株式会社エス・エム・エスサポートサービス

「高齢社会におけるヒト・モノ・コト・情報を“つなぐ”ことで社会に貢献し続ける」を企業理念に掲げ、介護・医療業界のサービスと利用者の橋渡しとして事業を展開している株式会社エス・エム・エスサポートサービス。親会社は東証プライム上場企業である株式会社エス・エム・エスで、2012年に機能子会社として設立された。

エス・エム・エスグループは、日本の社会課題の一つである“少子高齢化”という問題に挑んでいる。65歳以上の高齢者人口は2020年時点で3,617万人に達し、高齢化率は25%を超えた。さらに、高齢者人口が3,900万人を超えると予想される2040年には、高齢化率は35%を上回る見通しだという。こうした人口動態の変化を背景に、解決すべき重要な課題として同グループは以下三つを挙げている。一つ目は「質の高い医療・介護サービスの提供が困難に」、二つ目は「現役世代の負担がより深刻に」、そして三つ目は「高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難に」だ。この三つの課題に沿って、ヘルスケア・医療・介護・シニアライフと領域を切り分けながらサービスを提供することが、グループ全体のミッションとなっている。

同社の代表取締役社長 斧博文氏は、2013年に株式会社エス・エム・エスに入社。高齢者向け住宅紹介サービス『かいごDB』の立ち上げを経験し、セールスマネージャーとして約8年勤務。そして2021年に代表に就任した。

そんな同社では、エス・エム・エスが提供している、介護事業者向けの経営支援サービス『カイポケ』、介護職向け求人情報サービス『カイゴジョブ』、看護師向け人材紹介サービス『NJBナース人材バンク』などの代表的なサービスにまつわる、問い合わせ対応や、導入促進、事務作業等のサポート業務を手掛けている。

「グループ全体のミッションを解決するため、サービスのインハウス型コールセンターとして“競争力の源泉”になっていくことが、私達の使命です。本社で提供しているサービスは数多くあるため、そのオペレーション業務を当社が担うケースは、今後も増えていくと思いますよ」（斧氏）。

社会のニーズに応じて、3年ごとに改正される介護保険法。同社は事業者からの問い合わせに適切に対応するため、「改正前・改正後でどう内容が変化したのか」を覚える必要がある。特に介護保険請求を受ける部署では、入社して2カ月間は研修とロープレを実施。まずは法律を学び、サービス内容を覚え、電話応対の基本を身に付ける。その後も現場にいきなり出ることはなく、新人と現場の中間の組織に属しながら、先輩からモニタリングされる期間を設けるという徹底ぶりだ。その理由について斧氏は次のように語る。

「事業の大きな価値の一つは、“ヒト”だと思っています。介護保険法は3年に一度変わるのですが、知識を積み上げた人ほど理解するのが早いんです。“ヒト”に知識が溜まることで事業の価値自体が上がっていくと考えているため、“ヒト”を大切にし、“ヒト”と共に組織を成長させるという方針を大切にしています」

また、同社の雰囲気に合っている人物像を尋ねたところ「自己成長をしたい方」「介護・医療業界に携わることに価値を感じる方」「組織の一員として働ける方」の三つが挙げられた。特に、仕事を通じて自分の成長を図りたいという思考=“自己成長”を重要視しているという。業務中はもちろん、業務外においても専門的な知識を深める等、積極的に学ぶ姿勢のある方は早期に活躍しているそうだ。実際にどういった方がスキルアップしているのか聞いたところ、斧氏は数秒ほど悩み「沢山いるので、誰を紹介しようか迷っているんですよ…」と一言。そして共通点として「書籍を読んでいる方が多いですね」と回答した。確かな情報リソースを基に執筆された書籍を読むことで、正しい知識が手に入るが、本を読むには時間も労力もかかる。しかし、その分アウトプットとして形に表れる方が多いそうだ。さらに、質問がある際に先輩に聞いたり、ネットで調べたりするのではなく、まずは自分で調査したり、考えることができる方が同社に向いているという。「自ら仮説を立てたり、自分の意見を持ったりと、主体的に行動できる方を歓迎します」と斧氏。

そんな自己成長を叶えたい方には、どんどん権限を与えていくのが同社の特徴の一つだ。年功序列という考えは一切なく、やる気さえあれば入社して間もない方でも仕事を渡していくという。
「失敗を恐れず、社員にはどんどん挑戦してほしい。たとえ失敗しても、しっかり準備して臨んだのであれば、責任を問うことはありません」（斧氏）。

年間休日125日以上、完全週休2日制、残業時間は月平均10～15時間と少ないため、家庭と両立しながら働く社員も多く在籍しているそうだ。全体の82%が女性社員という同社では、産休・育休制度等の福利厚生が充実しているのも魅力の一つ。制度はもちろんだが、斧氏が最も大切にしているのは、“カルチャーの醸成”だという。
「当社は女性社員が多く活躍しているため、お子さんがいる社員への理解、認める文化を根付かせています。管理職には、その文化を踏まえた上で業務計画を立てるように指示していますね」（斧氏）。

こうした取り組みを設立当初から実践してきたため、産休・育休からの復帰を予定していた社員の復帰率は100%と高い数字を誇っている。子供を持つ家庭へのサポート体制だけではなく、理解ある職場というカルチャーが、この結果に繋がっているのだろう。さらに、管理職の女性比率も高く、チーム長は6～7割、機能長は半数が女性と、キャリアアップのチャンスも平等に用意されている。このように、ライフイベントからくる女性ならではの働きづらさの課題が起きないよう、徹底した組織づくりが行われている。
「もちろん、社員同士の風通しも良い職場です。チームのみんなで一緒に仕事を進めていくため、仲の良さが当社の売りです」（斧氏）。

最後に仕事を通じて得られるやりがいを聞いてみたところ、以下二つを挙げてくれた。

「まず一つ目は、事業者から直接感謝されることです。電話越しに“ありがとう”と言われたり、お礼の手紙が届いたりすることもあるんですよ。そして二つ目は、家族がそういう場面に遭遇した時に知識が活かせることです。いざという時に、自分に溜まっている知識によって、落ち着いて家族や親族にアドバイスできます。実際に、私の父親に介護が必要になった際も、冷静に対応することができました。父親の介護の現場にも『カイポケ』が使用されていて、父親はもちろん、回り回って父親を介護する母親の助けにもなっていて、サービスの価値を改めて実感しましたね。このようにプライベートでも活かせる、非常に価値の高い業界の仕事だと思っています」（斧氏）。

今後、さらに社会的需要が高まるであろう同社のサービス。働きやすい環境が整っている中、介護・医療業界の知識も深められるため、自己成長をしたい方、社会貢献を実感しながら働きたい方におすすめだ。