ビジョンである「制限のない。ユニークなビジネススタイル」について教えてください。
社会貢献という形で世の中に貢献したい思いがあります。会社として存続していくからには、そうでなければならないと考えるからです。しかし、そのためには世の中の変化に素早く対応でき、個人のオリジナリティが十分に発揮できるフレキシブルな企業体である必要があります。だから、一つの事業、一つのエリア等、一つのところに拘泥するのではなく、制限のない、ユニークなビジネスや組織づくりをしていきたいという思いを込めました。 このビジョンを実現するためにも、一部の株主だけがいい思いをするのではなく、「日々の仕事を通して、社員が成長や幸福を実感し、私たちをとりまく社会とともに発展し続けます。」というミッションを掲げています。
代表取締役に就任する際、エム・アンド・アイをどのような会社にしたいと思いましたか?
私が当社に入社したのは2010年頃でした。前の会社で苦い体験をしたこともあり、当初は「楽しく働ければいい」と気楽なことを考えていたものです。それが、社長を務めることになった時、「きとんとした会社であらなければならない」と社員に対する強い責任を実感するように。その頃には新卒採用も始めていて、彼ら彼女らを路頭に迷わせるわけにはいかないと思いました。 世の中には、社員を単なる労働力としか考えず、会社が上げた利益は自分のものだと勘違いしている経営者もいますが、そうであってはいけません。一生懸命仕事をすれば、年に1度は家族で海外旅行へ行けるような会社でありたいと思うのです。そういったぼんやりとした思いを明確な文章にして、社員全員で共有したいと考え、2022年にビジョン、ミッション、行動指針を策定しました。
社員に期待することを教えてください。
当社での仕事を通じて、自己実現してほしいです。私自身も仕事を通じて、いろいろなものを得ることができました。仕事における経験や人脈、考え方……。そういったものがなければ、当社に来ても、何もできなかったはずです。そもそも、15年ほど前には私が会社の代表になるなんて、これっぽっちも考えていませんでしたから。 社長になり、社員の成長実感や働きやすい環境の整備、自己実現のサポート等、やるべきこと、やりたいことが次々と出てきました。この思いを存分に実現していくため、2022年に前オーナーから株式を取得して実質的なオーナーになりました。一番重要な経営資源である社員に投資するためには、今の立場が必要だと考えたからです。
笹治様の仕事観はどのようなものですか?
私にとって、仕事はライフワークです。お客様とは友人のようなお付き合いをしていて、よくゴルフへ行っています。土日に一緒に遊んだり、飲みに行ったりすることも珍しくありません。同じような働き方を社員に求めたりはしませんが、私は公私が交じり合ったような働き方をしています。 また、「あまり欲しがらない」というのも私の考え方です。例えば、景気が良くなると受注額を上げてほしい、とお客様にお願いする会社が少なくありません。しかし、私はお客様との関係はギブアンドテイクだと思っているので、そういうことはあまりしません。その代わりに、経験の浅い若手をプロジェクトチームに入れることを了承してもらい、実務の中で人を育てる環境を整えるようにしています。これならお客様は調達コストを安定させることができますし、当社は人材育成を促進することができます。長い目で見れば、このやり方の方が企業成長に繋がっていくとも考えています。
エム・アンド・アイをどのような会社にしていきたいとお考えですか。
当社の特色を出していき、そこに共感してくれる仲間を増やしていきたいです。そこから生まれるシナジーや熱量みたいなものが会社に勢いを付け、社員一人ひとりの「どうありたい」「何かしたい」という思いを刺激するような会社にしていきたいと思っています。 当社は、様々な局面において、数多くの人達に支えられながら存続してきました。その中には、当然、社員も含まれています。そういった人達に恩を返していきたいと考えています。社員をはじめとした関係者に幸福を実感してもらえるよう活動しつつ、社会にも貢献していきたいですね。そうすることで、当社の一員であることを社員が胸を張って誇れる会社になると思います。