ご略歴をお教えください。
大学卒業後に大手ITアウトソーシングサービス会社に入社し、SESのエンジニアとしてキャリアをスタートしました。生命保険会社や大手メーカー系商社、流通業、総合商社といった客先に常駐しつつ4年ほど働いたところで、もっとスキルアップしたいと、大手外資系ソリューションベンダーの日本法人に転職します。そこでは6年ほどプロダクトの事業部に在籍し、法人向けの技術営業に従事しました。その事業部が丸ごと他の外資系ベンダーに売却され、私も転籍となって新会社での同一事業の立ち上げに関わりました。 その間の2002年にIT系人材派遣会社で営業を手掛けていた元夫と結婚し、2006年に彼の「エンジニアのキャリアにもっと責任を持ち、生き残れるエンジニアを育成したい」という思いに賛同。私が退職金を資本金に充当し、元夫が経営を執行する形でグローバルビジネスソリューション(GBS)を創業しました。そこでは、私はバックオフィス全般を管理する立場になり、エンジニア、営業、管理という主要な業務を全て経験することができました。 そして、2018年に離婚し、元夫は別会社を設立する形で会社分割してGBSの代表には私が就任し、会社を改めて創業、リスタートさせたという経緯です。
2018年に新生GBSの代表に就任した際に、どんな会社にしていこうと考えましたか?
その前の時期、色々なことがあって、自分自身が精神的に追い込まれた状態となりました。また、結婚後は夫を支えることに走り過ぎ、自分の人生のハンドルを握る感覚をなくしていたのです。自然と生まれるような笑顔になることができず、当時5歳の娘に対してもそんな状態で接していることが怖くなりました。そうではなく、母親として、また経営者として心からの笑顔を取り戻し、周囲や社会も笑顔にするような存在にならなければと思い直したのです。そこで、離婚と会社分割で再スタートを切ることにしました。 2010年ごろから、自身や組織のメンタル状態を改善するためにも認知行動療法を学んでいて、その知識を会社にフィードバックしメンバーがより楽しく、より気持ちよく働ける環境をつくろうとしていました。自身が代表になるにあたって、改めて水と光があれば植物が育つように、メンバーの向上心や行動力等、その人個人が本来持つ力が育つ環境を作ろうと決意。企業理念やVision、Missionを掲げ、技術力だけでなく人間力にこそ強みを発揮するSES企業を目指して風土づくりに着手した次第です。
社員に対して、どういった存在になってほしいかの思いをお聞かせください。
採用選考をじっくり行ったとしても、入社時点でのその人の状態は様々だと思いますが、どんな人でも当社で人間的に成長できることを最重視しています。かく言う私も未熟なところは沢山ありますので、一緒に成長していこう、という感覚ですね。 そのためにも、より広い視野を持ち、色々な可能性を探る中で後悔しない生き方をしてほしいと願っています。「七つの習慣」について本格的に学ぶ機会を設けているのもそのためです。人格を磨き、自分を理解することが笑顔の発露の第一歩となるからです。 そういう意味では、当社は決して完成することのない課題に向き合っていると言えます。一過性のことではなく、社内だけでなく世の中に向けて笑顔を生み出し続けていけるような会社を目指したいと思っていますので、是非一緒にそんな会社をつくっていきましょう、との思いがあります。 これからお迎えする方には、「人生は一度きり、後悔しないよう笑顔の人達と一緒に笑顔で仕事しませんか」と伝えたいと思います。
前山さんの仕事観をお聞かせください。
“働く”とは、“傍(はた)を楽にする”ものだとの思いがあります。自分が働くことで、周囲の人を助け、楽しくさせる。働くこと自体に喜びがあり、傍が楽になることで自身も満たされる。それが仕事ではないかということです。 また、“ワークライフバランス”ではなく“ワークライフインテグレーション”との思いもあります。仕事は豊かな人生に統合されているもの。働くことで非常に多くのことが学べるし、誰かを喜ばせたり楽にしたりできる。その両方を満たせる仕事はなんて素晴らしいんだろうと。 そして、そんな自分の背中を娘に見せていきたいですね。離婚を経験し、経営者になり、色々なチャレンジをしている生き様を見せて「人生を自分の意志で選ぶことはちょっぴり勇気がいるけれど、楽しいよ」と伝えたいですね。もちろん、社員、特に子育てをしていく社員にも何らかの刺激を与えられればとも思っています。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
9歳の娘とできるだけ一緒に過ごしています。一人になる時間があれば、創作や鑑賞が好きなので、絵を描いたり見たり、文章を書いたり読んだり、音楽を聴いています。 それらをいっぺんにできるのが、娘とのものづくり。人形をつくったり、洋服をつくったり、キャラクターや物語をつくったり。そんな時間を本当に大切にしています。 また、娘が茶道を始めて、大好きな和の文化への理解や親しみも共に膨らませていけているのもいいですね。旅行に行くことも好きで、単純に日常から離れる楽しさもありますし、視野視点を養える点でも有意義に思っています。