株式会社TeN

Webマーケティング事業、Web広告事業、Webメディア事業を自社のビジネスメニューとして掲げている株式会社TeN。2020年の設立から、事業領域に限定されない幅広い活動を展開しながら、同社は企業として飛躍を続けている。創業以来、同社のメイン事業となっているのは「広告代理業」だが、現在では化粧品や食料品等の自社プロダクトの開発、SaaS型のWebサービス開発、そしてメディアの運営等、ジャンルを問わない多角的なビジネスチャレンジを繰り返している。その活動内容について、同社のEC事業責任者である池田英樹氏に話を聞いた。

「一般的な企業であれば、事業の軸を定めた活動を行うことで“やるべきこと”が明確な状態でビジネスを展開できますが、当社ではその軸を定めることなく、柔軟性・多様性のある事業展開を目指しています。いわば、他社が一つの領域に特化した“専門学校”であるならば、当社は多様な活動が可能な“大学”のようなイメージです」（池田氏）。

創業事業である広告代理業に関し、多くの同業他社があらゆる手段によって「件数」「成果」といった広告効果の“結果”を追求するのに対し、同社では「結果を生み出すプロセス」、そして獲得したユーザーの「質」を重要視していると池田氏は語る。プロセスを重視する上では、顧客企業への提案を深めることが必要不可欠であり、その提案の充実のために自社でもサービスの当事者としてビジネスを展開するべきと考えたことが、同社の事業の多様性を生み出したのだと池田氏は語っている。

「広告代理業においては、当社ではEC事業者やメディア運営企業等、多業種のクライアント様と取引をさせていただいています。それらのお客様に対する提案を深めるために、自社でサービスをスピンアウトさせ、実際にプロダクトを手掛けながらビジネスを多角化してきました。クライアント様のビジネス領域との競合を避けたニッチな商材を取り扱いながら、同業事業者として直面した課題感を社内に取り込み、それを提案に繋げる。そうしたチャレンジを繰り返してきたというのが、当社のこれまでの取り組みです」（池田氏）。

広告やマーケティングの事業領域に触れながら、アイデアを醸成し、自ら事業として手掛けることで提案力を高めていく。そのスタイルこそが、多角的に展開する同社の事業における最大の特徴なのである。

池田氏によれば、現在の同社は「事業展開の第2ステージ」を迎えているという。同社の多角的な事業は、その発案者が責任者となりプロジェクトを推進する体制で進められているが、複数の案件を兼務するメンバーも存在する等、企業として人員のさらなる充実が急務となっている状況にある。体制強化のための仕組みづくりと、各事業に“深さ”を出すために、様々な領域のスペシャリストを採用・育成していきたいというのが同社の考えなのである。

「各事業ともそうですが、私が担当するEC事業においては特に人員体制を強化しながら、それぞれのクオリティーを高め、深めていくことが必要だと思っています。そのために、事業責任者やプロジェクトマネージャーを目指せる人材を採用して、2～3年を目途にした期間で独り立ちしてもらいたく考えています。事業を展開するための資金、プロダクトが揃っているにもかかわらず、“人”がボトルネックとなってしまうのは非常にもったいない話ですので、その人材獲得と育成に力を入れていきます」（池田氏）。

広告代理業で強固な基盤を築き、またSaaSビジネスやEC事業等「ストック型」の収益体制を確立している同社において、今後の事業展開で必要となるのはプロジェクトを牽引できるリーダーであると池田氏は語る。同時に、稀有なビジネススタイルを貫く同社にマッチする人材について、池田氏は次のようにイメージしていると説明してくれた。

「入社後、すぐに当社の事業に100%マッチする方は多くないと思っています。歓迎するのは、ご自身の“軸”となるものをベースに、スキルに深さをつくる意欲を持っている方。例えば、EC事業で新規顧客獲得の業務を経験してきたといった特性を、当社の環境でさらに進化させたいと思える方が、当社にマッチする人材と言えるでしょう。そして、明確な意見を持って自身のチャレンジをやり切れる方、言うなれば“前のめり人材”“出しゃばり人材”こそが、当社での経験を基に成長を果たせると私は考えています」（池田氏）。

各領域のスペシャリストが揃い、社内で様々なチャレンジが可能な同社の環境では、自身のスキルを発展させるチャンスに溢れていると語る池田氏。その環境の中で、自分自身の輝く姿を探せることが、同社で働く上での最大の魅力だ。

多様な事業を展開し、幅広い領域でのビジネスを手掛ける同社においては、事業としての“軸”ではなく、社員達が仕事に取り組む上での“軸”となる考え方があると池田氏は語る。

「事業の根幹、共通のマインドとも言えるのが、当社にある“正しくより楽しく”という理念。やるべきとされることだけをこなし、手堅く業務を進めることよりも、楽しいと思えることに積極的に取り組んでいる。それが当社ならではの社風だと、私は思います」（池田氏）。

業務として任されたことだけを消化するのではなく、目の前の課題をいかにプラスに変えていくか。その思考で仕事に取り組める人材こそが、楽しさを実感しながら自分の自信になるキャリアスキルを身に付けられるはずだと池田氏は語る。そして、仕事を楽しむ上で大切なのは“自律”の意識だというのが、池田氏の持論である。

「当社では、プロジェクトの成果である数字だけを評価の対象とすることはありません。これは広告代理業でもモットーにしている“結果よりもプロセスを重視する”というマインドが、社員の取り組みに対しても共通しているからです。業務を進める中で自分を律しながら、何かを追求するための努力が続けられているか。“楽をする”のではなく“楽しむ”ために必要なのが自律の意識であり、あらゆるトライを繰り返しながらプロジェクトを推進する意欲を、当社では大事にしています」（池田氏）。

同社では、入社間もない段階で高いスキルによる“自立”を求めることはなく、高い意欲でチャレンジするための“自律”を徹底できるかどうかを重視する。それを実現できる人材こそが、幅広い事業展開の中で可能性を見出しながら自身の取り組みを楽しみ、次世代を切り開くようなエネルギーを発揮しながら事業を発展させることができるというのが、同社の考えなのである。

「今後の当社に必要なのは、全力で業務に取り組みながら、課題を突破していく力のある人材だと私は思っています。現在の環境に物足りなさを感じている方、ストレスを感じている方には、ぜひ当社でその思いを発散させてほしいですね。自分らしさを最大限に発揮しながら、心から仕事を楽しめる環境が、当社にはあります」（池田氏）。