代表取締役社長 西口 真央氏 1987年5月生。経済学博士、データサイエンティスト。大学生時代から、ソーシャルゲーム、HRTech、FinTech企業でデータサイエンティスト、プロジェクトマネージャーとして経験を積みながら並行して学びを進め、経学博士号を取得。AIやビッグデータを活用して数多くの事業課題、社会課題を解決し、新規事業を創出してきた。2021年7月に株式会社onerootsを起業。

株式会社onerootsを創業したのは、どのような想いがあったからでしょうか？

私は大学生の頃から、ソーシャルゲームやFintech系の企業に入ってデータサイエンティストとして経験を積んでいます。ソーシャルゲームではユーザーを楽しませるほど「廃人」を作ってしまうジレンマがあり、多少、モヤモヤを感じることがありましたね。 その後、大学というアカデミアの世界に入りました。一旦、利益の縛りからは解放されたのです。ところが、研究室では最先端の技術が磨かれているものの、それが活かされていない印象を受けたのです。新しい技術を開発しても社会に実装することなく、単に「論文を書きました、以上」では繋がりがありません。プロジェクトが3年間で終了してしまうのももったいないと思いました。 このようにビジネスとアカデミアの世界を両方見て、両者の隔たりが大きいと思い、両社を上手くミックスさせて人々や社会にとって意味があることで、しっかり対価が頂けるビジネスモデルを構築したいと考えてonerootsを起業しました。仕事を通じて、人の役に立つことをしていきたいのです。

「oneroots」の社名の由来を教えてください。

「ものごとを根源から見ていく」意味があります。どんな課題にも必ずルーツがあり、解決すべきことは実はそれほど多くはありません。表面的な課題が沢山あっても、それが一つの根に繋がっていたりするのです。本質を見抜いて課題を解決していきましょうという考えから、「問題を一つに落とし込みましょう（One）」と「ルーツをちゃんと辿りましょう（Roots）」でonerootsとしました。 加えて、rootsには植物の根という意味があるので、根から新芽を育て、大樹に育てたいという想いと、会社を起業して芽を育て、やがて大きなビジネスに育てたいという想いを重ねています。 会社は大きく育つ方が良く、利益も多ければ多い方が絶対にいいですが、何でもお金にすることは考えていません。企業は利益を出すためのものなので、理念とマッチしている中で最大限の利益が欲しいと考えています。例えば、当社は商品を作っていませんが、安いからと言って環境汚染をする素材を使うことはありません。

起業に当たり、社会課題を解決したいといった想いはありましたか？

正直、漠然とは思っていましたが、社会がどんどん変わっていくので、それに応じて解決したいことは変化しています。 起業に当たって「最短で上場を目指す」といった考え方もあり、経営者として成功して、例えば高い車や時計を身に着けるとか、大きな家を建てるのも一つの考え方だと思います。 しかし、今は時代が変わってきています。以前、アフリカ支援の一環として、“ガラクタ”にアーティストの卵が絵を描いた作品の展示会が開かれました。この催しでは数日間で何億円もの売上があり、ゴミ問題を解決すると同時に彼らに美術家として教育を受けさせることに成功しています。このようにお金を社会貢献に使う流れができていることにすごさを感じました。 「みんなでいい世界を作ろうよ」という流れは続くと思っています。こういった人々の価値観の変革に会社としても懸けていきたいですし、参加していきたいと考えています。

趣味を教えてください。

趣味はスポーツです。中でもアイスホッケーですね。私の出身は奈良県ですが、大阪にはリンクが豊富にあって環境が整っていたこともあって、大学生の時に始めました。もうキャリア16年になります。今もチームに所属してバリバリやっています。 激しいイメージがありますが、社会人になるとトップリーグでやっているわけではありませんから、さすがにプレーヤー達も節度を持ってやっています。皆、プレーが終わったら仕事がありますから、そこまで無茶はしないですね。 リンクを全力で駆け抜けたり、思いっきりシュートを打ったり、他のプレーヤーに体当たりしたりすると、頭が真っ白になれます。シュートを打つことだけに集中できます。仕事や研究等、色々な考えや悩みがありますが、アイスホッケーをすると、脳がリフレッシュできてすごく良いと思っています。

「oneroots」で働く魅力や“やりがい”は何ですか？

当社は自由です。束縛しないので、どこで働いてもいいですし、当社の理念と合っていれば何をやっても構いません。また、優秀なメンバーが揃っていると自負しています。私が一番、不真面目なくらいで、社内にはコミュニケーション力が高い人、真面目な人が多く、優秀なメンバーと近い距離で仕事をするのは楽しいと思いますし、勉強になることが多いはずです。 最近では、業務の20%を勉強や新しいことに充てる「20%ルール」が有名ですが、当社では、勉強をすることが自然に仕事の一部、生活の一部になっている感覚です。アカデミア等で学んだこと・身に付けたことを社会実装することに関心がある人、理論や研究した技術を活かしたい人にとっては、この環境は魅力だと思います。この環境で会社を育てていくことでやりがいも感じられるのではないでしょうか。 また、マーケティングやビジネスモデルに興味のある人が最先端のデータサイエンスを身に付けるにも最適なのが当社だと考えています。