ご略歴をお教えください。
2005年に大学の情報科学科を卒業後、40名ほどのシステム開発会社にプログラマーとして入社し、金融系のシステムやタッチパネル等の組み込み系の開発に3年ほど携わりました。その後サービス企画を手掛けたくなったのですが、プログラマーからいきなりやらせてくれるところはないだろうと考え、ホームページ制作ディレクターをやろうと100名ほどのWeb制作会社に転じます。そこでも3年ほど働き経験を重ねたところで、いよいよ念願のサービス企画の仕事に就こうと思い立ち、主にスマートフォンアプリ開発を手掛ける90名ほどのITベンチャーにプランナー/ディレクターとして移りました。その会社の挑戦を楽しむ前向きな勢いが好きで結果的に6年強勤務し、最後は執行役員を務めました。 執行役員として念願のサービス企画の仕事を進められることに楽しみを感じながらも、当時の会社の最重要事項であったIPOと収益拡大のために次々に事業を立ち上げ、一部が生き残り、後は潰すといった繰り返しを行っていたことによって、自らを消耗させている感覚がどんどん強まっていったのを感じていました。そして、自分は何を大切にして仕事に向き合いたいのかをより深く考えはじめました。 それまでは、バイクレーサーというお金のかかる趣味があったのでお金を稼ぐことに関心があり、手に職を付けようとプログラマーを目指し、サービス企画へのステップアップを目指したわけですが、お金儲けを目的に動いて上手くいった試しがありませんでした。お金は結果に過ぎないと。そこで何を目的にするか・・・3カ月ほど考えて残ったのが「思いやり」というキーワードでした。 自分はたまたまプログラマーになり、たまたま仕事に恵まれ、たまたまこうして生きている。一方で、たまたま時代や国や家族や自らの事情で苦しんでいる人もいる。ならば、みんなが支え合える世界を目指した方がいいのではないか。自分がお金を稼ぐことが目的ではなく、使う人が幸せを感じる、思いやりのあるものづくりを志そうと考えたのです。でもそれは当時在籍していた会社の方向性とは違っていたので、2017年に独立して当社を設立したという経緯です。
御社を創業して、どういったことが実現できましたか?
「思いやりのものづくりを通し、全従業員、全人類、全生物の幸福に貢献することを目指す。」という理念を掲げて当社を設立し、7年目を迎えています。掲げた目標が大き過ぎることもあって、正直、全然まだまだ実現できていないと感じています。けれども、事業は直近の3年間で36%、61%、127%とハイペースで伸びています。理念はお金儲けを全くといっていいほど意識していませんが、結果的に最良の成長戦略になっているのかもしれません。 大変ありがたいことに、大手上場企業のお客様3社と直契約させていただくなど相談件数が増える一方ですが、求められているのはメチャメチャ尖った技術よりも、寄り添う姿勢であると感じています。また、社員も自ら事業を手掛けている契約社員が契約期間満了で退社した以外、一人も辞めていません。 この考え方を地道に続けていけば、理念に近付くことができると確信しています。
貝沼さんの仕事観をお聞かせください。
我々がつくるモノを使う人が幸せになること、自分と接している人が幸せになることが仕事の目的と考えています。お金は仕事の目的ではなく、結果です。
社員に対して、御社でどんな人生を過ごしてほしいかの思いをお聞かせください。
メンバーそれぞれが幸せな生涯を送ってほしいと願っています。そのためにはお金も大事ですが、全てではないでしょう。家庭も大事だし、プライベートの時間も大事です。お金を稼ぐことに走ることで、家庭やプライベートを壊しては意味がありません。バランスが大事だと思いますが、会社としてはメンバーが全生活において幸せになることをフォローしていきたいと思っています。 よって、当社の理念に近い考え方を持つ求職者の方と、ぜひ話をしてみたいと思っています。なお、当社社員の平均年齢は40歳ぐらいですが、人生でいろいろと苦労した人も集まっています。人の痛みが分かる人ばかり、と言えるでしょうか。そんなメンバーとも話してみてほしいと思います。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
ちょっと大型のチワワを飼っていて、チワワとの散歩が日課になっています。あとはジムで体を動かすことが好きですね。