代表取締役・岩本 稜平（いわもと りょうへい）

ご略歴をお教えください。

2014年に大学卒業後、150名ほどのSESの会社に入り、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。最初はテスト業務で、徐々にプログラミングや上流工程を任されるようになりました。2年後の2016年4月にポータルサイトの運営会社に転じ、オークションサイトの決済プラットフォームの開発リーダーを務めます。20年ほど前からある古いシステムでしたが、CtoCの決済ができる凄いシステムとして知られていました。 同社も2年ほど勤めて退職し、2カ月ほどアジアを旅して帰国した18年7月に独立し、1年半ほどプロジェクトマネージャーとしてスタートアップ支援や受託開発を請け負いました。その間、色々な会社を見る中、このまま一人でやっていくのではなく、仲間を集めて大きなビジネスを手掛けたいと思い、共同創業者と共に2019年12月、PRUMを設立しました。

御社を設立して実現できたこととは？

大きなビジネスを手掛けたいといった漠然としたイメージだけでスタートしたので、半年間はサービスをひたすら考えていました。チャンスを探しにミャンマーに飛んだりもしました。しかし、人生を賭けるようなテーマは見当たらず、食い扶持を得るために受託開発を続けました。 そんな中で、システム開発の世界における課題に原点回帰してみたのです。共同創業者は優秀なエンジニアですが、自分自身はそうとは言えないと思ったからです。当初はがむしゃらに走るだけで、どうやって成長すればいいのか見えておらず、ここに来るまで遠回りをしたとの後悔があったのです。もっと筋道立てて体系的に学べていたら、自分も優秀なエンジニアと胸を張れただろう、と。共同創業者のようなセンスのある優秀なエンジニアは放っておいても勝手に成長しますが、自分のように迷う者は沢山いると思ったのです。そして、今の自分ならば、当時の自分にアドバイスできるぞと思い、ならばそういったエンジニアを育成する事業を手掛けようと決めました。ようやくやりたいことが明確になったと感じています。

岩本さんの仕事観をお聞かせください。

色々な側面があります。正直、妻子を養う身としての“ライスワーク”でもありますし、事業をつくり続けることを楽しむ“ライフワーク”でもあります。新しいことを組み合わせて目標に向かうプロセスはとても楽しいですし、仕事をしていない時に仕事をしたいと感じるほど好きなことであると感じます。 ポータルサイトの運営会社を辞めた後に海外を旅した時、「ヒマだ」と感じました。やはり、仕事を頑張っているからこそ旅も楽しく感じるのだし、仕事が人生のベースにあるとその時強く感じましたね。 今、意識しているのは、毎日を全力で生き、成長し続けるということです。旅から帰って一人で仕事を再開した時は、成功を目指したものの、ただ稼いでいるだけという感覚でした。これで成功と言えるのか？幸せなのか？と自問自答しましたが、答えは否です。やはり、人に影響を及ぼし、感謝されることが大事だと気付いてPRUMのビジネスに辿り着いたという感じですね。

社員に対して、どういった存在になってどんな人生を歩んでほしいかの思いをお聞かせください。

純粋に、自分らしい人生を歩んでほしいと思います。趣味が大事な人もいれば、私のように全力で仕事をしたいという人もいるでしょう。当社は、どんな人でもその人らしく居られる会社にしたいと思っています。何か強制することは、お互いの不幸に繋がるのではないか、と。 してほしくないことは、自分自身の声を聴かず、何かのせいにして当社を辞めてしまうこと。嫌なことがあって、何が嫌なのか突き詰め、言語化して伝えてくれれば、いくらでも改善するし、やりたいことは用意できると思います。にもかかわらず、何も伝えてくれずに去られてしまうのは悲しいことですね。 なお、当社はこれから色々な事業を展開していく中で、ポストが有り余る状態になるでしょう。そんなポストに就いて飛躍的な成長をリードし、経営の一角を占めてくれるような人材が一人いるだけで会社はガラッと変わると思います。メンバーにはそんな存在を目指してほしいですね。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

チャレンジするからには最高の状態を目指して全力で頑張ろうと思う半面、家族との時間を犠牲にして仕事していることは幸せなことなのか、と葛藤を感じた時期がありました。考えて出した結論は、仕事は全力でやり、家族との時間はほかの人より短くても、その分を濃密に過ごすということ。したがって、土日のどちらかは妻と2歳の長女とべったりと過ごしています。また、学生時代から続けているバスケットを毎週末の数時間、サークルに加わって楽しんでいます。