株式会社CASMホールディングス

社員との適切なコミュニケーションを通じて、エンジニアが安心して働ける環境の整備に勤しむシステム開発会社が大阪にある。システム開発、広告デザイン、ECサイト運営等、様々な分野で情報技術力、マネジメント力、コミュニケーション力、創造力を活かした事業を展開する、株式会社CASMホールディングスだ。

社名からも分かる通り、同社は4つの企業からなるITグループ。
・株式会社クリーブウェア
・株式会社セカンドセレクション
・株式会社メディアバーン
・株式会社クリーブウェア・マーケティング

クリーブウェアとセカンドセレクションは、クラウド、IoT、AIをテーマにした企業向けの受託開発を手掛けるシステムインテグレーター。クリーブウェアは、AI、IoT、システムインフラ開発における高い技術力を強みとし、国内大手メーカーや国内金融機関との取引を中心に事業を拡大してきた。今後は『かんたんトレードサービス』をはじめとする自社サービスの拡大を目指している。

セカンドセレクションは、エッジとクラウドのソフトウェア開発を強みとして、IoTゲートウェイ開発、WebアプリケーションフレームワークによるSPA・SSR開発等、多数の実績を有し国内大手メーカーや大手企業との取引を中心としている。今後は、データ活用を前提とした「IoT：エッジクラウド」の提案、IoTソリューション提供を目指している。

メディアバーンは、広告デザインや、UXデザインの企画・開発をはじめ、Webコンテンツの企画・開発やパンフレットの制作等、デザイン関連の業務に幅広く対応。国内大手メーカーとその関連企業との取引を手掛けている。

クリーブウェア・マーケティングは海外向けEC事業を営み、ECサイトの運営や商品の仕入れ、出荷、顧客対応までを担う会社として、2017年にクリーブウェアから分社化した。

「『かんたんトレードサービス』は、海外に販路がない企業向けの越境ECサービスです。売上に応じた手数料だけ、月額使用料0円で海外向けECサイトへ出品ができるサービス。画像と紹介文をアップロードするだけで、AI翻訳してサイト内に出品できます。顧客対応、購入手続き等は全て当社で代行。日本語だけで海外向けECサイトを通して、自社の製品を世界のユーザーに販売することができます」（企画管理部部長 丸岡慶士氏）。

同社は、2022年11月1日より持ち株会社体制に移行し、現在の体制になった。その背景にあるのはIPOだ。2027年の上場を目指して組織再編を実施し、グループ全体で各種制度や福利厚生を共通化していく計画だ。

「同社の中核企業であるクリーブウェアは、能力のあるエンジニアが正当な評価と待遇を受けてキャリアを築き、豊かな生活を獲得できる会社を目指して設立されました。代表の角北は、独立系のSIer出身の人物で、エンジニアが正当な評価と待遇を受けていないことを、IT業界全体の問題点だと考えていました」（丸岡氏）。

『かんたんトレードサービス』を開発して、越境ECプラットフォーム事業に乗り出したのも、受託開発だけでなく自社サービスを提供することで会社が次のフェーズにステップアップできると考えたからだ。『かんたんトレードサービス』以外にも、自社プロダクトの開発・提供を進めている。

『かんたんプリペイドサービス』は、音楽系事業会社とのタイアップ企画。ミュージシャンやアイドルがツアーを回る際、アーティストのグッズを販売する「物販」が大きな収益源。持ち込んだ商品が品切れとなり販売機会を失わないためのサービスが『かんたんプリペイドサービス』だ。

「物販の商品が品切れになっても、会場でチケットを販売して、そこに記載されているQRコードを読み込むことで自宅に商品が配送される仕組みです。ECサイトを案内しても結局注文がこないという悩みを解消できます。ライブでの興奮が冷めないうちに、物販を確実に買ってもらうことで、収益アップが見込めます」（丸岡氏）。

音楽アプリブランド『@Beat!』シリーズも同社が展開する自社サービス。楽譜管理アプリ『Mr.Lyric』は、有名ロックバンドとのタイアップ。アーティスト本人が求めていた楽譜管理アプリを商品化した。

「有名ロックバンド「ユニコーン」のメンバーと要件定義をして開発したのが『Mr.Lyric』。スマートフォンやタブレット端末で楽譜を管理し、ライブ毎にセットリストを作成してそのままステージ上で使えます。オンラインストレージサービスとの連携機能で、ストレージ容量を圧迫せず、PCからの楽譜の取り込みもクラウドを使って簡単でスピーディ。楽譜に書き込みもできて、アーティスト名・曲名・アルバム名・タグ名を付けると目当ての楽譜を簡単に見つけられます。アーティストご本人が求めていたアプリを、そのまま形にしました」（丸岡氏）。

受託開発をメイン事業としながら、自社サービスを開発して事業ポートフォリオを確実に拡げてい同社。自社サービスのアイデアは、社員の発案。社内アイデアコンテストで認められれば、自分のアイデアを開発するチャンスがある。

「『Mr.Lyric』は、当社社員の幼馴染みが、有名ロックバンドの元マネージャーだったところから始まったプロダクト開発です。その社員が幼馴染みと何か一緒にビジネスができないか考え、『Mr.Lyric』が生まれました。その後、チューナーアプリ『@Tuner』とメトロノームアプリ『@METRONOME』も開発されました」（丸岡氏）。

エンジニアが正当な評価と待遇を受けてキャリアを築き、豊かな生活を獲得できる会社を目指して設立されただけあり、同社は社員とのコミュニケーションを通じて、エンジニアが安心して働ける環境を提供することをミッションとしている。

「お互いにコストを掛けて入社してもらったエンジニアたちに、できる限り長く働いてもらえるように会社と社員のコミュニケーションを大切にしています。2022年の離職率4.2%、新卒社員の3年定着率は80%。エンジニアが辞めない会社です。勤務日数の6割までリモートワークOKで、平均残業時間は月間約24.8時間、有休取得率は65%です」（丸岡氏）。

地下鉄御堂筋線「中津駅」徒歩1分の距離にデザイナーズオフィスを設け、オフィスはフリーアドレスで服装はビジネスカジュアルOK。役職ではなく名前で呼び合う「さん」付け運動で、フラットな組織は社内の風通しも良く、皆で社員旅行に行くなど、社員同士が仲の良いカルチャーを醸成している。ゴルフ部、ボードゲーム部等の部活動もあり、レクリエーション費や飲み会補助で社員同士の交流を会社がバックアップしている。

妊娠中の通勤緩和措置や通院休暇、産前産後休暇といった母性保護制度、出産後も育児休暇や短時間勤務制度があり、実際に取得実績も豊富。現在も子育て中の社員が活躍中。子どもの学校行事や不妊治療等で使えるライフサポート休暇を月に1日付与して、ワークライフバランスの充実もサポートしている。

「安心して働ける会社にすることでエンジニアは仕事に集中でき、それは会社の業績アップに繋がります。2年に一度、従業員満足度調査を実施し、その中で色々な意見が出てきます。社員の声に耳を傾けて制度を設計しています。社員が稼いでくれたお金をいかに社員に還元できるかが経営の責任。できる限り無駄なくエンジニアに還元できるように、会社は社員とのコミュニケーションを大事にしています」（丸岡氏）。

若手育成制度や資格取得一時金制度、社内勉強会が充実しており、キャリアアップが望める環境がある。キャリアが浅いエンジニアのチャレンジも歓迎しているので、安定した環境がある成長企業でキャリアを築きたいエンジニアは、同社の門を叩いてみてはどうだろう？