木村社長の幼少期から青年期にかけてのエピソードをお話しください。
私の多可志という名前は、「多くの可能性を志すような人間になってほしい」という想いで付けてもらいました。私自身、この名前は好きでして、幼少期からそういう生き方はしてきたつもりです。常に選択肢を広げていきたいという人生観の下、いろいろなチャレンジをしながら経験を積んできました。 特に、大学時代は視野を広げたいという想いから、様々な課外活動をしていました。特に力を入れて取り組んだのは2つの活動です。1つ目は政治の世界に飛び込んでみたいという想いから、NPOの団体に所属し、地元議員の秘書業務に関わりました。そこで若いなりに社会の構造を学びました。2つ目は、メディアにも興味がありましたので、自身でラジオ番組を作る団体を立ち上げました。企画を作って、ラジオ局に持ち込んだところ、番組の枠をもらい、2年間団体の冠番組を持って運営するという経験を積みました。 起業の意志が芽生えたのも学生の頃です。もともと父親が自営業を営んでいましたので、会社の経営や独立することは比較的身近に感じていたことも影響しています。新卒でヘッドハンティングの会社に就職したのも、成長スピードを重視し、経営者と対峙できる仕事だったからです。
御社のビジネスはコーポレート部門が重要な鍵を握っているように思います。スキルの高い方を集めておられるのですか。
確かにコーポレート部門の業務は難易度が高いと思います。しかし最も重要なことは明確な経営方針です。優先順位を決めて、適切に経営の意思決定を行うことが大切でして、その前提にあるのが、我々はココロザシを持ったエンジニアのプラットフォーマーとして、最高のプラットフォームを作っていくのだという想いです。当社のコーポレート部門は、前職時代の知人が3名で、それ以外は一般のキャリア採用で入社したメンバーですが、それぞれが少なからず当社の想いに共感して、プラットフォームを作る側に回っていきたいという意志を持って集まっています。その想いがあるため、実現に近づいているのだと考えています。 当社のビジネスのベースは、あくまでも信念や考え方、ビジョンです。もちろん、そのために必要な能力はあると思いますし、私自身が前職までに培ったスキルも影響はしているかも知れません。しかしそれらも重要度は低かったと想います。我々のプラットフォームに必要な要素もいろいろありますが、それは足りないスキルを補うだけの事象でしかありません。信念、経営ビジョンが明確であることが重要です。 それは創業時点で確信を持って会社を立ち上げました。創業5か年計画を立ててスタートしたのですが、実際に想定通りに来ましたので、その仮説は間違っていなかったと考えています。
今後の事業展開をお話しください。
短期的には、まず営業的なフックを強化するために、AWSの領域の比率を上げていきたいと考えています。具体的に言えば、パートナーのランクがありますので、それを1つずつ上げていく計画です。また、受託開発事業の比率も上げていきます。もう1つは、自社プロダクトのリリースに向けた動きも始まっています。 規模的な指標としては、2023年度中に50名を採用します。その後、5年間で倍の300名ぐらいまではクオリティを落とさずに増やせるのではないかという仮説を立てていますが、そのような量的な指標は、絶対に達成しなければならない目標ではありません。会社の規模や売り上げ、利益など一般的な経営指標は、あくまでも目安でしかありません。 ただ、エンジニアに事業収益を還元するという意味で、平均年収の目標は高く設定しています。そのバランスが崩れない成長の仕方を考えた時、一気に500名に増やそうとすれば、おそらくその目標は実現が難しくなっていくと思われますので、そこのバランスは考える必要があります。 当社はエンジニアのキャリア形成に重点を置く考え方がぶれることは一切ありません。それがどのような状態かを考えれば、ある程度、どのようなキャリアになるかは見えてきていますので、それに対して担保すべき平均年収は算出できます。そこをロックして初めて確保すべき売上金額や従業員数が算出可能ですし、事業構成も見えてくる。そういう順番で考えています。
将来的にはSES事業以外の領域を広げていくお考えですか。
事業計画には載せていますが、本質的にはあってもなくても良いというのが正直な想いです。もちろん一般的なビジネスモデルとして考えれば、それぞれにメリットとデメリットはあります。しかし、当社の場合、エンジニア一人ひとりのキャリアを作ることが最終的な目標ですので、SESも受託開発も、さらに自社プロダクトも単に環境の違いでしかありません。 ただし受託開発をスタートさせたのには明確な理由があります。2022年4月に受託開発をスタートさせたのは、創業以来約3年間、SES事業を中心に行ってきた中である気付きがあったからです。ココロザシの社員同士が協力し合う環境の方が、プロジェクト全体の生産性や成功率が上がるということが見えてきたのです。私たちが大切にしている価値観の下、優秀なエンジニア同士が共闘することで成功に結びつく。それまでチームを組むことに注力していませんでしたが、その気付き以来、プロジェクトにチーム単位で参画させるようになり、さらにチームを作りやすい形は何かと模索した結果、受託開発がやりやすいという結論に至りました。 一方、自社サービスは、対外的、対内的、両面から取り組み始めています。対外的にはブランディングの一環という意味合いがあります。対内的には、エンジニアのキャリア成長支援プラットフォームを作る計画がありまして、どちらかというと私たちの考え方をプロダクト化したものです。マネタイズの計画はありません。 いずれにしても、一人ひとりのキャリアを最大化させるためのツールが自社プロダクトならやるべきだし、SESならそれを強化すべきだという風に考えています。
採用の基準をお話しください。
創業以降、2期目、3期目、4期目と年々、エンジニアの数が増え、サンプルが貯まっていく中で、お客様からご評価いただけるエンジニアの傾向が掴めてきました。我々が解決すべき課題は何かということも共通項が見えてきましたので、それを言語化し、“プロフェッショナル”、“志”、“チームワーク”の3つの領域からなる『ココロザシバリュー』という行動指針をまとめました。これらの行動指針は採用の際の指針でもあります。 ただ“志”に関しては「こうなりたい」と明確に固まっている人は少ないだろうとは思っています。環境ゆえに志を持つことを諦めたり、持てなかったりする人も確実にいますが、自分なりに仕事観を持ち、現状に何かしらもどかしさや不満を持っている方は、伸びていく可能性はあると思います。何となく「今のままでは駄目だ」「もうちょっと技術を伸ばしたい」と思いながらもどうして良いかわからないという方はすごく多いと思いますので、そういう方は歓迎します。 スキルアップ、キャリアアップするなら当社だという自負はありますし、我々としてはやっていることが間違っていないという確信も持っています。実際に入社した方々も成長していますし、先行投資として財務状況が許す限り働きやすい環境も作っています。ただ言葉で表現するだけなら他社との違いは伝わりません。当社は『ホワイト企業認定』や『働きがいのある会社』という国際的な機関の調査を受けて認定されるなど、第三者からもご評価いただいていますので、ぜひ安心してご入社ください。