創業当初の思いについて教えてください。
企業に属している限りは、やはりその企業のスタンスやポリシーに従わなければいけない場面は多く、もっとこうした方がいいのにと思ったこともなかなか実行に移せないことがあります。 私がこれまでに務めた企業は本当に素晴らしい組織で仕事も面白かったのですが、やはり実際にお客様と対峙したときに自分の思うように話を進められないケースがあることにストレスを感じていたのです。 これは世の中の負の一つでもあると思うのですが、こういったものを解消したいという思いで、意気投合する仲間と共同で起業することを決意しました。 創業当初は、スマートフォンが普及し始めた頃で、さまざまな大手企業が次々にWebサービスを立ち上げていた時期でもあります。我々もアプリやWeb制作に着目していました。その業界をよくよく見てみると、需要に対してエンジニアが全く足りていないということに気がついたのです。私がもともと在籍していたリクルートもエンジニア不足の課題を抱えていたため、そういった現場にハイエンドなエンジニアを直接紹介するビジネスが成立するのではないかと考えました。 それと同時に、当社を通して日本最高峰の現場を経験しさらに腕を磨いたエンジニアが、我々が何かサービスやプロダクトをつくるときに助けになってくれるのではないかという思いもありました。そんな仮説があって、SES事業からスタートしたのです。
理想の組織像について語ってください。
当社の役員がよく口にしている「役職ではなく役割」という思想は、社内に浸透していると思います。 役職というものがあるとどうしてもそこに引っ張られるのが人間で、上位の役職の判断に必ず従うというような発想になりがちです。我々もそれで失敗してしまった経験が少なからずあります。だからこそ今はそうならないように心がけていますね。 大企業によくあるような組織内の派閥や上席との軋轢がないのが当社の良さの一つです。若手であっても中堅であっても、余計なしがらみなしに仕事に励むことができる環境があります。 実際に前職で不本意な仕事を我慢して続けていて、当社に参画してから一気に実力を発揮したメンバーもいます。 究極の理想を言えば、一人ひとりが自分のやりたいことに積極的に手を挙げて自由に挑戦していける組織ですね。社内ベンチャーのような動きがあってもいいと思います。もちろん、それぞれが自分で責任を負い、しっかりとプランを立ててヒト・モノ・カネを動かしていく姿勢は求められますが、チャレンジできる環境づくり・組織づくりには今後も取り組んでいきたいです。 組織の規模に関しては、今後拡大させていきたいと考えています。我々のビジョンに賛同してくれるエンジニアが増えれば増えるほど単純に対応できる仕事も増えて、結果的にみんながハッピーになると思っています。
仕事をするうえでの信条を教えてください。
夢というのは生きていくうえでは非常に大事で、絶対に失ってはいけないものだと思います。一方で、それが現実的かどうかというのも重要だと考えています。 ただ夢を追いかけるだけでは、結果的に周りを不幸にしてしまうケースもあります。私は自分に関わった人たちを絶対に不幸にはしたくないので、しっかりと利益を追求するという点に関しては常にアグレッシブでなくてはいけないと意識しています。 ただし、「論語と算盤」という言葉もありますが、利益だけを追求するとそれはそれでバランスが崩れてしまいます。例えばSESにおいても、ただ儲けるという目的であればいくらでも方法はあると思いますが、私がそのやり方をしたら自分が自分ではなくなってしまうという気持ちがあります。シンプルではありますが、そのバランス感覚はとても大切にしていることですね。
社員に対する思いをお願いします。
将来的に実際に独立するかどうかは別として、独立するくらいの気構えで仕事と向き合ってほしいと願っています。そのような気持ちでいると、成果が出るも出ないも全て自分のこととして捉えることができ、仕事はどんどん面白くなるものです。 当社のなかにも、「応援するから独立を目指して頑張ってみろ!」とアドバイスをしたら目の色を変えて仕事に励むようになり大きく成長したメンバーがいます。 本当に将来経営者になりたいのであれば、応援もするし具体的なノウハウも提供します。それはもちろん独立して競合するためではなく、互いに相乗効果を生み出すためです。 実際に当社を辞めてから顧問として活躍しているメンバーもいます。そもそも当社が最も大事にしているのはネットワークなので、そういったエコシステムを形成していくことができたら嬉しいですね。