代表取締役社長　古尾谷 志考氏

ご略歴をお教えください。

高校時代からグラフィックデザイナーを志望し、専門学校に進学しました。しかし、就職先としてはアパートの一室で細々と経営しているようなスタジオしか見つからず、どうしたものかと思案していました。そんな時にデベロッパー向けにデータを販売している会社でデータ入力のアルバイトを始めたのですが、Visual BasicやAccessを使ったプログラミングもやらせてくれたのです。これですっかりこの世界にハマり、そのままその会社に入社することにしました。しかしながら、倒産の憂き目に。そこで、1999年に人材エージェント経由で社員数1,000名ほどの上場企業である前職のSIerに転じることにしました。配属されたのが、当社を創業することになる栗原が責任者を務める部門でした。 同社では、インフラやアプリケーションの構築や開発、フィーチャーフォン向けサイトの構築まで幅広く手掛けます。業種も、金融やメーカー、流通等、色々経験できました。しかし、責任と年収が不釣り合いで、かつ窮屈でやりたいことがやりにくい体質があったのです。そこで、よくメンバーと飲みながら、栗原を担いでスピンアウトし、楽しくやれる理想の会社をつくりたいと話していました。そんなメンバーの意思が固まったところで栗原に持ち掛けたところ、栗原も独立を考えていて話がまとまり、2006年にみんなで当社をつくることになったという経緯です。

古尾谷さんが2代目の社長に就任した経緯とは？

栗原は2022年3月に60歳で経営から退き、株も全て売却して当社から離れるという意思を表明していました。しかしながら、栗原以外に5名いた役員の中で後任に手を挙げる者がいなかったのです。そこで私は、経営を承継する意思のある社員達が経営ビジョンをプレゼンし、その中から選ぶという方法を提案しました。これが受け入れられ、私のほか3名がプレゼンを行って私が選ばれたという次第です。 なぜこういう決め方を提案したかと言うと、経営ビジョンをもって選出されれば、そのビジョンが認められたことになるので、後の経営がやりやすくなると考えたからです。

社員に対して、どういった存在になってほしいかの思いをお聞かせください。

当社としては定着率をさらに改善すべく、言いたいことが言える環境をつくると共に、平均年収を高めることにフォーカスして取り組んでいきたいと思っています。そのためには、SES契約単価のアップや生産性の向上が不可欠。もちろん、会社としての営業活動やDXに努力しますが、社員としてもスキルアップやDX運営協力に努めてほしいと思っています。ITの世界は潮流の変化が早いので、これに即応できる人材になってほしいですね。そうすることで、会社と社員とのWin-Win関係が築け、より長く働いてもらえるようになると確信しています。 これから入社する人材に対しては、DXやエンゲージメントの推進等に共に取り組み、是非一緒に新しい会社をつくっていきましょうとのメッセージを送りたいと思います。

古尾谷さんの仕事観をお聞かせください。

収入のためというより、仕事が楽しいからやっているという感じですね。だからこそ知識欲も高まりますし、続けていられるのだと思います。お金はその結果に過ぎません。世の中には凄腕のエンジニアがいますが、こうした人達とできるだけ多く出会い、自分にはないものを吸収していきたいと思っています。スタンスとしては、あくまでも謙虚で。“上から目線”になった途端、上から落ちる一方と思っていますので。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

最近は、寿司の握り方を教える動画にハマり、刺身のサクを買ってきて自分で握っています。私は離婚しているのですが、小学3年の息子がいて、毎週末遊びにくるのです。目的はゲームなのですが、その息子に握った寿司を食べさせています。本人は刺身が好きなので、ネタをはがして食べています。それではシャリを握っている意味がありませんが、まあ食べてくれるので幸せに感じています。それで週末はほぼ潰れていますね。