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インタビュー画像リーダー(ソフトウェアエンジニア)小林 太一氏 大学で情報工学を学び、卒業後はソフトウェア系の会社等2社での勤務を経て、2011年にスマートフォン用ゲーム開発等を手掛ける会社に転職。ソーシャルゲームを開発する傍ら、個人でハイパーカジュアルゲームの開発にも携わる。その知見を生かして世界で支持されるカジュアルゲームを開発するため、2018年に株式会社マジカント(現・株式会社ゲーミンキャット)にジョイン。ゲーム開発チームのリーダーに就任し、現在に至る。

まず、貴社にジョインされた経緯を教えていただけますか。

以前勤めていたスマートフォン用ゲーム開発等を手掛ける会社では、ソーシャルゲームの開発チームに配属されました。平日は会社のチームで開発に携わりながら、プライベートの時間を使ってソーシャルゲームの開発をやっていたのです。 その時、ちょうどハイパーカジュアルゲームのブームが訪れました。自分も世界中の人に使ってもらえるゲームを作りたい。そう考えて、人気ランキングの常連であるフランスのゲームパブリッシャーにコンタクトを取りました。「どうしたら自分のゲームはもっと良くなりますか?」と。一人で開発していたので、そういうこともフットワーク軽くできたんですね。するとその会社から回答があり、一緒にゲームを作ることに。そして改善を重ねてリリースしたハイパーカジュアルゲームが、世界約30カ国のランキングで1位になったのです。 そこで私の存在を知った当社の代表から「一緒にやりませんか」と声をかけてもらいました。

転職は大きな決断だったのでは?

すごく悩みました。既に当時結婚していて家族がいましたから、「家族に反対されるのではないかな…」と。でもフランスのゲームパブリッシャーの躍進ぶりを間近で見ていて、ハイパーカジュアルゲーム業界が世界中で盛り上がっていることはよく分かっていました。 また、自分自身が世界ランキングで1位を獲ったという成功体験も大きかったですね。今までそんな経験をしたことはなかったのですが、この成功体験によって何かをつかめたという手応えがあったのです。この手応えを基に、さらに世界中で支持されるゲームを作りたいと考えました。2018年当時の日本では、私が味わったような経験を持つ人材はそんなにいなかったはずです。だったらこのタイミングで、自分の経験を最大限に生かせる環境に思い切って飛び込もう、と。 幸い、家族は反対するどころか、むしろ背中を押してくれましたので、当社で世界にインパクトを与えるゲームを作る選択しました。

現在のお仕事について教えてください。

社内には四つのチームがあり、私はそのうちの一チームのリーダーを任されています。「リーダー」といってもマネジメントをすることがメインではありません。私自身がUnityエンジニアとして、もう一人のエンジニアと、デザイナーという3名のチームを引っ張っている状況です。「こういうゲームが面白そうだから作ろうよ!」と声掛けをして、メンバー全員で開発を進めています。主な開発対象はパズルのハイパーカジュアルゲームです。 ただし最近は、ハイパーカジュアルを進化させた「ハイブリッドカジュアルゲーム」がトレンドになっています。世界中の老若男女がすぐに楽しめる間口の広さはキープしながら、やり込めばやり込むほど深みが出てきて、思わず課金もしたくなる。そんなハイブリッドカジュアルゲームがこれから主流になってくると睨んでいます。そこでチームはもちろん当社全体としても、両方の開発に挑戦している最中です。

Unityによるゲーム開発は競合も多いですが、貴社の優位性は。

長年ハイパーカジュアルゲームに特化して開発してきた会社なので、社内にノウハウが蓄積されていることが大きな強みだと思います。そもそも「ハイパーカジュアルをやりたい!」という人材が集まっている会社ですからノウハウは豊富ですし、私個人としても実績を作りながらノウハウを培ってきた自負があります。 私個人についてもう一つ言えば、はじめにお伝えしたように私はソーシャルゲームの開発も経験してきました。それぞれのゲームに求められるものが、実は全く違うことを肌で感じています。その経験も、会社のノウハウとして昇華していきたいですね。 さらに私が強みだと感じているのは、広告業界出身者が経営層にいることです。良いものを作るのはもちろんですが、それだけでは世界に広まっていきません。ハイパーカジュアルゲームは広告と切っても切れない関係にありますので、経営層がマーケティングのノウハウを持っていることは大きいです。

最後に、小林様の仕事観を教えていただけますでしょうか。

私の仕事観は、実はけっこう現実的です。社会で生きていくためには、自分が何らかの価値を生み出さなければならない。そして、その価値をユーザーさんに届けることで対価をもらって生活し、また新しい価値を提供する…というベーシックな部分を大事にしています。 このサイクルは、あまり多くの人が関わってくると、見えづらくなりがちです。幸いスマートフォン用ゲーム開発等を手掛ける会社に勤務していた時も少人数で開発を進められたので、十分楽しめたのですが、今のチームは3名体制ですからもっと小規模ですよね。その小さなチームで作り出したものが「世界で1,000万回ダウンロードされた」となれば、自分が価値を提供できたことをダイレクトに味わえます。多くのユーザーさんが受け入れてくれているという事実があり、対価としてお金に還元されるわけですから。 昨日、自分が頑張ってやったことが、今日には結果としてダイレクトに返ってくる。これ以上私の仕事観にフィットする環境はありません。

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