ベクスト株式会社

ビッグデータの活用に注目が集まる昨今、VOC（Voice Of Customer：顧客の声）の分析とともに進化・発展を遂げてきたテキストマイニングの技術にも熱い視線が注がれている。

テキストマイニングとは、自然言語処理をはじめとしたテキスト解析の手法を用いて、膨大な量のテキストデータから埋もれている新たな発見、気づきを導き出す技術のことで、国内では1990年代後半からその活用法に関心が寄せられてきた。

しかしながら、数値を統計的に処理するデータマイニングとは異なり、テキスト特有の複雑な分析手法を必要とするテキストマイニングは20年が経過した今もなお開発の途上で、その技術で「何ができるのか？」や、実業務への適用可能性を正しく理解している人も少ないのが現状だ。

2013年にクオリカ株式会社より分社独立するかたちで設立されたベクスト株式会社は、自社テキストマイニングツール「VextMiner（ベクストマイナー）」の開発を軸に、VOCの分析を通じて業務改善、経営課題の発見を実現するテキストマイニング専業のベンダーだ。

業界に先駆けて開発された「VextMiner」は電通やキヤノン、富士フイルム等の大手企業をはじめとする500社以上の企業に採用されており、他のフリーソフトや類似のソフトウェアとも一線を画した独自の進化・発展を遂げてきた。

1996年の開発当初よりおよそ20年間にわたりパイオニア的な存在としてテキストマイニングの技術を磨き上げてきた同社だが、他との決定的な違いは、単語ではなく“文単位の分析”にアプローチの主眼を置いて開発をしてきた点だ。

現在、20種以上の分析ツールが市場に出回っているが、大量のデータを扱うことができなかったり、単語の出現頻度を分析結果として提示するだけといった有用性に乏しいのが現状だ。一方、同社が手掛ける「VextMiner」の特徴は、数百万件にのぼるテキストデータを十数分で整理・分類するだけでなく、自動要約や予兆監視といった分析を支援する様々な機能も付与され、業務の改善や経営課題の発見に役立てられている。

昨今、音声認識技術と連携したシステムやAIの開発でテキストマイニングの技術が取り入れられていることはエンジニアの間でも知られている先進的な取り組みの一例だが、テキストマイニングそのものが未開拓分野の多い技術のため、その裏側の仕組みを知る人は少ない。

「VextMiner」の開発を軸に多彩なソフトウェアを自社内で開発する同社のエンジニアも、基本となるテキストマイニングツール「VextMiner」を理解、咀嚼するところからスタートしている人がほとんど。これまで、誰もやったことがないことに挑戦してみたいという想いを抱いたメンバーが独自ソリューションを創り上げてきた。

同社のテキストマイニングが取り扱うデータは、開発当初からターゲットにしてきた「書き言葉」はもちろんのこと、SNSの普及にともなうソーシャル・メディアの情報やコールセンターに寄せられる会話情報つまり「話し言葉」も含まれる。いずれも同じテキストだが、主語述語、文法が整っている「書き言葉」と、会話する2者間の関係性、時間軸によっても内容が変わり得る「話し言葉」とでは分析の手法が全く異なるのは感覚的に分かるだろう。またSNS上のデータには不要な情報（ゴミ情報）も膨大にあるため、それを効率的に取り除いた上で必要な情報を漏れなく詳細な分析につなげるためには高度な技術が必要とされる。

それらを可能にしているのが20年間に渡って開発・蓄積してきた分析ノウハウと、分析結果の活用についての幅広い知見であり、こうした知的資産はパートナー企業を含め1000社以上ものデータを分析した経験により裏付けられている。「VextMiner」は独自技術の中にこれらのノウハウを融合させて開発されたものであり、商品名や業界特有の専門用語を含めた様々な文章間の関連性を、自動的に学習する機能を進化させることで、業種・業界に依存しないシステムを開発してきた。

また、同社のテキストマイニング技術の最大の特徴は、VOCの分析者に新たな発見、気づきをもたらすインターフェイスの開発にも重点を置いてきた点で、様々な連想を次々と想起させるようなインターフェイス上の工夫はまだ改善の余地があると考えられている。それは言わば感性の世界とも言うべき人目線の開発で、「分析システムと人とのコラボレーションによる新たな知の発掘」という壮大なテーマのもと、未開拓分野を切り拓く開発が進められている。

前例の無いテキストマイニングの技術を育て上げてきた代表取締役社長の石井 哲氏をはじめ、営業、開発それぞれの視点から未開拓の分野を切り拓いてきたメンバーがこれまで培ってきたノウハウを受け継ぎながら、さらなる機能の向上や新しいシステムの開発に向けて今後も挑戦し続けていく。

2022年4月現在、同社には20名の従業員が在籍しているが、営業、開発それぞれ若手メンバーが多く活躍している点に注目したい。また、エンジニアや営業マンには多様な就業形態を許容するマネジメントがなされており、アウトプットさえ管理できれば在宅によるリモートワークや時短のシフト勤務、勤務時間のスライドといった相談にも柔軟に応じている。

同社の求める人物像は、前例が無いことに対してみずから進んで取り組める人材だ。
昨今ビッグデータの活用に注目が集まり、テキストマイニングの技術が脚光を浴びているが、まだまだ分野としては未開拓だ。誰もやったことがないことに挑戦してみたいという好奇心こそが求められている。

同社が開発、独自に進化・発展させてきたテキストマイニングの技術は、音声認識技術と連携したシステムやAIの開発にも役立つ知識生成ビジネスとして派生する可能性もあり、次世代を担う開発プロジェクトに関われるチャンスもある。このタイミングでぜひ参画してみてはいかがだろうか。