グローバルビジネスソリューション株式会社

グローバルビジネスソリューション株式会社（GBS）は、SES事業および新規事業としてWeb制作を手掛けているシステム開発企業である。

同社の最大の強みは、SESエンジニアの“人間力”。代表取締役の前山真希氏は、次のように説明する。
「お客様が『この人に来てもらって一緒に働きたい！』と思っていただけるような人間力を備えたエンジニアを育成しています。中には、『技術力よりも人柄の方を重視している』と言われるお客様も少なくありません」

同社が定義している人間力とは、次のとおりだ。
「驕ることのない強さを持ち、誰に対しても思いやりがあり、自身をしっかりマネジメントできる」
この力を、様々な機会をつくって育んでいるのだ。

なお、SESとしての対応実績は、オープンシステム開発、Webアプリケーション開発、組み込み系アプリケーション開発等の開発領域、サーバ／ネットワーク設計・構築・運用等のインフラ領域、システム営業支援、ドキュメント管理、サポートデスクといったアウトソーシング領域と広範に及ぶ。
「こうした領域を得意とする人材が集まってきたことで自然と広がってきた感じです」（前山氏）。
クライアントは一次請けのSIerが大半で、二次請けの形でエンドユーザーの業務に対応。一部、エンドユーザーと直契約で客先に入るケースもある。

「最近では、通信キャリアをエンドユーザーとする案件が急増しています」と取締役の小川哲也氏は話す。一つは5Gネットワークの設計・構築で、同社のエンジニアがプロジェクトリーダーを要請されていることを受け、要員提案・管理が行いやすい強みを発揮。もう一つは、Python開発やデータウェアハウス（DWH）開発プロジェクトで、10～20名規模のエンジニアがお客様先に常駐している。

こうした経営方針が奏功し、業績は2019年度3.8億円、2020年度4.5億円、2021年度5.5億円、2022年度予測は6.3億円と、115～120%のペースで成長を続けているところだ。
今後に向けて、Web制作という新しい事業の柱の拡充に加えて自社プロダクト開発や子供向けのIT教室といった新規事業の構想を進めている。

同社の創業は2006年11月。前山氏が資本金の多くを出資してオーナーとなり、前山氏の元配偶者が事業執行を担う経営者となって進んできた。その契機について、前山氏は次のように説明する。
「当時人材派遣という働き方が増えており、派遣エンジニアと会社との関係性が弱くエンジニアの境遇が不安定な中、なかなか育成できないという問題意識を持っていました。そこで、エンジニアのキャリアにもっと責任を持ち、生き残れるエンジニアを育成していこうと当社を創業することにしたのです」

スタートして6年ほどは順調に進んだが、同業も増える中で独自のカラーを打ち出していく必要性に迫られる。そこで当時の代表は“Enjoy & Exciting！”というスローガンを掲げ、社内パーティーや社員旅行等のイベントを数多く繰り出し、人材を数多く集めつつ社内の結束を固める方向性に打って出た。
「社員が増える一方、その路線に合わない社員も出始め、10年目を過ぎると退職者が相次ぐようになりました。ここで経営の方向性をどうしていくべきかの議論や様々な課題が噴出し、大きな転換点を迎えたのです」（前山氏）。

結果的に、2018年に前山氏が代表取締役となって同社を継承すると共に、元代表は別会社を独自に設立する経営分割を行うことになった。当時75名の社員に経緯とそれぞれの経営方針を説明の上、GBSには50名が残り、新会社には20名が転出した（5名は退職）。
こうしてGBSはリスタートを行った。

新生GBSの掲げている経営理念、Vision、Missionは次のとおりだ。
●企業理念：豊かさの創出～笑顔の絶えない未来を～
●Vision：～100年続く ”日本で一番の笑顔の会社” へ～
●Mission：自らを知り相手を知り社会を知り、一人ひとりが存在意義を見出し、笑顔を創ります

これらを掲げた思いについて、前山氏は次のように話す。
「豊かさの創出とは、経済的なことだけでなく、働きながら“嬉しい、楽しい、安心”といったプラスの感情で満たされる状態を指しています。それを象徴しているものが、“笑顔”。まず自らが主体的に笑顔で生きようと考え、内面から湧き上がる笑顔で自分らしいいい人生を送ると共に、周囲の人も笑顔にするような状況をつくることをVision、Missionに掲げ、メンバーの取り組みを促進しています」
豊かさの創出のために、会社としては収益を拡大させる必要がある。そのコアとなる施策が、“エンジニアの笑顔”という付加価値なのだ。

2022年2月現在、75名の社員は20代が53%、30代が33%、40代が14%という構成。男女比は男性が約6.5割を占めるが、徐々に女性比率が増える傾向にある。

企業風土づくりの基軸は、経営理念、Vision、Missionに据えている。
「まずは採用においてお互いの価値観を擦り合わせ、当社の経営理念、Vision、Missionを理解、共感していただけることを最重視しています」（前山氏）。

入社後の全メンバーに対しては、人間力を育む数々の教育研修の機会が設けられている。「七つの習慣」に基づくトレーニングをはじめ、基本的な考え方のレクチャーやコミュニケーションの在り方、レジリエンスをはじめ精神力を養うなどのプログラムがある。さらに、外部のキャリアコンサルタントによるキャリア構築のためのプログラムやキャリアカウンセリングも行われる等、手厚い内容だ。
「加えて、現場に分かれているメンバーの日常的なケアを上長や担当営業がきめ細かく行う体制をつくり、相談しやすい環境をつくっています」（前山氏）。

技術面では、開発系・インフラ系のそれぞれにおいて、月1回社内講師による勉強会を実施。インフラにおいては、ネットワーク環境を自ら構築できたり、クラウド環境に自由にタッチできる専用マシンを社内に設けている。
また、会社の羅針盤となる数十ページに及ぶ「経営計画書」を作成し、月1回のオンライン社員会（帰社日）で発表する等、経営方針や具体策についての共有・浸透を図っている。

その具体策として特筆すべきは、①教育、②社内交流、③SDGs、④社員旅行、⑤危機管理、⑥プロモーション、⑦システム開発、⑧新事業開発の8プロジェクトを立ち上げ、社員が主体的に行動していることだ。
例えば、交流プロジェクト。2021年11月に設立15周年を迎えた同社では、同プロジェクトが主体となって「15周年記念24時間オンラインフェスティバル」を開催。特定テーマで話したい人の集い、女子会、クイズ大会、アプリを使ったお絵かき伝言ゲーム等のプログラムを、社員達は自由参加で楽しんだ。また、15周年記念ロゴを社内募集し、採用されたロゴをあしらったワインのオリジナル記念ボトルや充電器を全員にプレゼント。
「社員にとっては、忘れられない一日となったと思います」と前山氏は話す。

ちなみに、同社には元プロミュージシャンが在籍しており、その作曲とバンド演奏、前山氏作詞による社歌まで存在している。「8曲ほどつくってアルバムをつくりたいと考えている」と小川氏は意気込む。

そんな同社の採用コンセプトは、“爆笑エンジニア”。経営理念、Vision、Missionに共感できる人材は、是非アクセスしてみてほしい。