代表取締役 加賀　学 氏

経営者として大切にしていることは？

自分自身が20年近く会社員をして、その後は経営者になり、以降ずっと自分自身に問いかけしてきたところなのですが、やっぱり会社は「人」のためにあるんだということです。みんな幸せになりたいと思って生きています。そのコミュニティーでリーダーシップを発揮するのであれば、一人でも多くの人がリアルの体験として幸せを感じられるような状況を作ること。それが一番重要なことだと考えています。 もう一つは、会社を続けていくことへの責任感です。いろんな世代の人が会社にはいて、現役世代としての賞味期限は、ある一時期に集中して起こるのではなく、常に分散しているわけです。だから、常に、今の時点で在籍する社員の未来というものを考えてあげなくてはいけません。つまり、会社とはある時点でなくなっていいものではないということです。

「人」に対する想いについて

私たちが一番恐れているのは、「ミスマッチ」なんです。入社後に「こんなはずじゃなかった」と思って後悔した人がいたとしても、ここで過ごした時間を我々は返してあげられないからです。 会社というものは破壊していかないと維持継続できませんし、未来の成長はありません。そして常にフレッシュな状態を保つことができない宿命を帯びているものです。だから、今ある仕事が将来ずっとあるとは限りません。そういったことを前提に、自分の人生とこれから身を置こうとする環境がマッチするかは、できるだけしっかりと考えてもらいたいです。 そういう想いもあって、経営理念や会社の目標といった私の考えを、できるだけたくさん発信するようにしているのです。

モダンブルーに入社した人に期待することは？

できるだけ人間力を高めてもらいたいなと考えています。では人間力とは何かと聞かれると、なかなか答えは難しいところですが、そのヒントとなるのが、私がいつも考えている「人の役に立つ自分になろうよ」ということだと思います。 つまり、日常で自分以外の誰かのために貢献するために、人が何を欲しているのかを理解しようとすることです。そこを突き詰めていけば、人間力が磨かれるのではないかと思います。そして、人間力が備われば、必ずいい仕事ができるに違いないと考えています。

尊敬する経営者は？

正直、いないです。私自身が常に、どういう経営者が望ましいのか、理想型なのかということを模索し続けているので……。 もともと社長になりたくてなったというよりは、何かの因果でこうなってしまったわけで。だけど、なった以上はしっかりやろうという気持ちではいますよ。 一つ言えるのは、今、人間社会は大きな変化のときを迎えていると思います。たとえばフランス革命の前後で社会が一変してしまったような、そうしたことが世界中のあちこちで起こりうる時代だということです。そんな中で、次の新しいイデオロギー、基本的な価値観を追求していかなくてはいけません。その真っ只中に、現役世代としているということ、そこでたくさんの仲間と仕事をしているんだということはいつも意識しています。

座右の銘や将来の「夢」があれば、教えてください

座右の銘はないですねえ。ホームページにいろいろと思いを書いていますので、その中のどれかがそういうものになるのかもしれません。 それで言えば、本も最近はあまり読んでいませんね。もちろん、人生の中のある一時期に読みあさったこともありました。 今の私には、「リアルな体験」というか、自分の周りで起こっていることが自分にどのような変化を加えているか、そうした視点で物事を考えた方が、自分の中で腑に落ちることが多いのです。だからこそ、日々、いろいろなものに関心を向けて生活するようにしています。 将来の「夢」ですが、若い人たちの応援団長みたいな役割になれるといいなと思っています。目が輝いている若い人たちが、世の中にはたくさんいます。彼らの力になりたいですね。 私は新卒社員が入ると、彼らだけを連れて飲みに行くんです。最初は緊張しているのがわかりますが、2回、3回と重ねるうちに、少しずつホンネが聞こえてくるんですよ。そうなったときに、この子たちが自分の息子や娘だったら、どういうアドバイスをしてあげられるだろうかと考えるわけです。ちょうど同じくらいの年頃の子どもがいるので、ついついそんなふうに考えてしまいますね。