて実装するだけではなくて、エンジニアの意思が尊重されるよ。」ということは、言おうと思ったら誰でも言えますが、これを自分の経験を交えて語ることができる。最初はあまり興味がなさそうだった候補者に対峙したとき、Sansanのエンジニアとしての働き方の魅力を本音で伝えられた時に、だんだん前のめりになって「面白そう」と言ってくれると、本当にうれしいですね。 一方で、現エンジニアの生の声はとても大事だと思いますので、Sansanの伝統的なイベント「寿司パーティー」のような、エンジニアとフランクに話せる場を効率的に回数を増やしていきたいと思います。 ―エンジニア出身の人事が思う、Sansanでエンジニアとして働くことの良い点は何でしょうか? 物理的な面と文化的な面の二種類があると思っています。物理的な面では、PCなどスペックがいいものが与えられることと制度が整っていることですね。Sansanには、書籍・資料の購入を補助する制度があります。僕はエンジニア時代には普通に使っていましたが、人事になり、他社の制度についても知ると、これだけの額の補助が受けられて、かつ購入したものが私物になることは珍しいとわかり、ここは推せるんだなと思いました。 文化的な面では、他職種の社員がエンジニアに敬意をもって接してくれるところ。エンジニアのパフォーマンスを上げるために、あるいは下げないためにはどうすればいいか、を心得ている。例えば「集中してるエンジニアに軽々しく話しかけちゃいけない」とか「工数見積もりを100%確実なものと受け取らない」とか(笑)。他部署の人間が「うちのエンジニアが言うなら信頼して任せる」と言ってくれることは、エンジニアにとってもやりがいにつながりますね。ここは寺田の根底にある考えが影響しているのだと思います。寺田はよく「僕らはエンジニアではないので、自分たちではものが作れない。だからものづくりのできるエンジニアのことを尊敬している」という話をしていて、その気持ちが社内に浸透しているのでしょうね。もちろん、エンジニアも他職種のメンバーには心から敬意を払っています。 こういったSansanの魅力をもっと発信していかなければならない。僕は仕事柄、転職エージェントさんと話す機会が多いですが、Sansanがどういう会社か伝わっていないことが多いのが現状です。まだまだやれることはたくさんあると思っています。 ―候補者から寺田について聞かれることはありますか? ひとことで言うなら「宇宙人」(笑)。すごいと思うことを一つ挙げるなら、使える時間の全てを思考に使っていること、考えまくっているところですね。それはSansanの成長のためだけでなく、人間として自然とものを考えているのだと思います。以前、ランチに一緒に行った時に聞いたんです。「社長として一番大事にしていることは何ですか?」って。そうしたら「問いだね」と即答でした。その考えには、僕自身大きな影響を受けています。

人事とエンジニアの架け橋としての取り組み

―人事として、これまで取り組んできたことは何ですか? 人事とエンジニアって、見えない“壁”があると思うんですよ。お互いがお互いに対して思うところがある、みたいな(笑)。僕は両方を経験しているからこそ、その間で何かつなぎ役ができたらいいなと考えています。 エンジニアともっと仲良くしようという試みとして、勉強会を主催したり、エンジニアと一緒にPodcastをしたり、あとは僕ら人事がエンジニアとランチに行くという企画もしています。これは、開発の中で今何が起きているかを人事として情報を得るということと、逆に、人事は今こんなことやっていてこんな苦労があるということをエンジニアに対してアピールをすること。つまりお互いのことをもっと知ろうよという目的でやっています。 ―今でもコードを書いたりはしていますか? それはしています。それがなくなったら、エンジニアとしてのバックグラウンドを持っている強みがなくなるので。 最後に今後についてですが、自身のキャリアについて、また人事としての目標について教えてください。 自分自身のことで言うと、これからどんな風になっていきたいか、自分が本当にしたいことについては今も模索しています。最近では、与えられたことに対してはチャレンジはできるようになっているけれど、改めてそこに自分の意志が強くあるのかと言うとまだ自信がない部分もあって。先日30歳になったのですが、今年の目標は「戦略」にしようと決めたんです。もっと長期的にものを見るための「戦略」が自分には必要だと思っています。 人事としての目標は、「エンジニア採用において、Sansanが日本一イケてる状態になること」。イケてるとは、極端にいえば何もせずとも優秀なエンジニアが自然に集まってくることです。そういえば先日、エンジニアに対してアンケートをしたんです。Sansanに入ると決めた段階とその理由について。入社を決めた段階で言うと、もっとも多かったのが1次面接。理由で圧倒的に多かったのが「社員の魅力」だったんです。これは技術力なども含みトータルで「社員の魅力」だと思いますが、この結果を踏まえて、その魅力をもっと前段階で、欲をいえば選考を受ける前からその魅力が伝わっていると理想ですね。それを実現するため、もっといろんな発信を行っていきたいと思っています。

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