代表取締役　山田俊太郎氏

御社を創業するまでの経緯をお教えください。

学生時代にITブームが起きて、堀江貴文さんや藤田晋さんといったベンチャー経営者の本を読み、「自分もベンチャーの社長をやってみたい」と漠然と思うようになったのです。 しかし、いきなり社長にはなれないだろうから、まずはその手前の“事業責任者”を経験してみようと、当時たくさん出始めたITベンチャーに片っ端から当たって、インターン的に仕事をさせてもらえるところを探しました。すると、サービス業の求人ポータルなどを運営している会社が「営業として実績を出したら事業責任者をさせてあげてもいい」と言ってくれたのです。さっそく仕事を始めると、面白くて業績も上がるようになりました。そして事業責任者も任せてもらい、やりがいを感じたのです。そうなると早く社長になりたいと、チャンスを伺うようになりました。そんな時に「出資してもいい」という協力者と出会い、オファーに飛び乗って当社を創業したという経緯です。

ITベンチャーの経営者になって、何を実現させたいと考えたのですか？

当初は社長になって何をしたいのかはよくわからなかったのですが、社長になればその時にやりたいことが思う存分できるのではないかというイメージがありました。しかし、そういうふうになるには、普通の人よりも、能力も仲間も資金も必要になるだろうと。それを揃えるにはどうすればいいかよくイメージできなかったですし、時間もかかるだろうと思えました。ならば、先に社長になってしまって、何が足りないか直面するものを一つひとつ獲得していけばいいと考え、協力者のオファーに乗ったわけです。最初はダメダメなのは覚悟の上です（笑）。 “お小遣いサイト”でスタートしたのは、当時流行っていたからです。スタート時に手っ取り早く稼ぐにはちょうどいいと考えました。けれども、数多くある競合には負けたくないと。自分には知識も経験も人脈もありませんでしたので、自分にできることは目の前のサイトを少しでも良くすることだけでした。できるだけ使いやすくしたり、コンテンツの量を増やす、ユーザーへのポイント還元率を高めるといったことにひたすら取り組みました。そうしたら、どんどん実績が上がるようになったのです。ある時、ユーザーからお礼のメッセージが届きました。その時、自分が世の中に貢献できていることを実感できて手応えを感じたのです。2年目の2010年には、プロモーションが当たってユーザーが殺到し、忙殺されるほどでした。その年末に、プロモーション抜きでユーザーにお礼のメッセージを送ったのです。そうしたら、反響のメッセージがたくさん返ってきました。ものすごいやりがいを感じましたね。その時に経営者として実現させたいことが見えてきたと思います。自分一人でこれだけの手応えがあるなら、もっと大人数でやればもっと大きな手応えが得られるに違いないと。そして人材の採用を始め、スケールの拡大に舵を切りました。今は、2020年までに売上高30億円、“お小遣いサイト”でNo.1を目指しています。

山田さんにとって“仕事”とは。

2つありあります。1つは、“自己表現の手段”であるということです。仕事を通じて自分の存在がユーザーや取引先、社員などから認めてもらえることは生きがいに繋がりますよね。 もう1つは、“関わる人を幸せにするツール”ということです。仕事を共有する仲間の生活を支え、取引先の業績向上に貢献し、ユーザーに豊かさをもたらす。最初は小さな“輪”で始まったことが、だんだん“輪”が大きく広がって、地域全体を幸せにすることにも貢献できるイメージがあります。そして、最終的に自分や家族にも還ってくる。当社が手がけているビジネスはそれができると確信しています。

社員にはどういった存在になってほしいと思っていますか？

できるだけ「こうなりたい」という目標を明確にし、実現させてほしい。そのために必要な計画づくりや技術の習得など、会社としてできるだけ支援していきたいと考えています。ただし、その目標ややりたいことが「ユーザーや取引先への貢献」という会社のベクトルと一致していることが前提にはなりますが。

オフタイムはどのように過ごしているのでしょうか？

結婚してからは、妻といろいろな店に食事に行くことが多いですね。ちなみに、結婚するまではずっと仕事してました。仕事が好きなんです（笑）。大きな声では言えませんが、先日、新サイトの開発で久しぶりに会社に泊まり込んだのです。妻には「ごめんね」と言いましたが、なんだかとても楽しかった（笑）。もちろん好きでやっていることで、社員にはしっかり休んでもらっていますのでご安心ください。