株式会社ソーシャルコミュニケーションズ

株式会社ソーシャルコミュニケーションズは「顧客第一主義のシステムインテグレーター」だ。客先のプロジェクトに参画し技術支援することが現在のミッションである。クライアントは大手電機メーカー、大手通信会社など。このような大手企業との取引で、社内の情報システムやネットワークの運用、社内システムの開発などのプロジェクトを手がけるほか、クライアント企業がプライムで手がけるプロジェクトに参画するケースもある。クライアントのチームに加わり、パートナーと呼ぶべき関係を構築している。プロジェクトは運用もあればシステム開発もあり、なかでも最近、特に注力しているのがセキュリティの運用支援だ。セキュリティアプライアンスやセキュリティソフトウェアの運用、セキュリティ診断サービス、セキュリティレポート作成など。顧客ニーズの増大から将来性のあるプロジェクトとなっている。ソーシャルコミュニケーションズとしても今後、得意領域として伸ばしていく考えだ。

名だたる大手と取引ができていること、しかもその付き合いが長いことがソーシャルコミュニケーションズの特色であり大きな強みでもある。10年以上続いているプロジェクトも複数あり強固な信頼関係を築いている。この特色を支えているのが「人の力」だ。ソーシャルコミュニケーションズでは、OJTとOff-JTの掛け合わせで社員が育つ。社員が育てば対応できる仕事の幅が広がり、クライアントから任せられるプロジェクトも増えていく。個人の仕事の幅が広がれば、更にメンバーが成長し、ソーシャルコミュニケーションズの守備範囲が広がるという好循環を実現している。

例えば、あるクライアントでは、初めはＩＴインフラ運用のプロジェクトを請けていた。しかし、顧客との関係が長く、より深くなるに従い新たなニーズとしてシステム開発のプロジェクトにも参画するようになった。今では双方を支援するようになりチーム単位でプロジェクトに参画している状況だ。クライアントとの長年の信頼関係と、日頃の良好なコミュニケーションから事業領域が広がる事例が増えている。ソーシャルコミュニケーションズでは、このような取り組みで、2005年の創業以来、堅実な経営を続けている。

このように「人の力」を強みとするソーシャルコミュニケーションズは、2005年に、代表取締役の草刈誠司が設立した。草刈氏は、インターネットが普及する前の1991年からこの業界に身を置き、急激な技術の発展と業界の拡大、そして絶え間なく押し寄せる変革の波も目の当たりにしてきた人物だ。

「1991年に入社したのは、住居用のマンションの一室が事務所という会社でした。規模は10名程度からスタートしましたが、インターネットの普及とともに仕事がどんどん増え、14年で約200人規模のＳＩ企業に成長しました。僕も、まったくの未経験からスタートし、事業部を任され役員まで務めました。」と、草刈氏は役員になった当時35歳だった若き日のことを振り返る。14年の歳月で一定の成功を納め、会社への責務も果たしたと考えたことから、2005年にソーシャルコミュニケーションズを立ち上げた。入社当時から起業家を志向していたことに加え、自らの会社を立ち上げ、優秀なエンジニアを応援したいという思いが強くなり、夢を実現するための旅にでたのだ。共に成長し、より良い会社を築き、会社というコミュニティーをセキュアベースとして仲間の拠り所にしたい。そんな思いがあった。

そうしてできたソーシャルコミュニケーションズは、当初は急速な拡大を考えていたものの、2008年のリーマンショックと2011年の東日本大震災による社会的な影響を経験して、急速に拡大することよりも、社内の結束や品質の高い技術力、更には人としての立ち居振る舞いが重要だと考え方向転換。以後、社員一人ひとりの技術力と人格を高めることに注力してきた。

未経験者や経験の浅いエンジニアを採用し、丁寧に育てることが同社の特長だ。独自のカリキュラムを用意しているほか、社員が講師を務め、互いに得意な技術を教えあう。このような技術面の育成に加え、全社を挙げて取り組んでいるのが、仕事への姿勢や人格も含めた総合的な教育だ。世界的大ベストセラーである『7つの習慣』（スティーブン・R・コヴィー著）を題材に、リーダーシップに関するワークショップを自らがファシリテーターとなり社員と共に学ぶのだという。

「社員一人ひとりの人生が成功するように支援するのが僕の使命」と、草刈氏は言う。目の前の仕事だけでなく、社員の長期的な成長や人生の成功までを考え育成に取り組むのは、経営者としての覚悟なのだ。「リーダーシップ × マネジメント」を働き方改革とし会社の文化にしたいとも言う。マネジメントはＰＤＣＡのことだ。個人、チーム、プロジェクト、それぞれのＰＤＣＡをしっかりと回せる力が重要だと力強く話す。経営理念を徐々に社員に浸透させながら会社全体の力とし、クライアントとの信頼関係を築き、その結果としての堅実な成長へとつなげる戦略だ。

そんなソーシャルコミュニケーションズは、東京オリンピックが開催される2020年に創業15周年を迎える。これを新たなスタートと位置づけ、同社は、社是、ミッション、ビジョン、バリューを一新した。リーダーシップが特色の同社らしく、会社の根幹をなす社是は「我れ以外みな我が師なり」。そして目指すビジョンは、「永続的成長企業となりICT社会をリードする」とした。

急速で闇雲な拡大はしない。品質を追求し、一人ひとりの成長に根差した堅実な成長を目指す同社。草刈氏は常々、技術力と人格が伴った「一流のエンジニアになって欲しい」と言い、社員もまた、その言葉をかみしめ、日々研鑚に励む。そして草刈氏は、そんな社員に寄り添い、一人ひとりのスキルアップを実現すべく、プロジェクトへのアサインや日々の業務に目を配る。何かトラブルや不安などがあれば、すぐに駆け付けランチミーティングを実施し助言をすることもある。時には解決のために客先に出向いて職場の改善に向けた提案活動をするという。その安心感も、社員の働きやすさと成長につながっているのだろう。

社員からは「何かあれば社長に相談できる環境にあるのが良い」、「会社の規模に関係なくフォローアップがある、真面目な会社だと思う」といった声が挙がる。同社では月に一度、ソーシャルミーティングと名付けた社員が集まる日がある、いわゆる帰社日だが、そう呼ばないところに、ＩＴ業界の特徴である労働集約的なＳＩ企業とは違うと自負する同社の矜持がある。そのソーシャルミーティングの日は、社員同士が交流する日だ。同社がオフィスを構えるビルには、ちょっとしたパーティーにも使えるスペースがある。そこで親睦を深めることもあれば、社外で美味しい食事を楽しむこともある。

このような機会に加えて年一回の社員旅行もあり、社内の風通しは極めて良好だ。社員旅行は、周年記念の年は北海道や沖縄など豪華に、それ以外の年は近場で一泊というスタイルだ。15周年はどこへ行こうかと迷っているそうだ。2018年度は房総の鴨川シーワールドに行き、宿泊はホテル三日月だった。二日目の蕎麦打ち体験は大いに盛り上がり楽しんだと笑って話す。旅行には、最近に入社したメンバーもいれば、5年目の社員と10年目の社員もそろう。長く働いて力を発揮するメンバーが多い同社だけに、きっと5年後は、入社したばかりの「未経験社員」は5年分成長し、戦力化していることだろう。そんなみんなの堅実な成長ぶりが、ありありと想像できる。

ソーシャルコミュニケーションズは、人としても、エンジニアとしても成長し、息長く働きたい人におすすめしたい会社だ。

“帰るところに仲間がいる　気にかけてくれる人がいる安心感　この会社はわれわれのHome”