起業の経緯を教えてください。
父が会社経営をしており、幼い頃から社長としてイキイキ働く父の姿に憧れを抱いていました。その影響があったのでしょう。大学3年の頃には、いずれ起業しようと考えるようになりました。飲食業界に興味を持ち始めたのもこの頃です。衣食住の中でもっとも身近であり、食事やお酒を楽しんだり、家族団らんを通じて周りの人と触れ合えるなど、人が幸せを感じられるものだと思ったからです。 しかし、独立するためにも社会人としての経験を積む必要があると考え、卒業後は不動産ベンチャーに入社。不動産売買と賃貸の営業を経験しました。その後、大学の先輩が起業する際に声をかけてもらい、役員として参画することに。ここで7年ほどフリーマーケット事業やリサイクル事業、EC事業などを手掛けました。売り上げも順調に伸び、会社も成長したことで、そろそろ自分の想いを実現させる頃合いだろうと、2011年、興味のあった飲食業界を舞台にファイブニーズを立ち上げました。
飲食業界は、出店、閉店の動きが激しく、客数も減少傾向にあるなど厳しい状況ですが、なぜあえてそこで勝負しようと思ったのですか?
"食"という人にとってもっとも大切なものに関わる業界なのに、旧態依然とした規制や仕組みに縛られて、消費者や生産者にとって幸せな状況にないことへの疑問と、それを変革したいという強い想いからです。お酒の業界も同様で、卸と酒店と免許制にがっちり守られているため、参入障壁が高く、イノベーションを起こしにくい、“イノベーションのジレンマ”状態にあります。そこに一石を投じたいのです。 確かに飲食業界は2~3年で70%が閉店するといわれていますが、安易な気持ちで開業し、その後も何となく続けているだけのお店は潰れても仕方ないと思います。安かろう悪かろうという店も淘汰されて然るべきでしょう。その一方で、お客様のことを考え、何年も生き残っている飲食店もあります。私たちは、そんな生き残るべきお店をしっかりと支援して行きたいと考えています。
御社の競争優位性は何でしょうか?
私たちは飲食店や個人、コレクターなどのネットワークを活用してお酒を買い取っており、メーカーからは一切仕入れていません。そのため、ネット上で自由に価格を設定して販売できます。それができるのは、私たちしかいません。 ECの市場規模は毎年1兆円ずつ伸びているといわれ、消費者の購買行動も大型テナントからECへとどんどん移行しています。食品・飲料・酒類もEC化率が伸びており、今後、現状の5倍ほどにまで成長するとも。このEC隆盛の中、酒類販売においてインフラとなり得る可能性を当社は秘めています。なぜなら、他よりも低価格で商品を提供できるから。中間マージンがなく、大手ECサイトで販売する際必要となる手数料も、自社ECサイトであればかかりません。さらに、飲食店やコレクターのネットワークを通じて、希少なお酒を入手することも可能です。品揃え、低価格に加え、希少性のある商品ラインナップを持つプレイヤーなど、当社しかないのです。
社員に対する想いや期待することを教えてください。
自己実現を目指して、人生を最高に幸せにしてほしいと思っています。そのためにも、徹底的に考え抜いてほしい。それができるだけの熱量を持っていてほしいですね。稲盛和夫さんが言っている「仕事の結果=考え方×熱意×能力」のうち、私は考え方と熱意はイケていますが、能力は低いと自覚しています。でも、それは能力のある人の3倍働けば追いつけるとも。実際、トコトン考え抜くことで、何年間も経営ができていますから。社員たちは、私よりも頭の良い人が多いのだから、私と同じくらい考えれば、もっとすごいことができるはずです。 また、発言や行動、結果、すべてに責任を持つ意識を徹底してほしいとも思っています。何事も自分事としてとらえ、しっかりと向き合ってもらいたい。失敗やできない理由を他人や会社に求めるような人が会社に一人でもいると、周りに大きな悪影響を及ぼします。そういう人とは一緒に働きたくありません。行動し、成果を上げることで自信と心の余裕を獲得し、さらなる高みに挑戦して自己実現をものにする――この好循環を起こしていける人であってほしいと思います。
最後に、求職者へのメッセージをお願いします。
日本の酒・食業界に変革を起こしたい人に、ぜひ来てほしい。 私は、人生をかけてやっているので、本気で共感してくれる人を求めています。 国内の状況が変われば、今以上に食や酒は多くの人に幸せを届けられるはずです。現在、海外で日本酒が注目されているように、この業界の可能性は海外へも通じています。当社も、香港やタイへ進出できないか可能性を探っているところです。 こういった当社の考え方や方針に魅力を感じ、自己実現したいという欲求の高い人であれば、自分を大きく成長させることのできる会社だと自負しています。興味のある方は、一度話をしましょう。お待ちしています。