会社を立ち上げた経緯は?
16歳から社会に出て、様々な仕事をしてきました。18歳で輸入販売会社の営業を経験。21歳で販売代理店として独立。輸入品の販売や通信回線の営業代行といった、いろんな商材を扱っていました。会社は利益を稼ぎ出していましたが、美容業界でビジネスがしたいという思いを叶えるために、会社をたたんで大阪から上京。ヘアメイクの仕事を学びながら、ダブルワークで資金を貯め、2009年、27歳の年にヘアサロンを開業しました。 2013年に法人化して、美容業界に特化した人材紹介サービスを始めました。ヘアメイクのスタイリストを、サロン以外の現場に派遣する仕事。ECサイトやブライダル関連の撮影で、モデルの髪型をセットする人材をスポットで紹介するビジネスです。ヘアメイクの人材紹介サービスで、派遣するスタイリストに技術を教えるために、動画コンテンツを制作したのが、現在の『HAIRCAMP』のビジネスの源流です。
オンライン学習プラットフォーム『HAIRCAMP』の立ち上げ経緯は?
ヘアメイク人材紹介サービスのビジネスでは、スタイリストが数百人も登録していました。しかし、ヘアメイクの技術や接客レベルにバラツキがあったため、サービスの平準化が必要になり、スタイリストに一定の教育を施すことにしました。動画コンテンツで教育した結果、お客様からの反応が良く、クレームの数も大きく減りました。そこで、動画コンテンツでヘアメイクのスキルを教えるサービスとして、2016年にオンライン学習プラットフォーム『HAIRCAMP』を立ち上げました。 最初はヘアメイクの技術を教えるコンテンツが中心でしたが、登録してくれた人達の大半が美容師でした。カットやカラーの技術が学べる動画コンテンツも視聴したいというニーズに応え、翌年には、美容師向けに技術紹介する動画コンテンツを加えました。それがどんどん進化してカリスマ美容師によるライブ配信やオンラインセミナーを中心とした、現在の『HAIRCAMP』の形になったのです。
業界最大規模のプラットフォーム『HAIRCAMP』の成功の要因は?
『HAIRCAMP』のサービス提供開始前から、美容師向けのオンライン学習プラットフォームはありました。『HAIRCAMP』が他社のサービスと違ったのは、講師を務める美容師に金銭面で還元する点にこだわったこと。美容師が習得した技術で、本業以外に稼げる場を作ろうと決めて、プラットフォームの開発をスタートしました。 成果報酬型で美容師に還元しているため、カリスマ美容師達が自分の持つ技術を、動画で全国の美容師に惜しみなく提供してくれました。美容師の活動支援が『HAIRCAMP』のミッション。動画コンテンツで技術を学ぶことで、全国の美容師が自分の価値を高められるのと同じくらい、カリスマ美容師と呼ばれる高い技術を持つ美容師が、しっかりと稼げるビジネスモデルにしました。 2020年に中国の同業他社とアライアンスを提携し、お互いのアセットを活用して、アジア圏の美容業界のスタンダードを創造します。海外との業務提携により、『HAIRCAMP』は講師とユーザーに対して、様々なものを還元できると考えています。
『HAIRCAMP』が海外進出をした理由は?
日本の美容業界が持つスキルやノウハウ、経験、商品を海外に広めたいと考えています。日本の美容師は高い技術力を持っており、「おもてなしの心」もあります。世界の美容業界で、日本の美容師が与えられるものは、沢山あると考えています。それを届けるためのプラットフォームを開発し、世界中に広めるのが当社の役割です。 日本の美容業界のマーケット規模は、2兆円といわれています。けれども、日本経済に合わせて年々シュリンクしており、国内マーケットでシェア争いをしても成長は見込めません。海外に目を向けることで、マーケット規模は大きくなります。 コンテンツを提供してくれる美容師達へは、高い還元率を実現しています。動画投稿サイトで動画をアップして収益を稼ぐよりも、はるかに効率的に稼げます。『HAIRCAMP』に動画を提供してくれる美容師には、1回の再生当たり「92円」をお支払いしています。他の動画プラットフォームではあり得ない金額です。海外へマーケットを広げることで、日本のカリスマ美容師がどんどん稼げます。
仕事や日々の生活で大切にしていることは?
自分の強みを意識して、それを大切にすることです。自分の特性を真摯に分析して、「やれること」「やりたいこと」を明確にする。物事が失敗する主な要因は、自分にマッチしていないことをやるからだと思っています。人には得手不得手があり、性格や考え方も千差万別。自分に合っていることもあれば、合わないこともあります。できる限り、自分にマッチしたことを生業にするのが賢明なチョイスだと考えています。社員がパフォーマンスを発揮できないのも、仕事にマッチしていないからだと思います。そんな時は、上司や先輩がその社員の相談に乗って、自分に合ったやり方を見つけてほしいです。 私は、自分の強みを「行動力」だと思っています。16歳から社会に出て働き、資金が乏しい中で起業しましたが、思い立ったら即行動の精神で、自らの人生を切り開いてきました。競合がいる領域で勝負ができる状況ではなく、まだ誰も解決策を見出していない社会課題を見つけ、解決するために行動する。『HAIRCAMP』はそうやって、少しずつ現在の地位を確保してきました。