ご略歴をお教えください。
北海道札幌市出身で、大学の電気工学科卒業後、エル・エス・アイ ジャパンの札幌支社に開発エンジニアとして採用されました。配属先は東京の開発部で官公庁向けの製品開発や放送局向けの専用設備にも携わりました。また、同社はいろいろな領域に範囲を広げていて、私も新しいタイムレコーダーを開発するプロジェクトにアサインされました。そこで筐体や基板設計を手掛けた実績を買われ、2011年にエル・エス・アイ ジャパンのパッケージ部門がピー・シー・エー株式会社に事業譲渡され、クロノス株式会社として設立された際に、現会長の濱田に声を掛けてもらったのです。当社にはほかにハードウェアのエンジニアがいなかったので、思い切り挑戦できそうだと思い、加わることにしました。 しかしながら、タイムレコーダーは開発済みで、当時はこれといった仕事がありませんでした。ちょうどその時、経費削減のために製品の発送業務を社内で行うことになり、私と経理担当の二人が担当することになったのです。与えられた作業スペースは、前の会社が転出したばかりのスケルトン状態で、冷暖房がなくコンセントも1カ所という劣悪な環境で苦労しました。また、会社を立ち上げた当初で、カスタマーサポートの電話対応等、営業以外の仕事は何でも行いましたが、今振り返ればいい経験だったと思います。その後、業務部(現管理部)の部長と開発部の部長を兼任し、今に至ります。
2020年6月にクロノスの社長に就任した際、どんな会社にしていこうと思いましたか?
当時は社員数が増えて、社内コミュニケーションが希薄化し始めていました。そんな時にコロナ禍となり、急遽リモート体制となって拍車が掛かってしまいました。そこで、また原点に戻り、みんなで一つの製品をつくり、磨き上げていく風土をつくろうと決めたのです。今は職種ごとに分業化していますが、効率は良くなっても視野が狭くなるきらいがあります。そのため、いろいろな職種が闊達にコミュニケーションし、情報やアイデアを交換し合えるようなオフィスをつくることにしました。リモートワークは止めませんが、みんなが出社したくなるオフィスをつくります。また、既に始めている「e-スポーツ部」や「ゴルフ部」等、同好会活動も促進していきます。 社会に対する当社の在り方としては、お客様に自社のソリューションを通じて従業員の勤怠状況を分析・対処し、申請・承認業務のデジタル化を通じて生産性を高め、ひいては業績向上に繋げていただける、そんな礎となれるような存在を目指します。 また、ベトナムにオフショア開発を依頼しているのですが、一緒に開発をしている中で同国でも勤怠管理のニーズが高いことが分かりましたので、将来的にベトナム版のソリューションを作れるのではと試行錯誤を繰り返しています。
大牧さんの仕事観をお聞かせください。
一つ目標を決めたら、最後までやり抜くことが大事だと考えています。自分で決めた目標には、どんな過程を経たとしても、最後まで必ずやり切ることを心掛けています。 申請・承認クラウド製品の『X'sion』(クロッシオン)の開発を任された時、とんでもない額の外注費を使いました。親会社に「将来への投資になる」とプレゼンして強引に認めてもらったのですが、その影響で会社は半年ほど赤字が続きました。開発業務も過酷となって、1年で数日しか休めない状態となりました。けれども、最後までやり抜いて完成させると、この製品が起爆剤となって150%の成長に繋がったのです。もちろん、「働き方改革」という時の運もありましたが。 だからこそ、社員には「最終責任は社長の私が取るから、結果を気にせず自分がやりたいと決めたことは最後までやり抜いてほしい」と言いたいです。当社の社員は真面目で慎重なタイプが多いので、積極的にチャレンジする者が出てきてほしいと思っています。
社員に対して、御社でどんな仕事をして活躍してほしいかの思いをお聞かせください。
当社は年2回の賞与のほかに、決算賞与も実施しています。毎年度の利益額によって3回目のボーナスとして還元しているわけですが、社員が「こうすればもっと良くなる」と意見を出し合っていい製品をつくり、売れれば自らに返ってくるのです。今は在宅勤務が増え、自由時間も増えているでしょう。そんな時間を有効に使い、仕事を充実させ、ぜひそんな成果に繋げてほしいと願っています。 完成品を手掛ける当社の開発者には、自分がつくったものがお客様にどう評価されているか、反響がダイレクトに返ってきます。今、部品づくりに携わっていることで、ユーザーの反応が分からないことが不満な人には最適な職場といえるでしょう。また、前述の通り、いい製品をつくれば自分に返ってくるので、向上心のある人にはやりがいがある環境だと確信しています。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
ゴルフを始め、もっぱら週末は代理店や取引先等とラウンドしています。始めて2年目で、ようやくスコアは100を切ったところなので、誘ってもらいやすいのかもしれません。1日ずっと一緒に過ごすわけで、仕事に繋がるリレーションがつくれる機会だと実感しています。 それ以外では、寸暇を惜しんで対戦格闘系やオープンワールド系のゲームをしていますね。