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株式会社日吉

  • 不動産・建設系
  • サービス系
  • コンサルティング・リサーチ

環境技術で未来を創り、社会をつなぐ環境インフラ企業

グローバルに活動

企業について

環境にも人にも優しい会社が、滋賀県近江八幡市にある。最新設備を備えた検査部門から、環境インフラの維持管理部門、廃棄物の最終処理部門まで、環境問題解決に必要な「はかる」「みる」「まもる」のソリューションを幅広く提供している、株式会社日吉だ。

同社の優しさを紹介する前に、事業内容を見ておこう。同社の事業は大きく分けて「分析検査」「施設管理」「工業薬品」「環境保全」の四つである。

同社の分析検査の対象は幅広い。水質・土壌・排出ガス・悪臭・騒音・振動・栄養成分・残留農薬等、26の分析・検査を請け負っている。分析項目6,909種類、全国で一番早く生物検定法を導入し、公定法としても認められたバイオアッセイによるダイオキシンの分析を実施する等、屈指の技術力を誇る。

「環境計量証明事業等、業界最多クラスの分析検査の許認可を受け、環境計量士12名、技術士1名、博士6名、合計2,000名を超える有資格者が在籍しています。合計122台の計測機器を保有し、確かな技術で安心のサービスを提供しています。施設維持管理も事業として手掛けている関係で、分析だけでなく結果の解析から施設維持管理のアドバイスまで、ワンストップで対応できます」(常務取締役・西野優氏)。

上下水道処理施設・廃棄物処理施設、生活排水および工場排水処理施設等の維持管理も請け負っており、年間7,700万立方メートルの水道水を滋賀県内に供給している。また、1984年からいち早く排水の遠隔管理システムを導入し、琵琶湖の有人島「沖島」の排水処理システムの監視を開始。現在は6,000km離れたインドの排水処理も遠隔監視でモニタリングしている。

そして、苛性ソーダや活性炭、硫酸等、各種工業薬品を販売。「複数の薬品備蓄タンクを設置」「自社配送が可能なタンクローリーを保有」「毒劇物製造販売許可を取得」の三つの条件を満たしている。毒劇物の液体苛性ソーダは、顧客の要望に応じた濃度希釈で商品を提供。工業薬品の廃棄処分やタンクの建設・維持管理も請け負っている。

さらに、し尿収集運搬を含む一般廃棄処理から特別管理産業廃棄物(有害廃棄物)の処理をはじめ、各種道路清掃、下水道管清掃保守管理等、都市環境と自然環境を「守る」ための様々な維持・改善業務にも取り組んでいる。

「1955年、近江八幡のごみ回収業者としてスタートして以来、技術の習得と鍛錬で事業の幅を広げ、地域の環境を守ってきた会社です。持続可能な未来を拓く環境トータルサービスプロバイダとして、当社は進化し続けます」(西野氏)。

環境保全の観点で、幅広い事業を展開する同社。分析検査、薬品販売、施設維持管理、特定建設業、建物総合メンテナンス、廃棄物等関連する事業許認可数は、96に上る。社員が持つ資格も、234種類。資格取得者数は延べ2,000名以上。同社の技術力を示す数字といえる。論文や学会での発表も積極的に行い、地域だけでなく業界にも多大な貢献をしている。

「当社は、早い段階から産官学民の連携を進めてきました。技術に対する投資を怠らず、『社会立社・技術立社』の社是の下で技術研鑽に努め、社会に貢献してきました。環境省『環境 人づくり企業大賞2019 奨励賞(大企業区分)』を受賞したのをはじめ、大臣・知事表彰39件、その他190件の表彰・感謝状を頂く等、多方面から評価されていると自負しています」(西野氏)。

技術を大切にする社風は、IT分野でも発揮されている。経営陣がIT投資に積極的な姿勢を示し、早くから業務のIT化を進めてきた。社内ポータル「日吉ネット」を開発し、会社の経営指標から従業員へのお知らせまで、会社の情報を社員が気軽にアクセスできる環境を整備している。

「『日吉ネット』は、六つの社内システムとデータ連携しており、社員に業務データを活用できる環境を提供しています。社内システムは外注ですが、『日吉ネット』は内製しています。各部署から『日吉ネット』を使って業務の効率化を図りたい、というリクエストを多数もらっており、開発エンジニアを増員することになりました。現在、2名体制で開発を進めていますが、リクエストが多くて対応し切れていません」(総務部 経営企画課 参事・森田浩由氏)。

100カ所以上あるマンホールポンプの場所は紙媒体で管理し、それぞれの箇所の対応履歴(故障等)については別で管理していたが、Google Mapsを活用することで、位置の把握および対応履歴の一元電子管理が実現した。

「社内ポータルといっても単なる社内ホームページ制作ではなく、Webシステム開発に近い仕事です。基幹システムの開発経験等を生かせます。社内システムの開発もエンジニアの担当。こちらは外部ベンダーに発注しているので、要件定義やクオリティチェックが主な仕事となります。多角経営をしている会社なので、いろんな部署から要望が上がってきます。会社はエンジニア以外の社員のITリテラシーを高めるために、ITパスポートの取得を奨励しています。管理職は義務化するという話も出ています」(森田氏)。

地方の中小企業のDXは、経営層と現場との間で温度差があるケースも少なくない。早い段階からIT化を進めてきたこともあって、同社の社員は一般的な中小企業よりもIT活用への抵抗感が少ない。エンジニアにとっては働きやすい環境でもあり、全社から頼りにされる存在で、やりがいも感じられる。

同社は、地域環境の改善・保全、次世代の環境啓発、環境技術の海外への展開、そして持続可能な社会への貢献へと取り組んできた。100年企業を目指す同社の持続可能性の取り組みは、SDGsの取り組みにも直結する。

「滋賀県発祥の近江商人の理念『三方よし』を受け継ぐと共に、売り手よし・買い手よし・世間よしに、次世代の人材育成に注力した『次世代よし』を加えた『四方よし』の実践を目指しています。全世界40カ国より海外研修生を受け入れて技術者養成をしているほか、滋賀県知事より認定職業訓練施設として認定を受けた『日吉塾』において、化学分析基礎講座を通じて技術伝承・人材育成等を行っています」(総務部 次長・大角浩子氏)。

小学生から大学生までをインターンとして受け入れ、毎年、地元の小学生を対象に同社の新入社員が協力し環境研修会を実施。2016年度には文部科学省より「子供と自然をつなぐ地域プラットフォーム形成支援事業」の認定を受けており、地域の活性化にも貢献している。

「20年以上、近隣市町の小学4年生を対象に環境ごみ学習を実施しています。学習を通して学びや感じたことを絵に表現してもらい、廃棄に対する意識を向上してもらっています。また、10年以上前から、環境をテーマに地元小学生が描いた絵を廃棄物収集車にペイントし、子供達の環境やごみ問題に対する関心を高めるよう取り組んでいます。現場での体験を通じて、環境に対する意識を高め、“21世紀の主役達”を育てていきたいと願っています」(大角氏)。

同社にとっては「地域貢献」が大きなキーワード。近江八幡の人々に育てられた企業として、地域への恩返しも同社のSDGsの一環だ。

「琵琶湖の漁業存続、人が住む沖島への取り組み、外来魚の駆除と資源としての活用を狙ったペット用おやつ『おさかなまるごと』を考案する等、地域貢献を続けています。存続の危機にさらされている『琵琶パール』の養殖にもチャレンジしています。近江八幡市の環境美化活動に社員一同で参加。啓発活動として近江八幡市認知サポーターにも登録する等、当社の地域ネットワークを生かし、暮らしを見守る役割をしています」(大角氏)。

環境と人に優しい同社。雇用の多様性を確保し、社員にとって働きやすい職場環境を整備することが「売り手よし」だと考えている。

「滋賀県内のサービス業で、初めて次世代育成支援対策推進法『くるみん』認定を受けました。産休・育休制度のほか、フレックス制度の導入が評価されました。管理職候補の女性社員が育児のために引っ越しをした際は、在宅勤務制度を導入。働き方に関しては、社員一人ひとりの状況を考慮して柔軟に対応しています。エンジニアは会社や仕事に慣れれば、フルリモートも検討します」(大角氏)。

インタビュー

株式会社日吉のインタビュー写真
常務取締役 西野 優氏 DX推進のカギとなる若手のホープ。2006年、新卒で株式会社日吉入社。2017年、常務取締役就任。2019年、日本初のデータサイエンス学部を設置した滋賀大学の大学院1期生として2年間学ぶ。 会社ではDX推進を担当し、システムを活用した業務の効率化を指揮。同社の次世代を担う逸材として、将来を期待されている。趣味はゲームとスポーツ観戦。会社の同僚たちとのコミュケーションツールとしても活用している。

── これまでのキャリアは?

大学生の時から、アルバイトとして当社で働いていました。大学卒業後は、ほかの会社で働く選択肢も考えていましたが、当社から誘いを受け新卒で入社することにしました。まずは事業を一通り経験するため、ゴミ収集、環境分析、施設管理等、様々な部署を回り、2012年に取締役に就任しました。

当社には、施設維持管理、水質検査等の膨大なデータがあります。しかし、そのデータを十分に活用できていませんでした。そこで私は社長の後押しをいただき、日本初のデータサイエンス学部を設置した滋賀大学の大学院1期生として、情報技術を学びました。現在は管理本部 全体を統括する取締役として... 続きを読む

企業情報

会社名

株式会社日吉

業界

不動産・建設系 > プラント・設備管理・建材

サービス系 > その他サービス系

コンサルティング・リサーチ > その他コンサルティング系

企業の特徴
グローバルに活動
資本金

2000万円

売上(3年分)

2022388億円

2020385億円

2019375億円

設立年月

1958年12月

代表者氏名

代表取締役会長 西野 桂子 代表取締役社長 村田 弘司

事業内容

分析検査事業
施設管理事業
工業薬品事業
環境保全事業

株式公開(証券取引所)

非上場

主要取引先

厚生労働省、国土交通省、財務省、農林水産省、環境省、防衛相、各都道府県、政令指定都市、他全国の自治体並びに広域組合、各種大学、民間企業

従業員数

346人

平均年齢

37.8歳

本社住所

滋賀県近江八幡市北之庄町908

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