株式会社NexToneシステムズ

インターネットやスマートデバイスの普及によって人々の音楽・動画の視聴スタイルが急速に変化する中、大きな転換点を迎えている音楽・エンターテイメント業界。アーティストやプロダクションは音楽を聴く消費者との新しい関係の形を模索し、IT戦略を本格化させている。そんな業界内で期待の高まる注目企業が、株式会社NexToneシステムズだ。

2016年より「次代を奏でる著作権エージェント」として新たなスタートを切った株式会社NexToneの子会社である同社。WEB配信などコンテンツ業界に特化したシステム開発の経験と著作権管理団体のグループならではのノウハウを活かして、業界特有の課題やニーズに対して新しい形の選択肢を提供していきたいという想いから2011年8月に設立された会社だ。

現在は、親会社とのつながりを十二分に活かし、誰もが知っているレコード会社や音楽プロダクションを中心に、音楽や動画配信サービスの管理システム、著作権・原盤管理のバックヤードシステムなどの構築を行い、業界のIT化を影で支えている。

「音楽・動画エンタメ業界で一番信頼されるシステム企業になりたいですね」というのは代表取締役社長の猪熊宏志氏。
その信頼の強さの秘密は親会社とのつながりだけではない。同氏は2つのポイントを教えてくれた。

1つ目は「業界の言葉でお客様と会話ができる」ことだ。
「音楽や映像などのコンテンツ業界は業界特有の慣習も多く、杓子定規なヒアリングでは決してお客様に満足頂けるシステムを構築することはできません。
当社の強みは、システムのプロフェッショナルであると同時に、常にプロダクションやレコード会社と密接に関わる事によって得られる業界知識を武器に、業界の言葉でお客様と仕事ができること。」（猪熊氏）。

2つ目は「バランスのとれたチーム構成」にある。
「音楽業界は非常にクリエイティブな世界なので、新しい技術をいち早く取り入れてユーザーに出していくスピード感や柔軟性が重視されますが、その一方で細かな印税計算など緻密で安定性の高いシステムも求められます。それらのバランスがこの業界の難しいところです。当社にはWebサービスを開発するチームと権利処理システムを開発するチームがあり、お客様のニーズに合わせてメンバーを柔軟に組み合わせて最適な形でソリューションを提案することができます」（同氏）。

エンターテイメント分野におけるトレンドの最先端に身を置きながら、新しいメディアやサービスを生み出す企業をテクノロジーで支え続けることを目指す同社では、上記のポイントを軸に、さらなる事業展開に取り組んでいる。

同社のビジョンは、“音楽を創作する人と音楽を楽しむ人をつなぐ”ことだ。

前述の通り音楽業界は現在大きな変化の中にある。CD売上が停滞する中、アーティストにはこれまでと異なった商品の創作が求められ、ライブやグッズ、イベントの参加券など、様々な取り組みが行われている。

そんな環境下で同社は新規事業として、流通を手がけるダイキサウンド社と協業し、音楽・動画・カラオケ・画像などのデジタルコンテンツを楽しめる『M∞CARD（エムカード）』と呼ばれるカード型メディアの開発・提供を開始した。

猪熊氏は新サービスについて、次のように説明する。
「音楽や映像は、ここ数年でデジタル配信が主流になりつつあります。いつでもどこでも手軽に音楽を購入できるようになった一方で、CDやDVDなどの『モノ』に対するニーズもなくなったわけではありません。M∞CARDは、デジタル配信とCD・DVDの両方の良さを兼ね備えたカード型メディアです。モノとして所有する楽しさとコンテンツの柔軟性を実現したサービスとして、現在レコード会社や音楽プロダクションなどのイベントやプロモーションで多くご使用頂いています」。

NexToneシステムズの最大の強みは、M∞CARDのような新たな音楽メディアから様々なコンテンツの配信技術、さらには配信によって生じる細かな権利処理システムまでのソリューションを一貫して提供できること。エンターテイメント分野でここまで幅広いサービスを包括的に提供できる企業は他にないのではないかと、ライツシステム部部長の玉野氏は胸を張る。

このように幅広いソリューションを提供できる社内体制と、プロダクションやレーベルとの強固なネットワークが、同社の“音楽を創作する人と音楽を楽しむ人をつなぐ”という同社の方向性を支えると同時に、他社に真似できない強みとなっている。

音楽業界でビジネスを展開する同社には、もちろん音楽好きが集まっているが、メンバー達はただ自分自身が音楽を楽しめれば良い、という考えには留まらない。

「音楽を創作する人がいて、世の中に広める人がいて、そして音楽を楽しむ多くの人々がいる。その全ての立場の人に喜んでもらうことをイメージしながら、ビジネスに取り組んでいます。今後、インフラ環境の充実に伴って、更に手軽に音楽や動画を視聴できるようになっていきます。その土台作りをサポートし、良い音楽や映像を高いクオリティでユーザーに届け、楽しんでもらうことが一番大切だと考えています。メンバーもアーティスト達が音楽を広めていくことに貢献したいというマインドの人が多いです」(玉野氏)。

社員にとっては常に音楽業界のトレンドに触れることができ、同社が技術提供するサービスやアプリで多くのユーザーが音楽を楽しんでくれていることを実感できるのが大きな魅力だという。

「まだスタートしたばかりのベンチャーなので人数も少なく、明るく和やかな雰囲気で日々仕事をしています。エンターテイメント業界に関わるビジネスだからこそ、毎日楽しんで仕事をしてほしいな、と思います。NexTone社と同じフロアで仕事をしているので、ITエンジニアだけではない色々なスキルやバックグラウンドを持つ人達と情報交換できるというのも面白いところですね」(玉野氏)。

そんな同社で活躍するにあたって最も重要なのは“好奇心”。

様々なジャンルの音楽や、新たなネットサービスやデジタルデバイスなど、色々なことに興味を持ち、常にアンテナを張る姿勢が求められる。そんな姿勢を持ったメンバーによって構成されている同社は、まさにこの領域で自社サービスを作っていく土壌を十二分に持っていると言えよう。

最後に猪熊氏は次のようなメッセージをくれた。

「エンターテイメントサービスを始めたいと考えたときに、最初にNexToneシステムズに相談してみようかと思われるような存在になりたいと思っています。そのためには包括的なサービスを提供し続けなければなりません。この業界は、特定の分野に特化してサービスを提供している企業は存在するのですが、幅広い視野でシステムをコーディネートできる企業はあまりありません。今後は自社の強みを活かしながら、サービス規模の拡大とソリューションの多様性も追求していきたいと考えています。是非当社の理念に共感し、エンターテイメント業界の発展に貢献したいと思ってくださる方と一緒に仕事をしたいと思っています」。

好奇心と向上心があれば、音楽業界の知識は不問。自分の技術力でエンターテイメント業界の未来を切り拓いていきたいと思われる方に、是非おすすめしたい企業である。きっとこの会社とそこに賛同した気概をもったメンバーがこの新しい業界を自分たちの想いを乗せて先頭を走っていく未来は現実になるだろう。