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インタビュー画像代表取締役 入江 恭広氏 1974年生まれ。明治学院大学経済学部を卒業後、紳士服チェーンに入社。販売員として同期内でトップセールスを記録し、店長も経験する。 その後、新たな可能性を求めてITベンチャー企業に転職し、営業職として活躍。 2004年に独立し、株式会社アイエンターを設立。「仕事を楽しむ」ことを第一の事業理念として掲げ、ITによる可能性の追求に挑み続けている。

もともとは紳士服チェーンの店長だったとのこと。どんな経緯でIT業界へ?

紳士服チェーンの店は、本当に忙しかったんです。特に新店がオープンするまでの3ヶ月間はひどかった。朝7時から夜23時まで、毎日働いていました。「こういうことが、この先ずっと続くのか」と考えると、体力的にも精神的にも難しいと思いました。また、業界自体に目を向けると、国民の人口が減っているのに加え、オフィスカジュアルが広がりつつあったため、マーケットとしては縮小傾向にありました。そんななか、競合とパイを取り合う状況だったので、将来性を感じられなくなったんです。その一方で、当時凄まじい勢いで伸びを見せていたのがIT業界でした。そんな成長産業に身を置いて、もっと成長してみたいと思ったのが、転職を決めたきっかけです。 転職活動では、大手IT企業にも足を運びました。ただ、もともとITとは無縁の販売職でしたし、PCスキルもメールにファイルを添付する方法がよくわからないレベル。採用は、なかなか厳しかったですね(苦笑)。それでもIT業界に夢を感じて、諦めませんでした。そして、数人という規模の会社ではありましたが、ITベンチャー企業で営業職として採用され、この業界でのキャリアをスタートさせました。

その後起業されるわけですが、きっかけはなんだったのでしょうか?

採用されたITベンチャー企業は、社内での受託開発も行っていましたが、私が担当したのは、外部の協力会社と連携し、エンジニアを送り出す部隊でした。そこで3年務めるうちに、全社の年間売上21億円のうち、私が7億円売り、私のチームでは10億円売る、というぐらいまで事業を成長させることができました。 私としては、企業にも貢献しているので、経営に関わっていきたかったんです。エンジニアの離職率が高い企業だったので、未経験者を採用して育てる戦略を提案しましたし、自社サービスを開発する重要性も訴えました。でも、提案が通ることは一度もなく、そんな状況に嫌気がさしていたんです。その会社には、同じく紳士服チェーンから転職した同僚がいました。それで相談して、「だったら一緒に会社を起こそう」となりました。26、27歳のときでした。 起業当初は本当にお金がなかったですね。1日1食という日もありました。お金がない、でも、若いから遊びたい。じゃあどうするかとなったとき、倍働いて倍稼ごうと判断しました。それでがむしゃらに突っ走ってきた感じです。 今も、順調だなんて思ってないですよ。だから、常に新しいことに挑戦し、変わり続けなければいけないと思っているんです。

ご自身にとって「仕事」とは、どういうものでしょうか?

経営者にとって、「仕事」は「趣味」では?と思います。経営について、四六時中考えていますから。 たとえば、プライベートでレストランに入ったとしても、店の単価や家賃などが気になってしまうんですよ。「これだけの従業員を抱えていたら、これぐらいの原価がかかるけど大丈夫か?」と要らぬ心配をしてしまうことも。さらには、「もっと効率化するにはどんなシステムがいいか?」「ロボットを導入できないか?」など、ついつい考えてしまいます。 ただ、そういうときにふと浮かんだアイデアが案外ヒントになるんです。だから、よくメモを残しています。本を読んでいるときなども、インスピレーションが浮かんだら、すぐに携帯にメモしていますね。 でも、そのうちにほかのメールの処理なども始めてしまい、片手にずっと本を持ったまま、携帯と向き合っているということもよくあります…(苦笑)

社員にはどのように成長してもらいたいですか?

社員によく言うのは、仕事は人間力を成長させるものだということ。仕事を通じて、いろいろな人と出会うじゃないですか。世代が異なる人、出身地が異なる人、それにともなってそれぞれ違う価値観にも触れます。それは、社会の縮図そのもの。だから、人として磨かれると思うんです。 こういう成長の機会は、学生時代はお金を払って提供されますけど、社会人になったら学びながら、会社からお金も入ってくる。だからこそ、成果が求められるんだと思います。 仕事はツラい瞬間もあります。でも、ラクなことをやっていたって、人は伸びません。ツラければツラいほど、人間力が付いているときなんです。だからツラいときは、むしろ「今、すごく成長しているときだ!」と楽しんでほしいですね。そのほうが、絶対にハッピーだと思います。

最後に、今の状況や将来を悩んでいる求職者にメッセージを。

夢を持てる人は、夢を持ちましょう。夢が見えない人は、目の前のことを一生懸命やることが、夢につながっていくと思います。 そのとき、なんのために頑張るのか、自分で理由を作ることが大切です。「一つ上の役職を目指したい」でもいいし、「上司がどう働けば喜ぶか」でもいい。モチベーションが下がっているというなら、下げないようにすればいい。周囲の状況や他人に、心をコントロールされることがツラいんです。自分の心は、自分のもの。人生を楽しくしたかったら、自分が楽しくなるように変えていきましょう。自分が笑顔なら、周りも笑顔になります。「楽しそうだね」と、人が集まり、よい情報も集まってくるものです。 運がいい人というのは、運がいいことを探しているから、そういう生き方になります。悪いことが起こっても、次に失敗しないための学んだと考えるし、「その分、幸運をためている」と考える。そんな生き方のほうが、幸せだと思います。

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