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株式会社PacPort

  • IT/Web・通信・インターネット系

宅配再配達を撲滅する独自ソリューション『Pabbit』

上場を目指す
自社サービス製品あり
シェアトップクラス
カジュアル面談歓迎

企業について

株式会社PacPortは、独自開発による宅配ソリューションを提供しているスタートアップ。目下社会問題となっている宅配便の再配達の解消だけでなく、様々な宅配ビジネスの“ドアオープナー”となるインパクトを持つ、社会貢献度の高さが特徴だ。

同社のソリューションは、スマートロックおよび宅配ロッカー、スマートフォンアプリとして提供される。ただし、同社はソフトウェア開発をコアバリューとして、サービス企画やソリューション(技術)営業、プロダクトマネジメント、カスタマーサービスに特化。スマートロックや宅配ロッカー等のハードウェアは、外部のパートナー企業に委ねる協業体制を採っている。

同社ソリューションの最大の特徴は、宅配ロッカーや集合住宅のオートロックの認証を荷物に付けられた追跡番号で行うことにあり、このキーテクノロジーは日本およびアメリカで特許を取得している。これによって、従来の宅配ロッカーで発生していた誤投函やなりすましによる盗難をブロックできるだけでなく、集合住宅の配達先が不在でも、各戸まで荷物を届けての個別ロッカーへの配送や玄関前の「置き配」を可能にした。
ソリューションの提供先は、マンション・アパート等の集合住宅、戸建て住宅、シェアオフィスが中心。中でも集合住宅向けは『Pabbit』というブランドネームで特化し、目下の主力ソリューションとして普及に力を入れているところだ。

『Pabbit』は、集合住宅のインターホンシステムのシェア60%を握るアイホン(東証プライム上場)と提携し、同社が設置したインターホンシステムに『Pabbit』を接続することで、宅配荷物の伝票番号でオートロックを解錠できるようにしたソリューション。集合住宅のデベロッパーやオーナー、管理会社へのリレーションや営業ノウハウを持つアイホンが顧客への紹介や提案を行い、PacPortはソリューションの説明等の技術営業を担うという座組で、新設・既設の集合住宅への導入営業を展開している。

ビジネスモデルとしては、宅配会社から「入館手数料」を受け取る形を採り、既にヤマト運輸と契約を締結している。なお、集合住宅に商品を届けたいのは宅配会社に限らず、ネットスーパーやクリーニング等、様々な事業者がある。こうした事業者との交渉にも着手している。
一方、集合住宅側とは三井不動産と提携し、同社の分譲マンションに「Amazon Key for Business」とともに導入されることが決定している。加えて、シェアオフィスにおいても三井不動産や三菱地所、NTT都市開発といった大手をはじめ、複数の事業者との提携による提供が始まっている。
「この画期的なソリューションで、まずは日本のあらゆる集合住宅やオフィスへの普及を図り、業界のスタンダードにする」と代表取締役社長の沈燁(シェン・イエ)氏は意気込む。

同社を創業した沈氏は中国出身で、大学で電子工学を専攻し、1997年の卒業後に来日。通信事業会社でソフトウェアエンジニアとして第三世代携帯電話(W-CDMA)用チップ開発を手掛けた後、大手電子部品・電気機器メーカーでCDMA携帯電話用S/M開発等に5年間従事する。その後、2007年に大手外資系通信機器メーカーに転じて端末部門の営業部長や統括部長を歴任。日本初のUSBデータカードや携帯Wi‐Fi端末、デジタルフォトフレームといった商品の企画や販売に携わり、ヒットに繋げる。2012年からは副本部長としてインフラ部門に移り、携帯キャリア向けのインフラやB2B、IoTプロダクトの販売統括責任者を務める。そして、2018年5月に独立し、同社を創業した。その経緯について、沈氏は次のように説明する。

「そもそも新しいことに関わるのが大好きで、大手外資系通信機器メーカーでは数々の画期的な製品開発に携わりました。携帯キャリアとの仕事も、新しいプロダクトを提供する仕事を楽しんでいました。しかしながら、日本法人のローカル社員という立場で先が見えていたこともあり、もっと自分でやりたいことをやっていこうと思っていた矢先に、知人から連絡をもらったのです。その知人は、現在の当社のソリューションとなるアイデアを話し、『できないか?』と尋ねました。2017年の当時、ヤマト運輸が値上げを表明した直後のこと。そのソリューションは成功すると確信し、協力を即断しました」

その友人は、その後投資会社に転じて沈氏が事業を任されることに。沈氏は44歳としての豊富なキャリアを生かして仲間を集め、1年かけてソリューションを準備し、同社を設立する。
「自分達のお金儲けよりも、ECの進展とともに社会問題になり始めていた再配達の撲滅や高齢化による宅配ドライバーの減少といった課題解決に取り組み、世の中の役に立つことをミッションに掲げました」(沈氏)。

その後、コロナ禍でECは急激に伸びるとともに、再配達もますます増加。加えて、物流業界に時間外労働の上限規制が適用されることで、ますますドライバーが不足する「2024年問題」も懸念されている。「こうした諸問題は、当社にとって想定以上の追い風となっている」と沈氏は話す。
宅配便は世界各国にあり、日本同様追跡番号で管理されている。
「高齢化が進展し、ドライバー不足が顕著になっている日本は課題先進国です。まずは日本で『Pabbit』を普及させ、基盤を固めたところでグローバル展開も図ります。そのためにも、日本とアメリカに続いて主要国で特許を取得し、グローバルスタンダードに繋げていきます」(沈氏)。

2023年10月現在、同社の役員および社員数は8名で、中国・深圳の開発子会社には4名のエンジニアが在籍。同社の8名のうち中国出身者は沈氏以下6名(うち日本に帰化した人2名)、日本人2名であるが、社内公用語は日本語だ(深圳のエンジニアとのやりとりは中国語)。そのほか、フリーランスエンジニア4~5名も加わって運営されている。

メンバーが共有する価値観は、“再配達不要”という社会課題解決への貢献だ。
「建前ではなく、本気でみんながその意義に共鳴し、事業運営に取り組んでくれています」と沈氏は話す。
それだけでなく、“スタンダード”をつくること。沈氏は次のように説明する。
「三流の企業はモノをつくり、二流の企業はマーケットをつくり、一流の企業はスタンダードをつくると考えています」

そのためには、自分達の力だけでは無理と認識し、自らのコアバリューをソフトウェア開発に特化するとともに、ハードウェア開発や営業等の自分達ではできない領域はパートナーに委ねる戦略を採る。したがって、パートナーシップを強化するためにもできる限り情報をオープンにし、余計な手続きを排して業務スピードを高めている。
「議論も常にオープンで、遠慮なくやり合っています。本音を出し尽くして言い合えているからこそ、風通しが良く仲も良いのではないかと思っています」(沈氏)。

人材育成においては、チャレンジする機会を与え、実地経験で学ぶことを最重視している。
「私自身、大手外資系通信機器メーカーに転じた際、未経験で営業の仕事に就きました。そこから学びつつ経験を積み、ゼロから130人の組織をつくり、成果を上げることができたのです。そのプロセスでは、自分が身に付けたものを徐々にメンバーに渡し、自分は新しいことにチャレンジして組織を大きくしていきました。それと同様の組織づくり、人材育成をしていこうと考えています。まずは機会を提供し、チャレンジしてもらう。失敗したら任せた私が責任を取る。それが基本的な考え方です」(沈氏)。

働き方としては、ハードウェアが付き物のソリューションにつき、同社のメンバーは全員オフィスワークが原則の一方、エンジニアはオンラインがベース。エンジニアチームとは毎朝、オンラインでミーティングを行っている。ちなみに、日本のメンバーは3カ月おきぐらいに新人歓迎等の名目で飲み会を行い、親睦を深めている。

そんな同社が求める人材像について、沈氏は次のように期待を寄せる。
「ベンチャーなので、貪欲に新しいことにチャレンジする精神が不可欠だと考えています。それさえあれば、後は自ら進んでいくことができるでしょう」
画期的なソリューションで社会に貢献したいと考える人にとって、同社の募集は見逃せないだろう。

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インタビュー

株式会社PacPortのインタビュー写真
営業部長 兼 人事部長 王 彤(わん とん)氏

── ご略歴をお教えください。

中国の出身です。祖父が京都にある大学に留学し、帰国後も先生方と交流が続き、家にもよく来られていて、家の中ではよく日本語を聞いて育ちました。そんなことから大学では日本語を専攻し、卒業後は日本の大手システムベンダーの中国法人に入社したのです。そこで知り合った日本人の夫と結婚し日本に来て、本社で営業サポートの仕事に就きました。その会社には9年ほど勤めた後、外資系通信機器メーカーの日本法人の設立直後に転職します。営業を中心に広報・渉外、人事等、計16年勤め、2022年1月、当社にジョインしました。

外資系通信機器メーカー時代、当社の代表である沈が同僚でした... 続きを読む

求職者の声

企業情報

会社名

株式会社PacPort

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > IoT・M2M・ロボット

IT/Web・通信・インターネット系 > ソフトウェア/パッケージベンダ

IT/Web・通信・インターネット系 > その他IT/Web・通信・インターネット系

企業の特徴
カジュアル面談歓迎、上場を目指す、自社サービス製品あり、シェアトップクラス
資本金

1億円

設立年月

2018年05月

代表者氏名

沈 燁

事業内容

2018 年 5 月に日本で設立した株式会社 PacPort は、「課題先進国・日本発のラストワンマイルソリューションを世界へ」をミッションに、先端 IT 技術で宅配業界の人手不足や再配達問題の緩和に取り組むベンチャー企業です。戸建て住宅、集合住宅のほか、シェアオフィスや小売業にもスマート宅配ソリューションを提供しています。2021 年 12 月、国内インターホン市場トップシェアを占めるアイホン株式会社と資本・業務提携を発表。共同開発の集合玄関機(インターホン)と連動した荷物認証式宅配システム「Pabbit」が 2022 年度グッドデザイン賞を受賞しています。

株式公開(証券取引所)

非上場

主要株主

沈 燁、アイホン株式会社、株式会社イー・ビジネス、千本 倖生

主要取引先

アイホン株式会社、双日建材株式会社、パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社、三井不動産レジデンシャル株式会社

従業員数

13人

平均年齢

36.8歳

本社住所

東京都千代田区大手町2-7-1 TokiwaBridge 13F

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王 彤
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