株式会社レンサ

株式会社レンサは、スマートフォン向けコンテンツの企画・制作を行うITコンテンツプロバイダとして事業を開始。iOSアプリ、Androidアプリの他、LINE、mixi、Ameba、ひかりTV などのメディアに向け、デジタルコンテンツを中心とした開発・提供からスタート。2011年2月の設立から現在までに、自社で開発・リリースしたアプリは600本以上に上る。レンサは最も効率化されたアプリファクトリーともいえる。

同社が開発するコンテンツで最も多いのが女性向けメディアやコンテンツだ。占いや恋愛メディアなどを中心としたアプリを数多くリリースしており、App Store、Google Playランキングの上位を占有。同社が提供するアプリの総DL数は1,600万以上に上り、スマートフォンアプリの占い分野では業界トップクラスのシェアを占めている。また自社開発のオウンドメディアは月間数100万PVを記録。女性向けメディアとしては日本TOPクラスのものを維持している。そういった盤石なる事業体制の中からエンジニア向けの教育ビジネスやカルチャービジネスに参入。現在はスクール事業などを始め複数のビジネスのスキームを拡大させ続けている。

また、堅調な経営状態を維持し、大手上場企業並みの売上を計上。LINEや楽天、多くのプラットフォームから厚い信頼を得る要因の１つでもある。また現在好調がゆえに増員増加を図り、2015年に比べ、社員数は10倍となって現在は100人を超え。事業を日々、拡大させ続けている。

レンサ社を設立したのは、代表取締役・武井哲也氏。現在はレンサ社の代表取締役を務める他、老舗のコンテンツプロバイダ・テレシスネットワーク社など複数社の取締役も務めている人物である。

武井氏は、慶應大学商学部を卒業後、女性向けデジタルコンテンツを提供する企業に就職。そこでコンテンツビジネスのノウハウを学ぶと、次にBaidu incへと移籍。検索エンジン『baidu』の言語相関性アルゴリズムの企画構築などに従事した。その過程で「インターネットを活用し、人と人との心をつなげるプロダクトを通じて人々の生活に少しでも役立てる情報を提供するビジネス展開を行いたい」と考えるようになった。そして2011年2月、外資大手証券会社に勤めていたエンジニアを誘ってレンサ社を創業し、スマホ向けコンテンツの提供を主軸とした事業を開始するに至っている。「レンサ」という社名は“連鎖反応”“心と心のつながりの連鎖”に由来している。ともすれば冷たい印象を持たれることがあるインターネットの世界だが、人の温かさが伝わる商品を作りたいという武井氏自身の強い思いに基づいた社名だ。

そんな武井氏が率いるレンサ社を構成するのは、東京大学、京都大学、慶応大学、早稲田大学、筑波大学などを中心とする優秀なメンバーである。しかも、もともと自ら起業経験を持つような実力者たちが揃っている。各自が自律型人材であるため、それぞれに大きな裁量が与えられている。一人ひとりがPDCAを意識し、ユーザーがどうしたら喜ぶかを真剣に考え、積極的に新しい試みができる土壌を形成していることが同社の強みである。

また、4年強で200本以上のアプリをリリースしヒットを量産してきた背景には、スピード感のある効率的な開発体制がある。レンサ社の開発はすべて内製で行う。アプリケーションのサーバーサイドは、RubyやRails（最新のものを使用）によるアジャイル開発を取り入れ、API やデータベースを駆使することで週1本の新作リリースというサイクルをキープしている。また、バックエンド言語やフロントエンド言語はエンジニアの教育のために常に新しいものを取り入れモダンな開発ができるような柔軟な開発体制を築いている。便利なライブラリは積極的に取り入れ、必要に応じて開発言語やフレームワークを柔軟に変更していく方針だ。今後は社内ツールの拡充なども視野にいれる。レンサにはそうしたものづくりに対する熱い気持ちが根付いている。

2011年に設立されたばかりのまだ若い会社でありながら、ユーザーの高い評価に支えられ、毎年増収増益を維持する同社。事業はこういったデジタルコンテンツのノウハウから人材育成事業を開拓し、社員数、売上規模ともに毎年

レンサ社の平均年齢は30歳前後。開発するコンテンツは女性向けだが、男女比の構成は6:4と現在は開発エンジニアが多く男性の比率が多くなっている。「お客さんの身になって物事を考える」「やってみなければわからない」という基本方針のもと、常にユーザーのためにどうしたら良いかを考えて全社一体となって日夜、試行錯誤を続けている。そんな同社が、さらなる業容拡大を目指して、積極的な採用活動を行っている。

同社の社風はずばり、自由でフラット。武井氏と社員の関係も何でも言い合える距離の近さだ。開発を全て自社内で行っていることもあり、自分たちが考えたことがそのまま形になる。エンジニアも開発業務だけにとらわれることなく、例え新入社員であってもプロダクトの企画提案を行うことが出来る。さらに、新規事業にも積極的に取り組むフェーズでもあるため、会社の成長とともに社員も成長できる環境だ。実力を持ったエンジニアやデザイナーが集まるチームで、話し合いながら理想のアプリを生み出していけることは、高い向上心を持つエンジニアやクリエイターにとっては大きな魅力だろう。また、これまでに自分で考え、工夫を凝らして仕事をしてきた人にとっては非常に楽しめる職場でもある。もちろん設立からさほどの年月が経っていないため未完成な組織だが、それを含めて楽しめるような人材であれば、会社全体を大きく動かすような活躍もできる土壌がある。

ミーティングは短めに済ませるなど、効率と生産性を重視する風土が定着しているが、その一方では社員同士仲が良いことも大きな特徴である。春の花見や歓送迎会といった社内行事はわきあいあいとしたアットホームな雰囲気が漂う。

少人数制の組織でありながら、大手並みの売上を誇る企業は多くはない。個々人が切磋琢磨しながら高め合い、多くのユーザーにコンテンツを通じて“笑顔のレンサ（連鎖）”を作っていくことが同社の目指すところである。企画や開発をするうえで一番大事にすることは、「自分がお客様だったときにそれが欲しくなるか」だ。服装も髪形も自由で、上下関係もない分、自分で節度を守り、ユーザーのために何ができるのか、どうしたら喜ばれるのかを、仲間たちと一緒に楽しみながらも真剣に考えられるメンバーをレンサ社は待っている。