ミュージックセキュリティーズ株式会社

ミュージックセキュリティーズ株式会社は、金融庁に登録する金融機関として、持続可能な社会を実現するための仕組み=「サスティナブルファイナンス」を行う『セキュリテ』の運営を軸に、ファンド組成・販売業務を行う金融ベンチャー企業だ。

音楽アーティストのCD制作資金を募るファンドから始まり、現在も音楽専業の子会社を持っている。
『セキュリテ』では、900本を超える総額約100億円のファンドを取り扱っている。独自の審査基準をクリアしたファンドで、地場産業や貧困・地域・環境関連業など、社会的な課題に対して出資を呼びかける。経済的なリターンだけでなく、社会的な価値も同時に追及する新たな投資の仕組みだ。
今後はスポーツ分野のファンドの組成に加え、地方自治体等との取組みなどを活かし、地方創生・ESG・SDGsをテーマにしたファンドの組成にも取り組んでいくという。

創業者である代表取締役・小松真実（こまつ まさみ）氏は、幼少時から音楽に親しみ、中学から大学まで一貫してバンドのドラムを担当していたという音楽愛好者だ。そのバンド活動の中で、資本がないと音楽活動の継続が難しいという壁にぶつかった。このような自身の経験から、アーティストを支援する「ミュージックファンド」のビジネスアイディアを考えついたのだ。そして、2000年12月にミュージックセキュリティーズ合資会社を設立。2002年に株式会社へと組織変更した。

当社にて約10年間「セキュリテ」の成長に寄与し続けている、セキュリテ事業部の杉山章子氏は、当初のミュージックファンドから現在の事業領域へ広がった経緯を次のように語る。
「ミュージシャンは、金融機関から遠い位置にいる存在です。銀行からの融資を受けづらくても、ファンがいて、こだわりのある質の高い音楽やものづくりをしている人たちにチャンスを届けたいという思いから始まり、事業展開を行ってきました。創業から7年後の2007年、銀行からある紹介を受けました。それは、日本酒の酒造メーカーで、当社のファンドの仕組みを使えないか？というものでした」。（杉山氏）

日本伝統の地場産業である日本酒造り。しかし、日本酒には2～3年という熟成期間を必要とするものがある。しかし、銀行融資の場合には、融資実行後すぐに、酒ができる前から月々の返済が発生してしまう。また、銀行としては、その事業を応援したいという思いはあっても、融資の原資である銀行預金は元本保証をしているため、簡単には融資できないというジレンマがある。そんな中で、同社に紹介があったのだ。
「中小事業でも資金調達を可能にする新市場を作ろうというのが、『セキュリテ』のコンセプトです。短期的・先行予約販売的な意味合いの強いクラウドファンディングとは異なり、投資する個人の方には、金融商品取引法に基いて長期的に小口投資をしていただきリターンを得つつ、さらに社会問題の解決を目指すことができる点が特徴です」。（杉山氏）

同社運営の投資プラットフォーム『セキュリテ』では、ありとあらゆる業界・分野のファンドを取り揃えている。

例えば、コーヒー豆の輸入・販売事業および9店舗のカフェ事業を行う丸山珈琲のファンドでは、エルサルバドルを始めとするトップブランドの農園からコーヒー豆を仕入れる費用を募集している。このファンドによって、スペシャリテコーヒーという高い品質のコーヒー豆を愛好家に紹介することが可能になる。一方で、現地の生産者に直接資金を渡しての仕入れが可能になり、現地農園は新品種への取り組みやさらなる品質向上に努めることができるようになるのだ。一口25,000円から投資が可能で、丸山珈琲の直営店で利用可能な商品券やコーヒー豆等が送られる特典がつく。

このように、事業者と出資者を結びつけるプラットフォームが『セキュリテ』なのである。『セキュリテ』では出資者の嗜好や解決したい社会的課題、地域や特典などを軸に、さまざまなファンドを検索することができる。
「決算書など過去の実績だけではなく、事業計画による未来の数字、さらには共感性や社会性といった当社独自の審査基準をもとにしているので、銀行が融資しているものとは一味違うユニークな事業に出会えます」。（杉山氏）

同社は『セキュリテ』を通して投資経験の楽しさを会員に味わってもらいたいと考えている。そのために、UIやシステムの改良など新たな試みを積極的に取り入れていくという。
「試行錯誤は続いていますが、かなり土台が整ってきました。これから成長スピードを加速していきます。このタイミングで参画していただく方には、豊かな発想力を生かして、新しいチャレンジをどんどんしていただけるでしょう！」（杉山氏）

ガイアの夜明け、カンブリア宮殿、ワールドビジネスサテライト、NHKスペシャルなど、テレビでも紹介され、注目度は高まってきている。

成長著しいフィンテック企業の中で、社会的価値の高い自社サービスに携わりたいと考える者には最適な場だ。

自社サービス『セキュリテ』の運営。創業のきっかけになったミュージックファンド事業。上記について、ここまで詳しく紹介してきた。

ー独自の特徴を持つ同社だが、その社風はどのようなものなのだろうか？

「とてもフラットですし、積極性を評価する風土なので提案がしやすいでしょう。1つの業務に1～2人の責任者と担当者という体制なので、社員一人ひとりが役割と影響力を持っています」。（杉山氏）
オフィスでは、各々が真剣な眼差しで仕事に向かいながらも、誰かの発言でふと笑いが起きたり、冗談を言い合ったりと、メリハリある和やかな雰囲気だ。

「金融商品を扱っているので、厳密なルールを守る必要はありますが、その中で面白いことをやっていきたいと考える柔軟な社員が多いですね」。(杉山氏）
当事者意識を持ち仕事に取り組む主体性を重視する風土といえるだろう。

社内行事や教育体制についても、社員からの発案次第で今後は大きく変化が見込まれる。
「これも発案次第です。過去には九十九里海岸でのバーベキューや三陸での社員研修、箱根合宿などをしたこともあります、イベント好きなムードメーカー的な方も大歓迎ですね(笑)」。（杉山氏）

ーその他、社員目線では
「ファンドを取り扱うにあたって、日本酒の歴史ある酒蔵やワイナリーさんと関わる機会も多いため、お酒が好きなメンバーも多いです。先日は社内でメンバーを募って、日比谷公園で開催されたワインのイベントに行ってきました」（セキュリテ事業部 営業社員）

新たな投資市場のリーディングカンパニーとして、堅調な経営を続けてきた同社。政府が投資の重要性を訴えたり、社会的意義を重視する世の機運が高まったりしていることもあり、同社のサービスはさらに成長が見込まれるフェーズに入った。第二創業期とも言えるタイミングに差しかかっている。
「設立からの期間を経て、土台は固まりました。ベースは出来ているので、これからさらなる躍進を目指します！世の中に必要とされるサービスをぜひ一緒に作りませんか？」（杉山氏）

経営基盤が盤石でありながらも、ベンチャー気質はそのまま。成長が見込める社会的意義の高い自社サービス。新たな金融市場の先駆者。同社は、これら多くの魅力を持っている。