株式会社アルティーリ

千葉県千葉市をホームタウンとするプロバスケットボールクラブ「アルティーリ千葉」を運営する会社、株式会社アルティーリ。2020年7月に設立されたばかりの新生クラブの運営に、日々関係者全員で取り組んでいる。

株式会社アルティーリの事業内容はプロバスケットボールクラブの運営である。その内容は、試合興行から集客、スポンサー営業、グッズ販売など多岐にわたる。

そんな同社が掲げるビジョンは「世界中を魅了するクラブを創る」だ。「世界中」を「魅了するクラブ」とはどういうことなのか、その中身について代表取締役CEOの新居佳英氏に聞いた。

「大前提、私たちは、スポーツには多くの人を熱狂させ、やりがいや生きがいを提供できる人類において必要不可欠の価値があると信じています。それは、クラブに関わるスタッフや選手にとどまらず、ファンの方々や当該地域で活動する方々、またユースやスクールなどを通して関わる青少年やその保護者の皆様など、多くの人たちにスポーツとして、エンターテイメントとして、また青少年育成や経済の活性化を促すコンテンツとして与える影響は、計り知れないものだと考えています。そのためにも、私たちクラブ運営者が大切にすべきことは、『常に魅力的なクラブであること』だと思っています。魅力的であるためには、プロスポーツチームとしてのレベルの高さや強さだけではなく、クラブそのもののカルチャーや活動自体が格好良く紳士的でなければいけないと思っています。それを端的に表したのが『世界中を魅了するクラブを創る』という私たちのビジョンです。」（代表取締役CEO 新居 佳英氏）

同社では、プロスポーツクラブにありがちな、勝利を目指すがゆえに、経験や能力のみを判断基準とした選手獲得は行っていない。圧倒的な強さを目指すクラブとして一見矛盾するように見えるこの行為も、大切なこだわりの１つだと話す。

「私たちは、能力が高ければそれだけで良いとは思っていません。チームとして戦う以上、そのチームに対する当事者意識や貢献意識、また仲間と信頼関係を築ける誠実で謙虚な人間性は極めて重要です。その点を踏まえた上で、選手やスタッフとの契約を行なっています。

私たちは、『世界中を魅了するクラブを創る』というビジョンを本気で目指している以上、ただ強いチームであればいいとは思っていません。強さももちろん大切ですが、それ以外にも、地元千葉県千葉市の方々が心底応援したくなる、誇らしいチームでなければなりません。そのためにも、ファンの方々への対応、ホテルや飲食店での振る舞い、仲間と醸し出す雰囲気など、そういったあらゆる点において誇りある言動を重んじられる、そんなメンバーにのみ声をかけ、参画してもらっています。」（新居氏）

同社の親会社である、株式会社アトラエでも「世界中の人々を魅了する会社を創る」というビジョンを掲げ、徹底して組織を大切にした企業運営を行っている。そのマインドを保持したメンバーを筆頭に、勝利はもちろんその先のビジョン達成に向け全員でクラブ運営を行う。そのこだわりの１つが「誇れるかどうか」を基準にした行動にあるそうだ。

「私自身、今シーズン全試合を観戦していますが、いずれの試合でもアルティーリ千葉の選手およびスタッフは誇りある言動を徹底してくれています。手前味噌ではありますが、試合時の相手チームへ対する態度はどれも紳士的で誠実で、非常に気持ちの良い対応ばかりです。全員がアルティーリ千葉というクラブへのロイヤリティを持ち、エンゲージメント高く活動してくれていると感じています。」（新居氏）

同社では、徹底した組織へのこだわりがある。例えば、前出の新居代表の発言にあるように、オーナー自らがクラブ関係者とのコミュニケーションを欠かさないこと。試合の勝敗に関わらず試合前後には選手へ個別でメッセージを送ることもあるそうだ。またコーチやトレーナー陣、スタッフに対してもそれは変わらない。選手はもちろんコーチやトレーナー陣・スタッフそれぞれのライフステージや特性に合わせ、柔軟にかつきめ細やかなコミュニケーションを徹底しており、これはスポーツクラブのオーナーとしては非常に珍しい。この組織に属する全員を魅了する、そんな新居代表の本気の姿勢が表れている。

そんな新居代表が率いるアルティーリ千葉では、選手やスタッフに対しても長期的に活き活きと活躍できるよう組織の中で働く仲間にとっても魅力的な環境整備を続けていると言う。

「スポーツの世界では、成績ありきで単年契約の選手も多く、その上賃金も決して高水準ではありません。もちろん野球やサッカーなど主要スポーツの注目選手であれば話は別でしょう。私たちはそういった選手の抱える不安や悩みにも徹底して寄り添い、試合での活躍やチームの勝利だけではなく、選手個人の未来（キャリア）まで考えた上でコミュニケーションを重ねています。これは、選手だけでなく時に裏方に回ってくれるチームスタッフにおいてももちろん同様です。」（新居氏）

「世界中を魅了するクラブを創る」というビジョンに本気で取り組むのは新居代表だけではない。日々勝利にむけ全力で走り続ける選手の行動にもその一端が垣間見える。B3リーグに参戦し、2021-2022年アルティーリ千葉にとって初めてのシーズンが開幕した10月。今シーズンを全勝し最短でB2昇格を目指そうと全員で切磋琢磨していた開幕すぐのこと、主要選手が怪我でチームの前線から離脱した。

そんな選手について、チームメンバーは今でも毎試合必ず当該選手のユニフォームを掲げ「彼も含めてアルティーリ千葉だ」とメッセージを贈り続ける。また、とあるインタビューでも「もう一度彼とプレーしたい。」と胸を張って答えるほど仲間思いなメンバーが揃う。

そんな選手たちについて新居代表はこう語る。
「勝つためだけでなく、彼らの今後のキャリアとしても実りある1年にして欲しいと常に思っています。バスケットボールが好きで本気で取り組む彼らと、それを応援したいと思うスタッフたちが、何の不安もストレスもなく熱中できる環境をつくること、それが私たちに求められる役割のはず。これからもバスケットボールというスポーツがビジネスとしても成立するように知恵を絞り、全員で一致団結していきたいと考えています。」（新居氏）

アルティーリ千葉の初めてのシーズンとなった2021-2022年、世の中は世界的な感染症の影響を強く受けていた。感染拡大防止を理由に中止となってしまった試合も多いが、アルティーリ千葉ではファンに向けてこんな取り組みを実施した。

「私たちは、ユニフォームやパンフレットをはじめとしたクラブ関連のグッズデザインやファンの皆様の体験にも徹底してこだわっています。そのため中止となってしまった試合を観戦予定だったファンの皆様へも、毎試合必ずパンフレットをお送りし、少しでも良い体験にできるよう全員で知恵を絞っています。多方面で制約の多い時期ではありますが、自分たちのできる範囲で格好いいと思えること、誇りある行動を続けてくれています。」（新居氏）

他社（他クラブ）との違いを新居氏に尋ねると、「もし他クラブと多少なり違うところがあるとすれば、全社員が当事者として本気でアルティーリ千葉を世界中を魅了するクラブにしたい、日本バスケットボール界に偉大な歴史を創り上げたい、そう思って日夜挑戦していることではないでしょうか。そしてそれは、ビジネスサイドのスタッフのみならず、チームスタッフやコーチ陣、さらには選手にまで浸透し、全員がワンチームとなって協力しチームつくりをしている姿に表れています。」（新居氏）

アルティーリ千葉は、完全にゼロからのスタートだからこそ、これまでのスポーツ業界の常識や慣習にとらわれず、原理原則・物事の本質を徹底的に議論し、正しく真に価値があると信じられることに向き合っていく、そんな覚悟を持った組織である。

「全ての常識や慣習を疑い、一つ一つ丁寧に議論する分、非常に時間もかかりますし、クラブで働く側としては大変なことも多いかも知れません。しかし、本当にファンの皆さまが求めていることをやり抜くことやクラブとしてどうあるべきかなど正しい姿や最大限の貢献を追求し、全員で理想の組織を創り上げていける、そんな面白さが今のアルティーリ千葉の魅力の１つだと考えています。」（新居氏）

これからも目が離せない、アルティーリ千葉のライジングストーリー。今まさに創り始めたばかりのフェーズだからこそ、多忙で困難も多い。だがしかし、創っていく段階は「今」しかなく、信頼できる仲間と共に圧倒的なやりがいを感じられる貴重なタイミングでもある。自身の信じる価値を追求したい人にはとっておきのチームかも知れない。

これから更にスピードを上げ全員で駆け抜けていく、そんな覚悟を感じるアルティーリ千葉。離職率の高いスポーツ業界では珍しく、離職ゼロを誇る同社で「世界中を魅了するクラブを創る」というビジョンを追いかけたい仲間、まさにあなたの力を必要としている。