ご略歴をお教えください。
学校を卒業後、トランジスタ加工メーカーに入社し、エンジニアとして5年ほど働きました。その後半は加工装置のメンテナンスに携わったのですが、そこで機械に興味を持ち、24歳の時に半導体メーカーに転職して3年ほどウエハー製造装置の生産工程に従事しました。その仕事で制御ソフトを開発する必要性が生じ、プログラミングもするようになってソフトウェアに関心を持ったのです。そして、26歳の時に株式会社エス・イー・プロジェクトに入社し、10年ほどエンジニアとして経験を積みました。 2010年7月に、父親が経営する株式会社haru-Houseという建設・リフォーム会社に後継含みで転じました。同社ではシステム開発事業も手掛けており、株式会社エス・イー・プロジェクトとは深い関係を保っていたところ、2020年末に株式会社エス・イー・プロジェクトが株式会社haru-Houseグループ入りをすることになったのです。そこで株式会社haru-Houseの代表取締役が株式会社エス・イー・プロジェクトの代表取締役を兼務することになり、私が当社の取締役社長に就任したという次第です。 エス・イー・プロジェクトとしては、グループとしての営業機会が広がり、経営の安定度が増すメリットが生まれたと考えています。
どういった会社にしていきたいと考えていますか?
現在はSESが主体で、IT業界にあっても派遣会社に近い業態にあります。これを、自社開発プロダクトが主体の会社にしていきたいと考えています。私も以前、ハードウェアやソフトウェアのエンジニアとして自社プロダクト開発に従事しましたが、自社プロダクトを手掛けることで自社に対するプライドも深まると思っています。 そこで、まずはこの秋からARを用いた装置を開発するプロジェクトをスタートさせます。また、指紋認証や静脈認証といった次世代型のセキュリティー製品は、ハードやソフト、ネットワーク等の総合力が必要です。従来、自社に足りない部分は外部に依頼する形で製品化してきましたが、今後は全てを社内で賄えるように体制を拡充させていきたいですね。 また、今後のビジョンとしては、中小規模の建設業等のIT化が進んでいないところに導入されやすいプロダクトを開発し、遅れを取り戻すことに貢献できるような存在を目指したいと思っています。
鈴木さんの仕事観をお聞かせください。
世の中にはお金のためだけに仕事をするという人がいると思いますが、私は楽しむために仕事をしたいと思っています。そのためにも、自分が興味関心のあることに取り組み、結果を出すことが大事だと考えます。ですから、そんな環境を社員にも提供したいですね。その一例が、社員発案のARプロジェクトです。社員がやりたいことはやれる組織風土をつくっていきたいと思っています。
社員に対して、どういった存在になってほしいかの思いをお聞かせください。
繰り返しになりますが、社員には進みたい方向に進み、やりたいことをやってほしいと思いますし、そこで結果を出したことの感動や喜びを味わってほしいと思います。やらされ感で仕事をすることだけはしてほしくありません。会社としては、最大限それを実現できる環境をつくることが問われていると認識しています。 したがって、社員の提言を即否定するといったことだけは絶対にしません。会社としてやる意味がないと思われることは、そうきちんと説明して納得してもらいますし、やる意味があると思われても現実的に無理な提言については、代替案を出し合って歩み寄り、お互いに納得できる形に持っていきます。ですから、積極的にやりたいことを言ってほしいと思います。 また、日常の仕事においては、言われたことだけをやるのではなく、どうすればもっと質や生産性が上がるかを自分の頭で考えながら取り組んでほしいと思います。同じことをするのでも、全く結果は変わると思うからです。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
休日はもっぱら5歳になる娘と遊んでいます。ドライブが好きなので連れて行ったり、テレビゲームをしたり、おもちゃで遊んだり。そんな時間は、仕事のこともすっかり忘れて頭がカラッポになります。非常に有意義な時間となっていますね。