株式会社エークラウド

株式会社エークラウドは、東京本社の他、福岡支社、大阪支社、宇都宮支社の3拠点を構える広告代理店である。アライアンスを組む営業会社からの業務委託を中心に全国の案件に対応。2012年の設立以来、潤沢な案件を抱え、安定した経営基盤を築いている。

同社のビジネスモデルは、マス広告を中心とした広告枠の営業を中心とする一般的な広告代理店とは異なる。広告主が抱える課題を共に解決していくパートナーとして、最適な施策を提案し実行していくスタイルが特徴だ。

同社が最も得意とするのがデザイン制作の領域だ。プリントメディアや看板、WEBのバナー広告等のグラフィックデザインから、ホームページやランディングページ等のWEBデザインまで、高度なデザインスキルを武器に幅広く請け負う。また、広告主との接点を全て営業（社内の営業部、社外の営業会社）に任せ、社内のクリエーターはクリエイティブに集中することで、自社の強みをより強固なものにしているのである。

制作部 ホームページ課 次長・野坂悠貴氏が語る。
「顧客と制作の間に営業が入って全て調整してくれるため、社内外の営業部隊との役割分担が明確になっていて、社内のクリエーターが制作以外のことで悩まされることはありません。また受注から提案、制作、納品までの流れが一貫して仕組み化されているため、制作部は制作に集中できますし、レスポンスの早さにも繋がっています」（野坂氏）。

このような強みのもと、着実に事業を成長させてきた同社は、2020年春先から続くコロナ禍の影響もほとんど受けていない。2021年10月の緊急事態宣言解除後は、以前にも増して多忙を極めている状況である。

特に制作リソースが追い付かないぐらいに受注案件を伸ばしているのがホームページ事業だ。同社のホームページ事業は、業種業態にこだわらず、大企業のコーポレートサイトから個人事業によるローカルビジネスの集客用サイト、ランディングページやバナーまで、幅広い制作案件を手掛ける一方で、構築したホームページに関しては運用まで請け負うことで安定した収益を確保。WordPressや独自開発によるCMSの活用、デザインテンプレートの販売等によって、製作工程の効率化や低コスト化も進めながら地道に成長を遂げてきた。コロナ禍に入り最初の緊急事態宣言が発令された際は案件が減った時期もあったが、飲食店におけるデリバリーをはじめ、オンライン化や非接触化のニーズに対応した新しいサービスを立ち上げる事業者からのオーダーが増え、売上も維持した。そして2021年10月の緊急事態宣言解除と共に、さらに受注数を伸ばしている状況である。

エークラウド社でホームページ事業を担っているのは、野坂氏が在籍する制作部 ホームページ課である。現在（2021年11月）は福岡支店を拠点とし、3名のWEBエンジニアと7名のWEBデザイナー、合計10名が連携し合って業務を行っている。

福岡支店は東京本社と同時に、エークラウド社の支店第一号として設立された。当時は現在ほど役割が明確ではなかったものの、WEB案件の制作・開発では常に中心的な存在として担い続け、2015年にWEB関連の業務を行う専門的な部署として発足するに至っている。

同社は、新規構築案件を受けた場合は、基本的には全て運営まで請け負っているが、事業継続が困難になる等、特殊な事情がある場合を除いて解約はほとんどない。それは顧客満足度の高さが表れている。営業との完全分業体制を取りながらも、必要な情報を得るための徹底したヒアリング、レスポンスの早さによって、顧客の不安を取り除きながら制作を進めていることが一つの要因だ。必要があればエンジニアやデザイナーが顧客と直接話をする場合もある。

「格好の例が移管案件です。リニューアル等の機会に制作会社を切り替えるような場合、従来の制作会社に不満を持っているケースは少なくありません。その要因をヒアリングによって探り、同様のケースに陥らないようにするためにどうするか、こちらから提案し、納得していただいた上で制作に入ります。分業体制で制作に集中できるためレスポンスが早いことも、顧客の不安を払拭する要因となっていると思われます」（野坂氏）。

将来的なビジョンに関して、野坂氏は次のように語っている。
「世の中にWEB制作会社は沢山ありますが、“WEB制作と言えばここ”と言えるような存在は一握りしかありません。逆に言えばそこに入り込める余地はあると思いますので、競合他社と比べた時に一つ頭が抜けて、広く認知されるような組織にしていきたいと考えています。身近なところから少しずつステップアップを目指していきます」（野坂氏）。

一方では事業領域の拡大も視野に入れる。現在はホームページの受託制作を主体にサービスを提供しているが、中長期的にはより幅広い領域にサービスの幅を広げていきたい意向である。

「WEBエンジニアとWEBデザイナーといったリソースを活かせる領域は、受託制作以外にも沢山あります。例えば今、ニーズが多いのはアプリ開発です。独自サービスも絡めながら、幅広いニーズのご依頼をいただけるような事業展開を目指したいと考えています」（野坂氏）。

こういったビジョンを掲げる同社だが、現状では受注案件のボリュームに対して社内のリソースが追い付いていない状況である。完全内製の体制を取る同社は、従来、忙しい時は他部署の応援に頼ってしのいできたが、いよいよ限界を迎えつつある。特に不足しているのがWEBエンジニアだ。採用を強化し、万全な体制を整えた上で、これまで以上に積極的に案件をこなしながら、次の事業展開に備える考えである。

エークラウド社は離職率の低い会社でり、長きに渡って支えてくれているスタッフが多数在籍している。

最大の魅力は人間関係の良さだ。プロジェクトリーダーから始まって、プロジェクトマネージャー、主任、チーフ、課長、次長と職位は細かく分かれているが、そういった役職を意識せず分け隔てのないコミュニケーションが実現している。

「働く場所として最もきついのは窮屈なムード。誰もが気負わずに話ができることが、社員が根付く要因だと考えています。弊社は分け隔てなく、自由にものが言える職場です。我々役職者も立場を誇示するような態度を取ることはありません。自分が逆に学ばなければいけないことも沢山あります。若い社員や新しく入ってくる社員が持っているものを柔軟に取り入れる姿勢を持つことが組織発展の要因だと考えています」（野坂氏）。

ホームページ課はゆるやかに発展してきた部署だ。離職率が低い分、補強することも少ない。2021年2月にデザイナーを一人採用したのが数年ぶりのことだった。今、採用に力を入れているのは、目の前の案件をこなすための戦力補強という意味だけではなく、組織に新しい風を取り入れたいという意図もある。自社のやり方に拘泥せず、誰のアイデアであっても良いと思ったことは積極的に取り入れる意向である。

「弊社が目指しているのは、チャレンジし続ける組織です。怖気付くことなく、やりたいと思うこと、こうした方が良いということは提案してもらいたいと思っています。新しいことに向かって動いていくことに関しては前向きな企業です」（野坂氏）。

勤続年数が長い社員を対象とした特別休暇制度や、プロポーズをするためのプロポーズ休暇等、ユニークな社内制度を導入することで、社員を楽しませる工夫も惜しまない。17時早上がり制度やノー残業デーを導入することで、メリハリの付いた働き方を定着させる取り組みも行う。福岡市の中心地である天神駅を降りてすぐの、アクセス至便な立地にオフィスがあることも魅力である。

新しい人材を採用する際の評価基準として重視していることは、自分を持ちコミュニケーションが取れることだ。それがなければチームの中で信頼関係を結ぶことはできない。また、細かい案件も多いため、マルチタスクをこなさなければいけないため根気強さも求められる。

「私たちの会社は、一人一人のスタッフが成長でき、個人では実現が難しいプロジェクトを組織だからこそ実現できる環境をご用意しております。それは貴方が実現したい事が、同時に会社の成長に繋がると考えているからです。もし何か実現したいプロジェクトがある、自身をより成長させていきたいという方は是非一度弊社へご相談下さい！」