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インタビュー画像長濱 光(共同創業者 最高経営責任者(CEO)) IE Business SchoolにてExecutive MBAを取得。 タイ国大手法律事務所の創業者らとFASを共同創業し、東南アジアでM&A業務を6年間経験、大学院へ留学。不動産系の東証一部上場企業に勤務し、建設会社のM&A・PMIをリード。 2019年5月に株式会社アルダグラムを創業。

令和発 スタートアップのアルダグラム代表長濱が目指したい組織とは

「Unlock Your Value.」というミッションのもと、「Customer Success」「Be Oneteam」「Extreme Ownership」の3つのバリューを掲げているアルダグラム。 日本国内にとどまらず、世界中の現場の生産性をUnlockすることを目指し、この1年で社員数は約2.8倍に拡大。様々なバックグランドを持つ人材が、国内外から参画している。 そんなアルダグラムが大事にしている価値観/つくりたい組織とは。共同創業者兼CEOの長濱光に語ってもらいました。

苦悩の多い幼少期。ある人との出会いから人生が一変。

本題に行く前に、まずは私の半生をお伝えさせてください。 これはカジュアル面談や面接でお会いする方にもそうしているのですが、会社の代表である前に、ビジネスマンである前に、一人の人間だからです。 どのような人生を過ごしてきた人間がアルダグラムの代表なのかを知っていただいた方がどんな企業か判断しやすくなるのではないかと思っています。 僕にはアルダグラムという会社としてのミッションと同様に、個人のミッションがあります。それは、自分の働きによって「家族」という単位を幸せにすること。 家族とは、自分が最も身近に接する愛すべき人のことではないでしょうか?「家族」の幸せは社会の幸せに直結すると考えているので幸せな家族が増えれば増えるほど、その分社会が幸せになると思っています。 社会の最小の単位である「家族」を幸せにすればするほど、笑顔に満ち溢れた世の中になると考えています。 そんな私ですが、幼少期はまさか自分が起業するとは一ミリも思っていませんでした。 1987年に大阪の片田舎に生まれたのですが、割と苦労した方で。 これまで交通事故は6回、骨折は14箇所、10歳には自律神経失調症で不登校になり、掛け算ができるようになったのは小学5年生の頃でした。お世辞でも出来のいい子どもとは言えず、親には本当に色々なことで心配させてしまいました。 ・・・しかし、人生は面白いもので、小学5年生の頃、尊敬する担任の先生との出会いで全てが変わりました。何をやっても励まして褒めてくれる先生により、全く勉強をしてこなかった僕が勉強をすることを楽しいと感じるようになりました。小学5年生で掛け算ができなかったのに6年生の卒業する頃には学級員に選ばれ、クラスでも上位にまで学力が上昇し、ミニバスケットボールのクラブでもキャプテンになりました。そして、自分が中学校では生徒会長に当選、高校進学、スペインの大学院へ行くなんて想像もしていませんでした。 ビジネスの世界を知ったのは大学時代。 カナダの大学に通いながらもタイの法律事務所でインターンをしたことがきっかけでした。その後、タイやミャンマーなどの企業を対象としたM&Aで日系大手製薬・運送・石油会社が現地の会社を買収するために必要なファイナンシャルアドバイザーという仕事に就きました。

強烈に感じた業界の負から感じた建設業界に潜む「負」

アルダグラムを設立するキッカケとなったのは、日本のある上場企業が都内のリフォーム会社を買収するプロジェクトを手掛けた時のことです。 その会社は利益率が低く、デューデリジェンスを進める中で利益率の低さは業界構造が大きな要因となっていることが分かりました。当時の私にとっては衝撃でした。他の建設会社を調べてみると同じように利益率が非常に低く、これでは建設業界で働く方々の給与は低水準のまま。 建設業界は日本の市場でも2番目に大きなマーケットであり、この業界で働く500万人の方々が幸せになれない、つまりその「家族」も自由な生活をすることが困難なのかもしれないかと、業界の根深い課題だと感じていました。 なぜこれほどまで利益額が低いのか。 その後数十社の会社にヒアリング・調査をする中で、利益率を押し下げている大きな要因は「移動・事務作業時間」であると気付きました。 例えば、マンションなどのエアコン工事や電気工事に皆さん一度は立ち合われたことがあるのではないでしょうか?その際に「直近だと予約は取れないので1ヶ月後です」と言われることもあるでしょう。予約する側は明日にでも工事して欲しい、そう思っていても業者側の予約の兼ね合いで工事が想定より先の時期になってしまう。 この問題は予約する側もストレスを感じるのはもちろんですが、そのような専門会社も大きなストレスを感じている且つ事業運営において死活問題になるケースが多く見てきました。 事実として、専門会社の「作業(工事)時間」は全業務時間の35%のみ。つまりお金を生み出す時間が35%のみなのです。それ以外の時間を調査すると移動時間と事務作業が半数以上を占めます。これが、建設業界の利益額が低い且つ社員の給与を上げることができない理由でした。 つまり、本当に解決しなければならないのは「業務管理」ではなく「移動/事務作業時間」だと。 そんな業界の負を解決すべく、共同創業者の渥美・Ivanとアルダグラムを設立しました。 【補足】 創業当時は建設業界の特化していたものの、その後不動産業、製造業など世界中のノンデスクワーク業界における現場の生産性アップを実現する事業へと進化を遂げております。

長濱さんのつくりたい組織についてお聞かせください。

 アルダグラムは「Unlock Your Value.の組織」をつくっていきたいと考えています。 あくまで「Customer Success」をベースとした圧倒的な事業成長が最も重要なことではありますが、その事業成長を牽引するのは人ですので、各個人の能力が最大限に発揮される必要があると思っています。 そのため、組織開発においては「Unlock Your Value.」の“Your”をメンバー1人ひとりと捉え、“Your”=メンバーのValue(価値・能力)がUnlock(開花・解き放つ)する組織をつくっていきたいと考えています。 では、「Unlock Your Value.の組織」をつくるためには何が必要なのか。 私は2つあると思っています。  1つ目は、個の成長意欲/達成意欲です。 アルダグラムにいくら圧倒的な成長機会があったとしても、大前提としてその機会を使って自身を成長させようという個人のマインドと努力がなければ、何も始まりません。 経験やスキルの「現状維持」は「退化」です。なぜなら、同じ経験値・スキルの状態で年齢を重ねれば、周りの努力し続けるプロフェッショナルは新たな経験を積み、スキルが向上するため、相対的に現状維持は自身の価値が押し下がることになります。 常に次のステージに自らをプッシュしていけるような自己成長/自己研磨をし続けた先にしか、組織成長・事業成長はないと思っています。 ただ、個人の成長の意思と会社の成長の意思という2つの未来がしっかりと、どこかで交差していることが重要です。 例えば、アルダグラムがある学校のバスケットボール部で全国大会を目指していたとして、バスケ部員のAさんは手先が器用だったため、自分自身の成長のために手品の習得に努力を続けた場合、これはバスケ部にはあまり活かすことができないスキルになってしまいます。 つまり、ここでお伝えしている「個の成長意欲/達成意欲」には、会社の事業成長で担う役割や責任をまっとうし、自身の目標を達成することも含まれています。 任された責任を果たすことや目標へのコミットは、いわば会社とした「約束」なので、その約束を何が何でも守りぬく意識を持ち合わせて欲しいです。仮に目標がビハインドしているなら、どのようにすれば達成できるかを考え、必要な助けは積極的に仲間に求め、成果にコミットすることを大事にしてほしいなと思っています。 また、アルダグラムは、そういった「個の成長意欲/達成意欲」をただ見守るのではなく、自主性が発揮されやすいように未来のワクワクする世界(MissionやVision)を示しづつけたり、目的・目標・適切な権限を移譲したり、自己研磨できる環境を提供し続けることが大事だと考えています。  2つ目は、相互理解・相互信頼です。 各個人の能力が最大限に発揮されたとしても、個の力だけではどうしても限界があります。より大きな目標を達成していくためには、「Be Oneteam」になることが重要です。  私は、そのようなチームになるために必要なのが、相互理解・相互信頼だと思っています。アルダグラムでは、まずは相互理解が深まるように、ものごとの背景や意図、そして目的をまず明確にチームに共有する/聞き手もそれを知ろうとするカルチャーがあります。各チーム・各個人がどのような目的と役割をになっているのか、どんな日々の取り組みをしているのか、お互いに理解したうえで仕事を進める必要があると思っています。このような考えからアルダグラムでは、各個人のOKRの全社公開やWin Session、シャッフルランチ、部活動制度など様々な取り組みを行っています。

もう少しパーソナリティに踏み込んでお聞きします。長濱さんはどんな人と一緒に働きたいですか?

メンバーには、「人生を豊かにして欲しい」と思っています。そのため、最終面接では候補者様が「どんな人生を過ごしたいか」「どんな人で在りたいか」といった質問をし、その方がどんな考えを持っているか傾聴しています。 例えば、アルダグラムの人事メンバーは「生きている時間の中で、1秒でも多く笑っていたい」というポリシーがあるとよく言っていますが、それもすごく素敵なことだと思います。 人生の豊かさの定義は100人いたら100通りあって良いと思います。 しかし、先ほどお伝えした個の成長意欲/達成意欲は持っていて欲しい。「仕事はそこそこに、プライベートが充実していれば良い」という方は、恐らくアルダグラムにはフィットしないと思います。 一方で、「仕事だけしていたい」という人が多いかというとそうでもなく、アルダグラムには「仕事もプライベートも全力で、どちらも諦めることなく圧倒的な幸せを得る」というマインドのメンバーが多いです。 仕事は、生きている時間の50〜60%ぐらいを占めるので、その時間をできる限り有意義なものにしてほしいなと思っています。この有意義の定義は、先ほどお伝えした成長意欲/達成意欲を通して「圧倒的な幸せを得る」ですね。 ただ、メンバーの人生が豊かになるためには、仕事からのみ得られる達成感だけでなく、プライベートも大事にしてほしい。プライベートと一言でいっても、その中身はさまざまです。家族を連想する人もいれば、パートナーや大切な人と過ごす時間や趣味・勉強に費やす時間、ペットとの時間を連想する人もいると思います。つまりその定義はメンバー1人ひとり違って当たり前です。  ちなみに、私の場合「家族の幸せ」がとても大事です。「家族」を幸せにするということは、責任を持って幸せにすると決めた最も身近にいる人の人生をより豊かにすることだと思います。幸せな家族が増えれば増えるほど世の中が幸せになる、家族は社会の最小単位なので、家族という単位が幸せにならなければ幸せな社会はないと、本気で思っています。 アルダグラムには、私以外にも子育て中のメンバーが多く在籍しており、アルダグラムの一員である前に、家族を幸せにすることに共感しているメンバーが多く在籍しています。毎日子どもを保育園に送ってから出社しているメンバーも多いですし、子どもの急な発熱があって仕事を抜けなければならなくなった際も、運動会や参観日への出席もメンバー同士が理解のうえでサポートし合っています。  ただ、これは決して「家族や自分の時間を優先して、そちらに時間を使う分、仕事の成果は多少減っても仕方ない」という意味ではありません。  家族に限らず、プライベートの予定やライフイベントは年齢を重ねれば重ねるほど、取り組まなきゃいけない/解決しなきゃいけないことも増えていきます。子どもの送り迎えや家族の介護などのプライベートな事情で仕事を一旦抜けなければいけなくなると、どうしても仕事に使える時間が限られてしまいます。 一方で、自身が成長すればするほど、仕事においての責任や求められる成果はどんどん増えていきます。そのような状況の中でも、人生を豊かにするために仕事とプライベートのどちらも圧倒的な幸せを求めて欲しいと思っています。一つのことに割り当てられる時間が限られているなら、今まで以上に高い意志と生産性の高い活動をする。自分自身をコントロールして、より濃度の高い時間と活動を過ごすことで、仕事とプライベートから圧倒的な幸せを得て欲しいです。アルダグラムのメンバーも、仕事とプライベートどちらも「そこそこに過ごす」ことなく、どちらも100%以上に/全力で向き合おうという気持ちを持っています。  この両輪を回しながら圧倒的な幸せを得ることは決して簡単なことではないですが、フレックスタイム制やハイブリットワークを上手く活用して、各自で活動をコントロールしながら最大限の事業上におけるパフォーマンスと成果を発揮し、自己成長や目標達成ができるように働いています。会社としても、メンバー一人ひとりが自己の裁量と責任で生産性を向上させ、家族100%以上/仕事100%以上で取り組めるような環境づくりをしていけたらと思っています。

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目指すは「産業革命を起こすマストハブカンパニー」。テクノロジーの力で小売市場を新たな産業に。
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橋村祐太
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