取締役CTO　荒川 準也氏

ご略歴をお教えください。

東京都にある大学の理工学部経営工学科で、データを分析して船舶スケジュール等の無駄をなくす研究をしていました。卒業後は自動車メーカー系のシステム開発会社に入社し、データ分析業務に就きます。手掛けたのは、自治体が運営する乗り捨て一人乗りEVの利用状況を分析すること。例えば朝の通勤時間帯は駅前に多く置くといった配置の最適化です。そうした分析は自分でもすぐにでき、また継続受注を頂けたので、ならば自分で起業しようと思い立ち、1年未満で独立しました。 2018年12月にAIの受託開発会社を立ち上げたのですが、当初は営業の仕方が分からず苦労しました。そこで、学生や社会人向けのAIの勉強会を開催したのです。ここから仕事の獲得や、学生インターンの採用に繋げていきました。業務としては、ベルトコンベア上の異物を検知するAI開発や、最適な材料配合のためのMI（Materials Informatics）のシステム開発等を手掛けました。 その会社でインターンをしていた学生が、当社代表の渡邉昂希が経営していたスイミングスクール向けメディア企業でもインターンをしていたのです。その学生を通じて渡邉と知り合い、渡邉の顧客であるスイミングスクールが、会員が溺れないための監視業務に悩んでいるという話から、動画解析による監視サービス『GYM DX』の開発に結び付きました。PoCの結果、いけそうとなったので、それぞれの会社を運営しつつも、新たに当社を設立したという経緯です。

御社をどういう会社にしていこうと考えていますか？

私も個人的にフィットネスが大好きで通っているのですが、『GYM DX』の用途は現在のメインクライアントであるフィットネスジムにこだわる必要はないと思っています。コアテクノロジーである動画解析は、もっと広い社会問題解決に役立つと思えるからです。 例えば、現在PoCを行っている介護施設。利用者である高齢者は増える一方、介護スタッフの人手不足が深刻化しており、省力化は待ったなしの状況です。介護施設は家同様の居住環境として監視カメラが馴染まなかったのですが、そうも言っていられない状況になりました。そこで、入居時の規約で監視カメラがあることを前提としている施設が増えています。こうした施設に、当社のプロダクトを活用できるのです。 さらに、人手不足はあらゆる業界にわたる大きな社会問題となっています。当社の動画解析技術がその軽減に役立てることは間違いないと自負しています。

そのために社員に対して期待することや、社員が御社でどんな人生を過ごしてほしいかの思いをお聞かせください。

ずっと当社で活躍してもらいたいと思うものの、別のところでステップアップを図りたいメンバーも出てくるでしょう。ならば、どこでもやっていける能力を当社で身に付けてほしいと思います。その点、特にエンジニアにとって、当社は幅広い技術や知識を身に付けることができるポテンシャルがあります。クラウドにもタッチしますし、エッジコンピューティングも手掛けます。これから監視カメラ等のエッジ化が進展すれば、引っ張りだこの存在になれるでしょう。さらに、当社はカメラというハードウェアも扱うので、現場に設置する業務を通じてお客様との交渉も担います。SaaSベンチャーでそこまでやれるところはそうそうないのではないでしょうか。

荒川さんの仕事観をお聞かせください。

個人的に、カメラやセンサーというハードウェアを使って収集した動画データを解析することが大好きです。こうした自分のコアスキルを活用して社会課題を解決することに生きがいを感じます。これはエゴに近いのですが、社会にインパクトを残すことができ、自分が生きた証しを残す感覚があるからです。それ以上に、そうしたソリューションを活用してもらい、人から喜ばれることに手応えを感じたいと思っています。

オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？

今は週3日、朝の出勤前にジムに行ってベンチプレス等をしています。ゴルフも始めました。時間がなくてなかなかラウンドできないのですが、スコアはまだまだ伸びしろが沢山あり、ハマり始めています。また、中学、高校と野球をやっていたのもあり、チームスポーツが非常に好きで、みんなと一緒に高めていくプロセスが好きですね。自分だけ強くなっても勝てないので、底上げし引っ張っていく必要があります。そこは会社も全く同じだと思っています。