ご略歴をお教えください。
2010年に大学を卒業後、日本のERP大手に入社し、開発部門に配属されました。その結果、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせた形です。会計モジュールを担当し、あらゆる仕訳ごとの集計をバッチ処理する機能開発等を手掛けました。品質を意識してきれいなコードを書くことにこだわり、自信も付いたのです。しかし、そのことはさほど評価されることはありませんでした。世の中のエンジニア採用においても、問われるのはどの言語が書けるのかといったことで、きれいなコードが書けるかどうかはさほど市場価値になっていない。そんな現実を知り、より本質的なところで評価される世界に移ろうと、3年強勤めた後にグローバルコンサルティングファームに転じました。 ITコンサルタントとして大手不動産ポータルの販売管理システムをフルスクラッチで開発するプロジェクトに加わった後、RPAツールのUiPathの開発・導入プロジェクトに入ります。2016~17年の当時、日本でのRPAは黎明期で、RPAツールは簡単に使えるという触れ込みのもと、市場ではシステム開発経験のないコンサルタント等がつくった低品質のものが高い料金を取って導入されていました。そうした現状を見るにつけ、もっと高品質のものをリーズナブルな料金で導入すればビジネスになるのではないかと感じたのです。そこで、独立して2名の友人と共に2018年5月に当社を創業しました。
御社の強みと、それが実現できている理由とは?
私がRPAをビジネスに選んだのは、エンジニア一人でも完結でき品質管理がしやすい点と、浅くても幅広い知識が役に立つ点で、自分にフィットしていると感じたことです。RPAはRPAツールの操作だけで完結するものではなく、自動化させたい業務に関わる技術的な知識やスキルが幅広く求められます。その点で、自分の指向や適性に合致しています。また、当社の強みとしてほぼ全員が「RPAデベロッパー上級プログラム資格」を保有していますが、分からないこと等があれば自主的に調べて解決していけるような人材採用にこだわってきました。また、そのようにして得た知見やスキルはリモート体制でもしっかり共有する仕組みをつくっています。その辺りが当社の強みの源泉だと自負しています。
社員に対して、どういった存在になってほしいかの思いをお聞かせください。
一番は、自分の自由にやってほしいということ。反対に最もそうあってほしくないのは、会社が嫌で出社するのが一番のストレスという状態です。自分の人生のオーナーは自分であり、会社等周囲がああしろこうしろというものではないでしょう。そういう意味では、当社よりも自分に適する会社に転じることにネガティブではありません。もちろん、そうなってほしくはないので、当社がベストの環境であり続けられるよう努めることが自分の使命であると考えています。 転職を考えている方にお伝えしたいこととして、エンジニアの仕事の中でポジションが上がるに従い、クライアントとのコミュニケーションが必要になる局面が増えると思います。当社では、Tier2の案件であっても、エンドユーザーのお客様と膝詰めでコミュニケーションしつつ技術的な仕事を進めていくことができます。この経験は、エンジニアのキャリアとして絶対に役に立つと確信しています。 また、私のようにきれいなコードが書けることを評価されないことに不満を持っている方も、当社ならばクリアできると思います。
深野さんの仕事観をお聞かせください。
まだ小規模につき、現在でもエンジニアとして現場に入っています。ものづくりは基本的に楽しいですね。そのように感じられる仕事をして、働いている時間は自分の気持ちをマイナスにしたくないと思っています。その点で、自分にフィットしているRPAを選択したことは正解でしたね。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
5歳になる息子がいて、休日はもっぱら接待しています。自分もゲームが好きということもあって、よく二人でアクションレースゲーム等で遊んでいます。また、友人ともう1社、eスポーツの会社をスタートさせていて、その関係でオンラインゲーム等もよくやっています。