代表取締役 坂本 秀明 氏 社会人のスタートは貿易会社から。貿易事務の業務に従事するも物足りなさを感じ、学生時代に学んだコンピューターの業界に転身。 システム開発会社で10年弱の経験を積んだ後に独立し、ビットソリューションを創業。 2008年から実質的にサービスをスタート。以来、会社の業績は右肩上がりに伸びている。

御社の事業内容やプロジェクトにおける立ち位置などを教えてください。

当社の主軸のサービスは、ITサービスのコンサルティングです。たとえば、ただ言われた通りにアプリケーションを作るというレベルではなく、ユーザーさんのIT資産を今後どのように持っていくべきかなど、大きな方向性をご提示していくようなサービスです。言われたことを実現するのではなく、もう一歩踏み込んだサービスをご提供しているというのが、当社のポイントなのかなと思います。 多重構造のIT業界のなかで当社は、ユーザーさんがいてプライムベンダーさんがいて、当社がいるという形での関わり方が多いですね。ほぼ直請けに近い状態で、プライムベンダーさんと一緒にユーザーさんに対してご提案などをさせていただいています。実装の部分は、インフラ関係は当社で実現できるのですが、プログラム開発などは協力会社さんにご依頼することが多いです。そこまで一気通貫してできればいいとも思うのですが、少人数の会社なので、プロジェクトマネジャーや複数のプロジェクトをマネジメントするPMOの立場で携わっています。

孫請け以下の立場の会社も多いなかで、御社がその立ち位置を可能にしているのはなぜでしょうか。

私は以前の会社に10年近くいるなかで、プログラムやインフラ基盤等の勉強をさせて頂きいろんなスキルと経験を身に着けました。その結果独立したとき、ありがたいことに「坂本さんならこの規模の仕事はできますよね」と、比較的規模の大きい仕事を紹介してくださる会社さんがいくつかありました。元をたどればそこから広がっていった形ですが、今の当社の強みとしては、やはりメンバーの経験や技術力、発想力だと思います。 私以外のメンバーも各々が、プロジェクトマネジメントの経験が長かったり、海外の経験が長かったりといった強みを持っています。また当社の契約スタッフは、普段は個人事業主として活躍している方にプロジェクトに応じてご協力いただく形ですが、日ごろから知っていて、その仕事ぶりに信頼を置いている方ばかりです。そのようなメンバーがサービスにあたっているので、お客様からの信頼を落とすことなく実現し、さらには次の仕事へとつながっています。 この規模の会社だとプログラムだけ、サーバーだけ、基盤だけという会社が多いのでしょうが、当社はトータルに対応しています。それも決して大手SIerにも引けを取らない品質で。それを可能にしているメンバーの力が当社の強みだと思います。

少数精鋭の御社ですが、今後も拡大の予定はないのでしょうか。

当社は、大企業にしたいわけではまったくなくて、これからも少数精鋭を一つのキーワードとしていきたいと思っています。私自身が見られる範囲を保ちたいので、増えても最大で20人くらいでしょうか。単に規模の拡大を目指して、信頼を落とすような体制になるより、ユーザーさんのニーズをしっかり理解して応えていける。ビットソリューションに依頼すればきちんとした回答がすぐに返ってくる。そういう組織でありつづけるために、これからも少数精鋭でいきたいと思っています。 少人数ですから、たとえば行動指針とか教育とか難しい制度なども何もなくて、言ってみれば会社は白いキャンバスだと思います。そこに思い思いの色を塗っていくような、そういうメンバーを集めたい。きっと目指すものや大事に思うものはそれぞれ違うでしょう。そのそれぞれの思いはきちんと聞きたいし、できるだけかなえたいと思っています。その積み重ねで社員との信頼関係を築き、会社として大きな力を発揮できるようにしたいですね。

この仕事のおもしろさと、御社ならではのやりがいを教えてください。

ITコンサルティングにはマニュアルがないんです。教科書に載っていることは過去のことが多いかと思いますが、ITは今ないものを発想し、形にしていく仕事ですから。でもマニュアルがないからこそ、世の中にないものを提供していくには、まず今どういうものがあって、それがどうなれば次につながるかと考える楽しさはありますよね。 ともすればITに対して皆さんは夢を見がちです。何でもできるのではと思われがちですが決してそうではなく、私は、今ないものをどうやって形にしていくかを整理していくことに重きを置いています。その地道なプロセスを含めて、実現するまでのすべてがおもしろい仕事だと言えると思います。 特に当社でのおもしろさ、やりがいと言えば、やはりユーザーさんの声を非常に間近に聞く機会が多いということでしょう。リアルタイムでダイレクトに聞けるということは、それがいい内容でも悪い内容でも、大きなやりがいになると思います。 やはり孫請け以下になると言葉の数がだんだん減って、あるいは端折られてしまって、なぜそれをそう作らないといけないかが、わからないまま実装するような状況がかなりあると思うのです。ユーザーさんと直接やりとりするから、なぜそれが必要なのかを聞けますし、もしくはそこで聞かなかったとしても、「あそこできちんと聞いておくべきだった」という後々の反省につながります。その繰り返しでワンクッション、ツークッションが入ると見えなかったものが見えるようになります。 それによって多分、単にものをつくることがやりがいではないと気づいてもらえると思います。そして、もう一歩先の発想に立てる人材に発展できるのではないでしょうか。誰かに「これを作りなさい」と言われ、「はい、わかりました」ではなくて、本当にユーザーさんが求めるものは何かという発想を得ることができるでしょう。 だから当社にお入りいただく方には、何事にも一生懸命やってもらいたいと思います。ユーザーさんの一つ一つの声に耳を傾けることや、どんなに地道なことでも、その積み重ねが最終的に大きな力になると思うんですよね。意味のないことは多分ありません。一つ一つの経験が大きなやりがいに変わる。そういう思いで、精一杯頑張れる人を応援したいです。