株式会社NTQコンサルティングジャパン

株式会社NTQコンサルティングジャパンは、システム開発における上流工程を専門的に担うと共に、ベトナムでのオフショア開発の最適化を図り、高品質のソリューションを提供する、2022年5月に設立されたばかりの新鋭である。

同社は、ベトナムのNTQ Solutionのグループ企業。NTQ Solutionは、2021・2022年と2年連続で“TOP 10 Vietnam IT Companies”に選出された存在で、当地に800名のエンジニアを擁し、大半を日本企業向けのオフショア開発を担っている企業。NTQコンサルティングジャパンは、日本企業の顧客に対し、主に日本人のシステムコンサルタントが課題をヒアリングし、要件定義や設計を行った上で、NTQ Solutionもしくはその日本法人であるNTQジャパンのブリッジSEを通じて、ベトナムにて開発を行うというスキームを提供している。

日本のシステム開発会社がベトナムにオフショア開発拠点を設ける例はよくあるが、得てして相互の間で言葉や文化の違いによるコミュニケーションや、品質・納期等のプロジェクト管理が困難といった課題があった。同社が決定的に異なるのは、ベトナムと日本のグループ企業同士が一体となることで、こうした課題をクリアしている点にある。
「当社のような、ベトナムを本拠地とするオフショア開発会社の日本におけるコンサルティング会社という存在はほかになく、現地との緊密なコミュニケーションによる品質やスケジュール管理レベルの高さは随一であると自負しています」と代表取締役社長の石川明氏は胸を張る。

同社の顧客は、SIerを経由しての大手企業、および直契約による中堅・中小企業。「後者が伸びている状況」と石川氏。その要因は、同社の強みそのものだ。
まず、顧客が何に困っているかも分からないといった“超上流”の状況から対応すること。そして、ベトナムで開発することにより、日本における開発コストの60～70%を削減できること。加えて、NTQ Solutionのエンジニアには、ベトナムでトップクラスの大学でソフトウェアを学んだ、若く優秀なエンジニアが多く集まっていることだ。これによって、あらゆる業界や分野のシステム開発を担っている。
「日本ではエンジニアが圧倒的に不足しています。優秀なエンジニアを豊富に擁していることは、当グループとして非常に大きな強みであると思っています。これをバックに、当社は多種多様な業種のお客様のあらゆる課題に対応できるカバレッジの広さを持つことができています」（石川氏）。

NTQ Solutionは、CEOのPham Thai Son氏が2011年に設立した。Son氏は1982年にベトナムで生まれ、2004年にハノイにある国立の大学を卒業後、ベトナムのICT大手の会社に入社する。そのICT大手の会社は、約3万7,000人の従業員を擁し26カ国に展開するベトナム随一の大企業で、Son氏はマレーシアや日本に赴任し、主に大手企業の客先に常駐して仕事をした。日本では、日本語を学びつつ、周囲の協力を得ながらも忙しく仕事をこなす一方、地方を旅行したり日本食にチャレンジする等、積極的に日本に溶け込んだ。

そして、2011年に独立し、5名のメンバーでNTQ Solutionをスタートさせる。
「当初は日本企業の現場に常駐する形で業務を始め、その後本国にオフショア開発拠点を整備し事業を本格化させていきました」（石川氏）。

2016年には日本法人であるNTQジャパンを設立。顧客は日本法人の方が契約手続を行いやすく、支払いも円建てが可能な日本法人の方が好都合という面もあるが、大きくは顧客のフロントを担う営業と、顧客の現場に常駐するエンジニアが日本法人の在籍であることの方が安心感があるためだ。

さらに、2022年にNTQコンサルティングジャパンを設立する。その経緯を、石川氏は次のように説明する。
「NTQ SolutionやNTQジャパンでも上流工程から手掛けることはありましたが、日本企業を相手に行うには弱さがありました。そこで、日本人のシステムコンサルタントを集めて上流工程を専門的に担う存在をつくるべく、縁があった私を中心に当社を設立することになったのです。また、日本企業はオフショアと聞いてもよく分からなければ不安を感じて使わないので、そういった不安を払拭できる提案やサポートに力を入れるという役割が必要でもありました」

なお、NTQ Solutionは現在、日本以外に韓国と香港にも現地法人を設立しているが、グループ全体で売上の80～90%は日本市場から得ている。

NTQ Solutionは前述の通りベトナムのTOP 10に入っているが、2027年までに3,000名規模にまで増やし、TOP 5に入ることを目標に掲げている。そして、グループとしては欧米市場にも進出し、「グローバルで通用するテクノロジーカンパニーグループを目指す」と石川氏。
そのためにも、NTQコンサルティングジャパンの責務は大きい。NTQグループにおいて、上流工程のリーダー的存在であるからだ。
「当社のスキルやノウハウをグループ各社に伝えて底上げを図ると共に、お互いに高め合っていくためにもリーダーシップを発揮することが期待されています」（石川氏）。

2022年末には5名体制となる同社は、2023年夏までに20名規模まで増やす予定である。同社の風土づくりの指針について、石川氏が次のように話す。
「仕事は基本的にお任せしていきたいので、メンバーの提案は最後まで丁寧に聞き、受け止めた上で必要なアドバイスを行うに留めています。決して頭ごなしに命令するといったことはやりません。また、上下関係はフラットな組織にします。特に技術については立場の上下は関係なく、むしろ若い社員の方が詳しかったりする。そこで、そんな情報を全体が共有し、メンバーが自由に試せるような環境づくりを心掛けていきます」
加えて、オフショア開発拠点に対しての対等の関係性を最重視。「当社のメンバーが上から目線でモノを言うようなことは、断じて受け入れられない」と石川氏は強調する。

社員のスキルアップ施策としては、提案書や報告書等の書き方が苦手なメンバーに対して個別にトレーニングを行っているが、同様のプログラムは新メンバーに対しても行われる。
コミュニケーションの促進においては、まだ制度化はされていないものの、入社したメンバーは必ずベトナムに赴いてNTQ Solutionのエンジニアらと交流する機会を設ける予定だ。また、NTQ ジャパンが開催するエンジニアの勉強会や、年3～4回行われているBBQパーティーに参加する等の機会を通じてNTQジャパンとの親交を深めている。

NTQコンサルティングジャパンが求める人材像について、石川氏は次のように期待を寄せる。
「多様なスキルや知見を持つ人材の集まりにしていきたいので、何か強みを持つ方。また、技術が大好きであっても上流工程を手掛けたい方。加えて、お客様やオフショア拠点等とコミュニケーションしていく上で、明るい人柄の方だと嬉しいですね」

ベトナムは、日本から近いアジアにおいて優秀なITエンジニアを数多く輩出する国として、日本のIT業界のオフショア開発拠点としての活用が広がっている。そうした中にあって、高度な連携によってコストパフォーマンスを極大化させた成果を顧客に提供している、NTQコンサルティングジャパン。今後のさらなるグローバル展開にも期待が広がり、国際的な仕事をしたい人にとっても見逃せない募集と言えるだろう。そしてもちろん、現在はもっぱら開発に従事しているものの、上流工程を手掛けたいと考える人や、現在手掛けている上流工程をさらに突き詰めたい人にとっても、上流工程専業の同社は最適な就業環境に違いない。