起業するまでのキャリアを教えてください。
実家が鍼灸院で家業を継ぐように言われ、大喧嘩の末に鍼灸師の専門学校に進学。医療研究の道に興味がわき、卒業後は大学へ入り医療研究をしていました。しかし、ビジネスをしてみたいという希望をずっと胸に抱いていたこともあって、その後、ビジネスの分野に進路を変更。とはいえ、特に技能があるわけでもなく、まずは営業を身につけようとインターネット広告代理店に就職しました。その会社で営業を学び、SEOなどマーケティングの知識も付けました。 その後、BIツールを開発するソフトウェア会社に転職し、ITの営業を学びました。エンジニアの代わりにプロジェクトマネジメントを担当することもあり、ITについていろいろと知ることができました。さらに、知り合いの紹介で大手出版社に転職。電子書籍のディレクターをしていました。ただ、マンガの業界は既存のルールで固められた世界で、何も変わることがなく、もっと変化のある仕事をしたいと思って、マクロセンドを立ち上げて、ビジネスの世界でデビューしました。
AI開発に強くなった経緯を教えてください。
システム開発会社を立ち上げたものの、最初は在籍するエンジニアも数名しかおらず、他社の営業支援をしていました。そのうち以前働いていたソフトウェア会社が倒産して、そこで働いていたメンバーが数名入社。エンジニアを雇用したことで、SES事業を始めました。受託開発も手掛けるようになり、昔取った杵柄でSEOをしっかりやってWebマーケイングを仕掛けたことで、受託の案件がどんどん増えていって、SESから受託開発メインのシステム開発へと変化していきました。 そして、たまたまPythonの案件を受託したことで、今のマクロセンドに続く道を歩み始めました。データ分析に使われるPythonに会社の未来を託して、すべての案件をPythonにシフト。その結果、AI開発の案件に携わる機会が増えて、いつしかAIに関する知識やノウハウが社内に蓄積し、AI開発を武器とするシステム開発会社、マクロセンドが生まれました。
マクロセンドをどんな会社にしたいですか?
SFを実現するような会社にしたいです! 潰れない程度に、チャレンジする会社にしていきたいです(笑) ブロックチェーンでもなんでも、興味のある技術をどんどん取り入れて、社会課題と技術をマッチングさせていけば、おもしろいことがたくさんできると思っています。子どものころからハイテクが好きで、エンジニアではないですがテクノロジーの話にはワクワクします。加えて、Webマーケティングの知識を持っているので、世の中が必要としている物事をキャッチして、それを解決するためのソリューションを作って広めるのも得意です。 営業の方法もどんどん変わっています。アウトバウンドの営業は少なくなって、Webマーケティングを活用したインバウンド型の営業が増えています。今後、会社が自社サービスを作ったときなど、私のWebマーケティングの知見をもっと会社の役に立てられると考えています。
自社のメンバーに求めることは?
楽しんで働いてほしいです。最近、楽しいと言ってくれるエンジニアが増えてうれしいんですよね。自分がエンジニアでないため不安に感じる部分があります。エンジニアとは楽しさが少し違うと思っているんです。だから、エンジニア何を楽しいと感じるのか、つぶさに見ています。キャリアパスにも関係することですが、エンジニアが案件を選択できる状況を作ることが、エンジニアに楽しく働いてもらうには重要なのかなと感じています。だから、営業には気を配っています。 営業を増やしたいと考えているのですが、エンジニアのことを考えて案件を取ってくる難しさを知っているだけに、自分以外の人間に営業を任せられるか心配で……。私は経営者だから、損をして得を取るような案件でも即断できますが、IT業界の営業を経験した人には難しいのかなと思っています。だから、業界経験者を採用せず、ホスピタリティがある未経験の人材を雇用して、営業に育てようと思っています。
趣味は何ですか?
「アクアリウム」と「ビリヤード」ですかね。どちらも自分が想像したものをカタチにする遊びなんですよね。アクアリウムは、わかりやすいと思います。水槽の中に自分が考え出した世界を作り上げていく楽しみがあります。仕事が忙しくて、最近はアクアリウムを作る時間が取れないですが、仕事が落ち着いたらまた新しいアクアリウムを作ってみたいですね。ビリヤードは戦略的なゲームで、次の展開を考えてボールを打つ強さを調節して、自分が描いたゲームプランを現実のものにしていく楽しさがあります。 仕事が趣味みたいな生活を送っているため、休みの日も仕事をしていることが多いですが、インターネットで調べものをするのも好きです。仕事と趣味を兼ねているかもしれませんが、世の中の流れやIT業界のトレンドは常に情報をキャッチしています。