株式会社レクリー

株式会社レクリーは、2019年設立のベンチャー企業。建設業界に特化した人材紹介事業で急成長している。

同社がサービス展開している『ジョブリー建設』は、施工管理技士のマッチングサービス。施工管理の仕事を探している求職者にマッチした建設会社を紹介する。2200社以上の建設会社と取引し、累計登録求職者数は11000名以上。毎月700名の新規登録数があり、業界No.1クラスの登録数を誇る。

2023年からは、新サービスとして、建設業界に特化した人材派遣サービス（『ジョブリースタッフィング』）、物流ドライバーに特化した人材紹介サービス（『ジョブリードライバー』）を展開。

人材紹介事業は、競合他社がひしめくレッドオーシャン。大小含めて多くの転職エージェントがビジネスを展開する中で、同社の『ジョブリー建設』が短期間で実績を上げているのは「施工管理技士」の紹介に特化したからだ。

レクリーがなぜこのような急成長を実現できているのか。その背景や取り組みについて、代表取締役の湯川大志氏に伺った。

「施工管理技士は、転職市場でも圧倒的に人材不足といわれている職種。施工管理技士の紹介に特化することで、当社は業界ドメインに精通し、求人企業と求職者のどちらの状況も理解して上でマッチングを進めることができます」

同社の『ジョブリー建設』が業界No.1クラスの登録数を獲得できているのは、施工管理技士を細分化しているから。「建築施工管理技師」「土木施工管理技師」「管工事施工管理技師」「電気工事施工管理技師」「造園施工管理技師」と施工管理技士でも職種は様々。求職者によって得意とする分野が違い、求人企業が求めている人材も違う。この違いを理解していないとミスマッチが起こる。

「当社はセールスとキャリアパートナーの両面担当制を採用しています。求職者と面談して働きたい会社についてのヒアリングをしたキャリアパートナーが、そのまま企業側の窓口になります。求職者の要望が当社に集まる求人とマッチしない場合は、ニーズに合った職を新規開拓します。ですから、高いマッチング精度を誇っています。それがお客様満足に繋がり、業界No.1クラスの登録数を実現できたと考えています」

また、同社はWeb集客を得意としており、求人企業のニーズを満たす求職者をWebで集めることで、クライアントに対しても高い価値提供が可能となる。

「当社のメンバーは、顧客に感動体験を届けたいという想いで仕事をしています。ベストマッチを追求する姿勢。第三者視点でのコンサルティング。機械的にマッチングするのではなく、経験豊富なエージェントが経験を活かして、クライアントである求人企業も求職者も満足するマッチングを目指しています」

創業6期目で、施工管理技士の転職ではNo.1クラスのエージェントに成長した同社。次の展開は、設計士などの専門職に特化した人材紹介サービスを、建設業界全体に広げる。そして建設業界以外にもITや医療といった他領域へも広げていく。既に複数のプロジェクトが動いている。

「2週間に1回、未知の領域で新規事業を立案するミーティングを設けています。新規事業の可能性を積極的に追い求めていきます。だからこそ、新規事業の立ち上げを任せられる人材を求めているのです。ビジネスの種はどんどん見つかっていますが、それを育てる人材が不足している状態です。他社での経験を活かして事業創造を推進してください」（湯川氏）

同社での仕事は、とにかく裁量が広い。「社会を変えることに没頭する組織を作る」というビジョンを掲げ、「プレイラーニング」「プロ意識」「組織で勝つ」「『WOW』を届ける」のバリューを設定。そして、その上にミッション“All for Joy”がある。同社での仕事は、全てが「楽しい」のためにある。

「当社は“楽しさ”を第一においています。それは、遊びのような“Fun”ではなく、何かに没頭して時間を忘れてしまうような“Joy”、喜びの感情です。学習・没頭・挑戦・達成・協力・貢献等から生まれる楽しさを味わいたいビジネスパーソンのための会社です」（湯川氏）。

仕事が「楽しさ」に繋がるために、同社では様々な工夫をしている。例えば、同社は作業の自動化を徹底している。ツールの導入や開発によって、単純作業を省力化する。そうすると、コア業務に時間を割くことができ、仕事に没頭して楽しさを感じられる。ツールで自動化できない業務でも、コア業務以外を任せられる人材を事務アシスタントとして置き、メンバーはコア業務に集中する環境を作る。そうすることで、価値を生み出すことができると考えるからだ。

「私は24歳で起業しました。他社で働くよりも自分でビジネスをしたいと思ったからです。ビジネスは楽しい。当社で働くメンバーには、同じ思いを共有してほしいと思っています。ですから、働く時間を濃密にするため、仕事に没頭するために、会社はあらゆる工夫をします。仕事をどんどん任せていくので、存分にビジネスを楽しんでください」（湯川氏）

働く時間を濃密にするため、仕事に没頭するため、ビジネスを楽しむために、同社は会社の制度や働き方を工夫している。

その一つがハイブリット勤務の働き方。
オンライン環境さえあれば、どこでも仕事ができる工夫をしている。

「ハイブリット勤務を選んだのは、合理的な働き方だと思うからです。ハイブリット環境の方が、業務にも集中でき、無駄な通勤時間も削減できます。メンバー間のコミュニケーションがネックですが、バーチャールオフィスを設けていつでもメンバー間で話せるようにしています。オンラインで集まる機会も会社で積極的に作って、リモートワークのデメリットを乗り越える試みもしています」（湯川氏）

現在、同社のメンバーは53名だが、社員が10名に満たないフェーズで等級制度・評価制度・給与制度を整えた。同社のバリューにある「組織で勝つ」を実現するには、組織運営も大事だと考えるからだ。

「小規模なスタートアップは、成長を優先するあまり組織の整備を後回しにしがちですが、当社は社員が仕事を楽しむために、ベンチャーですが組織整備をしっかり進めます。楽しく働くには、透明で正当な評価や給与制度が必要です。事業が急成長しているのでポストも空いています。当社は年に3回、昇進・昇給のチャンスがあり、スピード昇進も可能。運用コストは掛かりますが、フィードバックを頻繁にすることで、会社とメンバーの成長をブーストできます」（湯川氏）

仕事を楽しむために必要なことは、どんなことでも徹底する。それが、同社のやり方。メンバー全員が組織改善に携り、働きやすい会社を作り上げる。

「ハイブリット・フルフレックスなので、情報共有コストが掛かります。そのため、情報の見える化・言語化を徹底しています。楽しく働くためには情報をオープンにしなければなりません。経営フェーズの情報まで共有するからこそ、メンバーは自分事として仕事を楽しむことができます。会社が持つ全てのデータを社員に公開しています。新しく入ってきた人も事業創造だけでなく、組織のブラッシュアップにも積極的に参加していください！」（湯川氏）

湯川代表は27歳。メンバーの多くも同年代。同社は、若い世代の働き方にマッチした会社だ。フレッシュな感性を活かして思いっ切りビジネスを楽しみたいビジネスパーソンには最適な会社だといえる。