LBV株式会社

東京・恵比寿西にあるLBV株式会社は、企業が導入しているSaaSを一元管理できるクラウドサービス『NiceCloud』の開発・運営を行っている会社だ。2021年4月にクローズドα版をリリースし、機能強化した上で2021年夏にβ版のリリースを予定。β版リリースに先駆け、上場企業やスタートアップを含む数十社が事前登録を済ませている。

近年、企業向けの便利なSaaSサービスを導入する会社が増えている。SaaSの市場規模は2024年に約1兆1,200億円まで増加すると予測され（※）、感染症拡大等による働き方の変化を受けDX化はますます進み、企業が使うSaaSの数も爆発的に増加していくことが見込まれる。
※株式会社富士キメラ総研「ソフトウェア新市場2020年版」

しかし、各企業が導入しているSaaSの管理手法は、表計算ソフト等でアナログ的に行われているのが現状だ。導入するSaaSの数の増加傾向に伴い、SaaSアカウント管理ツールのニーズは増えていくものと考えられる。

LBVは「SaaSアカウント管理プラットフォーム」という、まだ新しい市場にチャレンジしようとしている。『NiceCloud』の特徴を列挙すると、SaaSのアカウント発行・削除の自動化と、アカウント管理と料金の可視化である。業界はIT業界に限らず、SaaSを利用している企業全般が取引先となる。『NiceCloud』は単なるアカウント管理ツールではなく、今後増加するB向けSaaSの管理プラットフォームを目指す。

代表を務める伊藤翼氏は、大学を中退した後、様々なスタートアップ企業で、エンジニアとしてプロダクト開発に携わってきた。2016年にはSaaS事業を手掛ける会社を創業。2018年、同社を上場企業に売却し、その後は上場企業の執行役員を経て、2020年12月にLBVを創業した。伊藤氏にとってLBVは2度目の起業ということもあり、優れたスピード感と戦略性で開発を進められることが強みだ。

伊藤氏は3年後のスタンダードとなれるサービスを目指し、人々から感謝をされるようなサービスを、テクノロジーの力で生み出していく。

SaaSが普及し続ける中で、サブスクリプションやセキュリティの管理、組織全体でどの製品が実際に使われているか等のモニタリングは、ますます複雑化し、業務の負荷となっている。『NiceCloud』が開発される背景には、企業がSaaSアカウント管理で抱える課題を解決する、という明確なニーズがある。

SaaSの利用数が5～10を超える会社では、「どの従業員がどのSaaSを利用しているか分からない」「アカウントの発行や削除が面倒」といった課題が発生している。『NiceCloud』は企業が導入する各SaaSアカウントを一元管理し、どの従業員がどのSaaSを利用しているか、どれくらいの料金を支払っているかをダッシュボード上で一元管理。アカウントの発行や削除等の面倒な業務も自動化する。

『NiceCloud』が提供する主なソリューションは以下の通り。統一されたダッシュボード上では各社員が使うサービスをひと目で把握でき、入退社のアカウント管理も自動化される。そのためSaaS管理のオペレーションミスは低減する。また、今後は解約し忘れを防ぐアラートや、アカウントのアクティブ情報を取得する機能を開発予定で、利用料の最適化にも貢献する。

企業のSaaS利用が増える中で、ID管理、セキュリティ、発行・削除業務等、課題感はより増していき、『NiceCloud』の価値も高まっていくと見込まれる。代表・伊藤氏のプロダクト開発力、そして前回のSaaS事業で得られたノウハウ、知見を活かし、SaaS管理プラットフォームとして必須のソリューションとなることが期待される。

2021年2月、LBVはサービスリリース前のスタートアップにも関わらず、Coral Capital、ANOBAKA、個人投資家および金融機関から総額約1億円の資金調達を行った。この資金調達により開発体制を強化すると同時に、SaaS提供事業者との提携を進めていく方針だ。

今後のLBVは、まずはSaaS一元管理プラットフォームとして足場を固め、将来的には日本一SaaSに詳しい企業として、素晴らしいSaaSを生み出す企業を応援するプラットフォームへと変化していくことを目指す。

2021年4月時点の従業員数は、代表取締役、取締役を含めた5名以下。まだ立ち上げ期のため体制や階層はない。オフィスは恵比寿・代官山エリアのコワーキングスペース内にあり、オフィスで集中して働くことも、カフェのようなコワーキングスペースで気分転換しながら働くこともできる。

立ち上げ期のスタートアップにとって、チームワークと熱量は最大の原動力だ。チーム立ち上げのカギとなる熱量を維持しつつ、感染症リスクの少ない働き方を組み合わせ、リモートワークと出社のハイブリッドな働き方を目指している。

現在は立ち上げ期なので、フルタイムでオフィス出社をして熱量や価値観の共有を行っている。いずれ組織が拡大してくれば、働き方は、エンジニアは裁量労働時間制、それ以外はフレックスタイム（コアタイム11時～15時）を検討する予定だ。出社も週3日以上で、それ以外はリモートワークもOKにすることを考えている。月平均の残業時間は20時間未満で、ミーティングは週時での振り返りと、開発メンバーによるプロダクトミーティングが随時行われる。

今回の採用では、SaaS管理プラットフォーム『NiceCloud』の開発メンバーを想定している。仕事の内容は、『NiceCloud』の開発・運用・保守を中心に、顧客からのフィードバックをもとにした機能設計・実装、および業務の効率化や自動化等を担当する。

応募にあたり性別や資格は不問で、職務経験にもよるがエンジニアの場合は高専卒以上の学歴が推奨される（それ以外は大学卒以上を推奨）。求める人物像は、チームでコミュニケーションを取りながら製品開発でき、プロダクトを通じて顧客に価値を届けることに喜びを感じる人だ。またLBVでは健康を第一に考え、社員に禁煙を求めている。

LBVでは、開発と営業、それぞれ経験豊富なプロフェッショナルと一緒に仕事をすることができる。環境の整っていないスタートアップで初期メンバーとして大きな役割を担い、会社をつくり上げていく経験もできるだろう。

挑戦志向・チーム志向・健康志向の三つの志向性を兼ね備え、あくまで誠実に、真摯に仕事に打ち込み、積極的にチャレンジすることで成功を掴み取る、LBVはそんな会社だ。