SAMURAI証券株式会社

第一種金融商品取引業者、第二種金融商品取引業者と電子募集取扱業務も併せて登録を受けており、オルタナティブ投資プラットフォームの運営を中心に事業展開するSAMURAI証券株式会社。同社の特徴となるクラウドファンディング事業においては、オルタナティブ投資にフォーカスしたプラットフォーム『Alterna Bank（オルタナバンク）』を運営し、個人が少額で、自由に投資できる機会を提供するものとして多くのユーザーを獲得している。インターネットに特化し、大手金融企業にはない独自の金融商品を取り扱う自社の事業について、代表取締役社長である山口慶一氏は次のような特徴を挙げている。

「当社の『Alterna Bank（オルタナバンク）』では、株式や社債、投資信託といった金融商品ではなく、流動性は低くなる一方で、リスクに対してより大きなリターンが見込めるオルタナティブ投資商品を中心に扱っており、その点に特徴があると思っています。日本において、資産運用を行いたい個人投資家の方々に“広く遍く”価値をご提供するために、他の証券会社では扱えない金融商品をご紹介する。そうした活動に社会的な意義を見出し、事業に取り組んでいるのが当社の現在の姿だと考えています」（山口氏）。

“他社では売れないものを世に発信する”ということを自社の存在意義として定め、広い知見を生かした商品力をインターネットの世界で発揮するFinTechベンチャー企業である同社。実際に、同社の存在がなければ日本国内の個人投資家には手にするのが困難である金融商品として、山口氏は自社が商品化した事例を紹介してくれた。

「例えば、グローバルFINTECH企業が発行する米ドル建て私募社債に貸付型ファンディングを通じて投資することができる商品があり、日本国内の市場に出回っていない海外の資産へ投資することが可能となっています。そのほか、国内企業に対する貸付型クラウドファンディングにおいても、保証会社の債務保証により元本割れのリスクを大幅に低減した商品もご提供しました。このように国内はもちろんのこと、海外のアセットクラスにもアクセスできるようになり、お客様一人一人の目的に合わせて必要に応じて分散投資することができます。これまで個人での投資が難しかった商品にクラウドファンディングを通じて少額で投資すること。且つ、オンラインで簡単に申し込める投資サービスを行い、多くの国内個人投資家に当社にしか実現できないサービスを提供するということが、当社の事業コンセプトになっています」（山口氏）。

同社の強みの一つが、山口氏いわく「まだ小規模な証券会社」でありながら、自ら金融商品を組成する技術を有していること。銀行や証券会社で長いキャリアを築き、また英語力やグローバルな人的ネットワークを持つメンバー達が数多く在籍している同社だからこそ、海外の不動産や債券も対象とした魅力ある金融商品をつくり出すことができるという独自性を持っているのである。 

今後の事業展開について、山口氏は自身の考えを次のように語っている。

「私達はオンラインプラットフォームを運営していますので、多くの人の注目を集めるような規模に拡大させたいと考えています。その指標となるのが取引量になるわけですが、当社が目標としているのは“5年以内に残高1,000億円”という規模。その数字を達成するために、金融への興味や熱意を持ち、オンラインでの展開に自らの知見を発揮できるような人材を迎えながら組織を強化していきたいと思っています」（山口氏）。

同社が必要としているのは、自分達で組成を手掛ける金融商品の魅力を適切に表現し、その普及を実現できるような人材だという。山口氏によれば、金融商品の組成に関する“職人”として身に付けていなければならない法的理解や専門知識はもちろん重要だが、それ以上に同社のサービスを拡大するためのカギになるのは、自社商品のセールスポイントを分かりやすく説明できる力だということだ。

「証券会社等でのキャリアがある方であれば、金融に関する基礎的な知識が生かせるはずですし、若い人材に対しては経験豊富なメンバー達が技術や知見を教えるということも可能です。金融とオンラインプラットフォーム、そしてFinTechビジネスに興味がある人材を採用し、育てていきたいというのが私達の考え。不足しているマーケティングやITに関する知識・経験については、当社に入社後に十分吸収できると思いますので、これまでのキャリアを生かしてさらに成長したい、クラウドファンディング事業で新しいチャレンジをしてみたいという熱意のある方には、是非当社の取り組みに参加していただきたいですね」（山口氏）。

また山口氏は、ライセンスを取得した証券会社としてクラウドファンディングに取り組んでいる企業は少ないとも指摘。業界内でのキャリアアップを目指す人材にとっては、大手証券企業、そして多くのFinTechベンチャー企業にはない環境としての魅力が、同社には存在していると山口氏は自信を持って語っている。

「金融業界でキャリアアップする中で、FinTechベンチャー企業がスケールする過程を体験できるチャンスは、本当に少ないと思います。また、金融ビジネスでは許認可を得なければならないこともありますので、自身で独立してベンチャー企業を立ち上げることには大きな障壁もあるはずです。その現状においては、許認可を全て取得し、また少数精鋭の体制で成長を目指すベンチャー企業である当社の環境には魅力があると思いますし、業務へのチャレンジによって大きな面白味を感じていただけるはずです」（山口氏）。

現在、同社に在籍する社員数は25名となっており、バックオフィス業務担当のほか、投融資、システム、マーケティングといった部門にそれぞれ所属している。各々、その所属部門の業務をメインとしながらも、部門の垣根を越え、活発な議論を交わしながら事業を推進しているという。

「本当に多種多様な人材が在籍していて、年齢層も、これまでのキャリア経験してきた業務も金融、システム、マーケティングと幅広いのが当社の特徴の一つ。当社の業務では多方面での経験や専門知識が必要となりますが、それらを全て有している人材は存在しません。だからこそ、それぞれの道のスペシャリスト達が議論し合い、お互いの専門領域の事柄を教え合いながら業務を進めているんです。そう考えると、当社のメンバー達はよく喋りますし、コミュニケーションを交わして様々なものを吸収しながら、事業を推進できる当社の仕事に面白味を感じていただけるのではないかと思っています。この環境があるからこそ、金融業界で数年の業務経験しかない若い人材にも、常に新しい体験をしていただけるはずです」（山口氏）。

事業の拡大を目指すと語る山口氏だが、「少数精鋭」というキーワードは今後も企業運営において貫かれるコンセプトだということだ。成長中のFinTech企業である同社の事業に参画することで、事業がスケールしていくダイナミズムを体感し、そしてその運営主体である企業の幹部として重要なポジションを得る可能性も大きいはず。自らがキーパーソンとなって事業に関わり、成果を上げることで正当な評価を、そして充実した待遇を受けられるのも、少数精鋭である部分の大きなメリットだと、山口氏は語っている。責任ある仕事を通してステップアップし、金融だけではなくマーケティング、システム面でも業務経験を得ながら高みを目指すことができるのが、同社の環境にある最大の魅力であると言えるだろう。

「金融商品の組成というニッチな部分に関しては、当社においても20年以上の業務経験を持つシニアレベルのメンバーが担当しています。その業務経験が不足している方に対しては、シニアメンバー達がサポートしますし、各分野のプロフェッショナルが揃う当社であれば、様々な知見を吸収しながら大きく成長できるはずです。柔軟性、成長意欲に長けているという自負がある方には、是非当社での業務にチャレンジしていただきたいですね」（山口氏）。