株式会社UNCOVER

株式会社UNCOVERはWebサイトの制作を基本に、関連業務を幅広くカバーするWeb制作プロダクションである。コンセプト選定・企画から始まり、設計・デザイン、実装・開発などによるWeb制作を行っている。また、リリース後のリニューアルや運用までの一貫したコンサルティングも請け負っているのだ。

同社の強みは、なんと言ってもデザイン力の高さだ。代表・副代表共にデザイナーであり、グラフィックに特化した関連会社とプロジェクト体制を組み、高い専門性や対応力を発揮する。こうして、クリエイティブな要求の高いクライアントのニーズにも徹底的に応えているのだ。その他、アプリケーション開発やCGプロモーションムービー制作等も手掛ける。

代表である岩崎氏は多摩美術大学卒業後、建築設計会社・イベント企画設計会社を経て、2001年にデザイン事務所を設立した。AQUA ZONE の3DCGデザイナーとして業務に従事した後、2004年に株式会社UNCOVERを設立。当初は、代表と副代表の2名で、CGデザイナーとグラフィックデザイナーという体制をとり試行錯誤を続けたという。その中でWeb制作の分野へ進出。次年度には、Web領域での売り上げを着実に伸ばしていき、2011年に沖縄支社、2014年には中国大連市に現地法人を設立した。このような経緯があり、株式会社UNCOVERは電子分野のみならず紙媒体や映像・CGなど幅広く対応が可能になっている。これは、他のWeb制作プロダクションにはなかなかない強みであるといえよう。

岩崎氏は株式会社UNCOVERの代表取締役として多忙を極める一方で、ハイドロフライトという水力飛行マリンスポーツの日本国内での展開業務にも携わっている。また、『CGテクスチャプロ技55 現場で使える実践テクニック+フリー素材』という著書もあり、同社の代表でありながら各分野でのプレイヤーとしても、精力的に活動している。

現在は、Web制作業務においてエンドユーザとの直接取引を軸として順調に売上高を伸ばす株式会社UNCOVER。今後は更に業務を拡大し、アプリ開発や管理系UI開発・海外でのサービス展開など、国内外問わずボーダーレスなビジネスフィールドを進んでいく。

前項で同社の事業内容と設立の背景、ビジネスの強みを紹介した。ここでは、東京の他に、沖縄と中国大連市に事業所を設立した経緯をより深く見てみよう。

本社は、東京の中でもトレンド発信地として名高い渋谷区ある。魅力的な飲食店やショップなどが集まる洗練された街だ。クリエイティブなデザインワークにこだわりを持つ同社のヘッドオフィスが渋谷にあるのは、おおいに納得できるだろう。一方で、次の拠点が沖縄というのはなぜなのだろうか？同社は「安さ」だけに価値を置きがちな世情に懐疑的だ。そこを勝負の起点にすれば、スタッフはもとより業界としても成長はないと考えている。それゆえに、良い職場環境と待遇が技術者やクリエイターの成長には絶対に必要だという姿勢を崩さない。「コスト主義ではなく、あくまでもクリエイティブを探求する心を忘れません」と、代表の岩崎氏は語る。

東京でWeb業界の最前線に触れることは、デザイナーや技術者にとって大いなるメリットだろう。そして、もう一歩先へ踏み込み優秀なクリエイターの拠点を沖縄に構築し、Web業界の最前線で得たノウハウを沖縄で展開することで地域貢献を目指すという。更にビジネス活況に沸く中国大連市に支社を設立することで、グローバル化と事業拡大を目指しているのだ。東京・沖縄・中国という3拠点のネットワークを強固に連動し、地域性を有効に活かしつつも東京のトレンド感をリアルタイムで体感できる体制を敷いている。

同社の主軸はコーポレート系、ブランド系、プロモーション系のWeb制作だ。この分野においては、今後先進性や専門性がより求められていく。また、広告やマルチデバイス、オフラインなど外部との連携方法も複雑に形を変え、トレンドはより早く変化していくだろう。同社は、強みであるトレンドのキャッチアップ力をいかんなく発揮し、その技術を共有・応用したコンテンツ制作を積極的に行っていく。また、培ってきた柔軟な発想やスピード感のある決断で、主軸以外の新規ビジネス分野においても力強く拡大を推進していくという。今後も同社のスピーディーな展開には注目だ。

クリエイティブなデザインワークにこだわりを持ちつつも、新規ビジネスにも積極的に取り組む同社。オフィスや社員間の雰囲気はどのようなものなのだろうか？

「とにかく飾らない会社です」とは、代表の岩崎氏の言葉だ。トレンドのキャッチアップ力には自信を持つが、それをあまりに過度に追い求めることは意識的に避けている。小難しい言葉ばかりを並べ、本来の目的を失うような集団でいてはいけないという意識が働いているのだ。そこには、自意識を強く持ち過ぎず謙虚にクリエイティブワークに臨む姿勢が感じられる。

社員の構成は、現在少数精鋭構成でほぼ100％が中途採用者。しかし、その離職率は5％未満だという。役職や年功序列、縦関係といった仕切りがとても低く、自由に意見交換ができる風通しの良さがある。また、大切にする企業文化は、とにかく楽しむこと。ポジティブに考える、声を出して笑う、価値観を押し付けず互いに歩み寄る姿勢。そんな明るい雰囲気を重視する。目標に対してはシンプルに、正面から向き合う。物事を斜めに見ることを良しとしない。そして、押さえるべきところはしっかり押さえ、抜くところは抜く。そんなメリハリのある職場環境が離職率の低さにも表れているのだろう。

社員間のコミュニケーションは活発で、社員旅行や定期的に行われる懇親会の参加率は常に90%以上だ。エキサイティングでありながらもアットホームなオフィス内の雰囲気が伺える。未経験者に対しては専任教育担当を配置し、経験者で希望する者に対しては個別の教育プログラムを実施する。スキルアップやキャリアアップにバックアップを惜しまない環境だ。しかし、同社ではそれ以上に「誰と仕事がしたいか、誰と一緒にいたいか、ここが本当に自分にとって長くいられる場所なのか、有意義な生活を送るためにふさわしい場所なのか」そんな考え方ができる人材を求めているという。同社が自分にとってナンバーワンのフィールドだ、そう感じている社員が集っている。