株式会社AdOps

株式会社AdOps（アドップス）は、2019年5月に誕生した若い広告代理店だ。
WEB広告運用を軸にしたクライアントの集客支援を得意としている。
同社のクライアントには、不動産、建築、注文住宅、自動車、太陽光蓄電池、金融などライフスタイル領域の企業が多い。
時流に合ったショート動画やサービスにあったインフルエンサーの起用や緻密な数値分析から行われる施策実行が同社の運力の基盤となっている。
また、クライアントに対して独自のチャットシステムを提供したり、増え続ける案件の一部をASPとして他の広告代理店に卸すなどして積極的な事業展開で急成長を遂げてきた。
同社がここまで成長できた理由は「数字絶対主義」を掲げつつも、「プロセスを重視して」再現性を重要視して結果を出してきたことにある。
その成長性と独自性が評価され、2023年度,2024年度と2年連続でBestVenture100に選出されている。

■「ベストベンチャー100」は、イシン(株)が提供する法人向け有料会員制サービスです。エントリーした企業の中から、厳正な審査のもと選出したベンチャー企業100社が「ベストベンチャー100」として紹介されます。

「結果を出さないとクライアントは本当の意味で喜んでくれません。期待値を超えていかないと大きな取引になっていきませんし、長く取引ができないと考えています。」（代表取締役　曽宮燎汰氏）。

結果を出すために、同社がこだわっているポイントは三つある。
一つ目が成果報酬型の広告をメインにすること。
こうしているのは成果報酬型の広告は結果が出なければ売上には繋がらないが、クライアントの負荷が小さく、成果が出た時の喜びが大きいからだ。同時に、同社がWEBでの集客力、広告運用力に自信を持っていることを対外的に示すことにも繋がっている。

二つ目は集客支援の一環として、最先端のチャット型フォームシステムを提供している。
広告主のLP（Landing Page）をチャット型で制作を行っている。同社はエンジニアの採用にも力を入れているため、広告運用者・クリエイティブチームとともに一貫して広告主LPの改善を高速で行い、大幅なCVRの改善を行っている。スクリプト等を使ってLPとクライアントとのシステムとを連携させる技術も保持している。CVRを最大限まで上げた弊社独自のLPは、自社だけでなく他の代理店様からも高評価を得ており、ASP事業(アフィリエイトサービスプロバイダ事業)の売上拡大にも繋がっている。

三つ目は、業界トップのクライアントと取引していることだ。広告業ではクライアントと「密」にやり取りをしようとすると機密情報が増え、秘密保持契約（NDA）の関係で簡単にその領域で事業を拡大できなくなるジレンマがある。WEB広告業の参入障壁は低く競合が多い面もあって、そのような中で安定的に成長をしようと考えると、どうしても業界トップと取引をした方が有利だという背景がある。さらに同社が「義理人情」を大切に考えていることもあって、トップクライアントと着実な信頼関係を築くことに力を入れているのだ。強固な信頼関係を構築することが、予算型の広告で大きな枠を獲得することにも繋がっていく。

「正直言って、当社は取引先を選びます。取引先に対してしっかりコミットして結果を出し、圧倒的な信頼関係を築くことが目標達成への一番の近道だと信じているからです。そして、大きな取引に育てていくのが当社の成長戦略なのです」（曽宮氏）。

創業5年目にして大きく飛躍したAdOps。2025年には年商50億円を目指しているという。そのプランの根拠には、現在の成長状況が良好であること、利益率が高い業界であることもあって同社が着実なキャッシュフローを確保したという自信がある。

「広告代理店事業としての道筋や手法が確立してきたと考えています。言い換えると成長戦略が見え“やるべきこと”が定まった状況です。既存クライアントの利益を最大化しつつ、新たな領域への横展開進出を続けることで、年商50億円の目標はスムーズに達成できると考えています」（曽宮氏）。

その自信を支えているのが、同社のWEB広告運用力の高さ。
「WEB広告に強い」と自負する広告代理店は多いが、実際に証明するのは難しい面がある。同社の場合、秘密保持契約で実績を公言できないのが歯痒い面もあるという。これまでの実績で見るとLP制作ではCVRが3～4倍改善し、CPAが3分の1から4分の1になったという事例が多い。WEB広告運用面では、ASPから投げられた案件の平均的な成功率が10分の1以下とされる中、同社は2分の1以上（50%以上）の実績を上げてきた。確かなノウハウがあるからこそ達成できたとの自負が彼らにはある。

「数値解析能力は大前提。AdOpsはさらに、スピード感を持って精度の高い“仮説”を出すことができます。クライアントにいつも驚かれるのが、テストの良し悪しの判断スピードと改善策の質の高さです。明確な基準を設けた上で数字を見て施策の良し悪しを判断し、広告のどこをどうしたら良くなるのか考察しています。他業界の事例や過去の運用事例などあらゆるデータを駆使して、過去を見るのではなく、未来を読み取ることに注力しているのです」（曽宮氏）。

同社では、最新のテクノロジーに目を向けたり、検索やアンケートやSNS等のツールを駆使し、一次情報を重視してターゲットユーザーの心理を分析。「ニーズ」「悩み」を明確化して先を読み、即座に仮説を立てている。そして仮説、実行、検証のサイクルを素早く回すことでWEB広告運用の効果を最大化して結果に繋げているのだ。このプロセスは意外にも社内のコミュニケーションから生まれるアナログなものだという。

広告クリエイティブの修正についても、何らかの“方程式”によって導き出されるのではなく、広告運用チームとクリエイティブチームがユーザーデータをもとに頭を突き合わせて、エンドユーザーに情報を伝えることを重視して煮詰めている。ここにAdOps独自性があるといって良いだろう。

AdOpsは、創業当初から広告に対する世の中の“目”が厳しくなっている状況があると認識。広告にはいわゆるグレーゾーンがあり、ステマ等ネガティブな情報も多い。その中にあって同社はルールが不明瞭な領域には進出せず、ユーザーにとって明確なメリットのあるサービスの集客に特化することで、自信を持って事業を展開していく方針を定めている。

「クリーンな広告運用をして利益を上げられるのが、当社の大きな強みです。行動基準の一つには『法と倫理に反しない健全な行動を取る』を掲げました。自分の子供に話せないような恥ずかしい仕事はしないと決めています。」（曽宮氏）。

現状では上場は目指していないが、市場に評価される会社にしていくのも同社の目標となっている。創業から大きく成長した同社だが、当初は定着率が悪かった。これに課題を感じて人事コンサルタントと共に評価体系を整え、働きやすい環境作りに着手。業種的に「数字絶対主義」の方針は変わらない。ただ、これは結果が明確でやりがいがある一方で数字に追われる仕事のためメンバーのストレスが大きい。
これを減ずるためにチームで成長する方針へと舵を切っている。

メンバーを大切にし、長く一緒に働くためには何が必要かといった観点から、評価体系については、会社で成果を出すために必要とされるスキルマップを定義し、その評価とチームへの貢献度で評価するように整えた。また、給与テーブルを作って年に2回の昇給で5年後、10年後のライフプランが立てられるように工夫もしている。

教育制度も整備した。同社がこれまで蓄積した独自ノウハウを整理した充実したマニュアルを作成しており、これを読めば業務内容がほぼ把握できるようになっている。新メンバーはマニュアルを読み、先輩社員と一緒に実践を通じて数字の見方、仮説の立て方等3カ月ほどのトレーニング期間で身に付けていくカリキュラムを用意した。

働きやすさを考慮して美しく整えられたオフィスの雰囲気は、非常に和やか。しかし同時に張り詰めた空気感もあり、静と動が共存しているかのようだ。

「よく遊び、よく働く、メリハリのある会社です。正直、楽ではないかもしれませんが、健全なWEB広告事業に取り組み、クライアントにも喜んでもらいながら成長したい、良いメンバーと出会って“やりがい”を感じながら、気持ちよく仕事したいと考えている方と一緒に目標を達成したいと考えています。働きやすい環境を整えているので、是非、来てください」（曽宮氏）。