代表取締役・市川 晴英氏

社員の皆さんにはどのような成長を遂げていただきたいと考えていますか。

とにかく仕事ができる人間になってほしいです。この業界は40歳を超えると厳しいです。40歳までこの業界にいて、一人前の仕事ができず、違う職種に転身するといっても、なかなか難しい。40歳までが勝負ですので、しっかりと経験と知識を蓄えていただきたいです。そうでなければ本人が苦しむことになります。反対にしっかり経験を積んで知識を蓄えて仕事ができる人間になれれば、他社に行っても通用します。 当社には、勉強会をはじめ、社員同士が学んでいける環境があります。 入社3カ月目の給料で親孝行手当として2万円を支給し、その3カ月後にどんな親孝行をしたかを全員の前で発表する制度を導入していますが、資料作りやプレゼンの力を付ける研修の役割も果たしています。 また、本の購入は年間15冊まで会社が全額負担。資格取得や勉強会の参加等、インプットに対しては最大限の支援をしています。 人生をかけて成長したいと考えている方にとってはやりがいのある会社だと思います。 制作会社は代理店を挟んでいることも少なくありませんが、当社は代理店を挟まず、直接お客様と契約しています。私達の裁量次第でお客様の売上もコントロールできるところが醍醐味です。思う存分、力を発揮してください。

“経営に寄り添う”と謳っておられますが、実際にはどこまで入り込むのですか。

今後のビジョンや年間計画を一緒に作る等、奥深くまで入っています。コロナ禍で実店舗を閉じてEC専業に業態を転換されたお客様も少なくありませんが、店舗を閉じた分、 人員や予算の再配分計画が必要になり、その配分計画まで経営者の方々と一緒に考えています。 またリクエストに応じて組織作りもお手伝いしています。元々そういった組織作りの経験があったわけではありませんが、会社や担当者の方に関心を持ち、テンプレートを作って当てはめるのではなく、会社や担当者のレベルに合わせた提案をし、少しずつできることを増やしていくことで、事業の成長に繋げるという考え方で支援しています。 窓際社員を担当者に付けて、片手間でEC事業を始めるような企業もありますが、EC運営者が本気にならなければ売上は作れません。逆に言えば、運営者が本気になれば売上は必然的に上がっていきます。当社が掲げるビジョン「EC運営者の本気の魂を燃やし続ける」は、そういった実感から生まれました。

自社プロダクトも開発されていると伺いました。

自社プロダクトとまでは言えませんが、ECサイトを拡張するサービスを開発して提供しています。EC運営をサポートする中で、「こんな機能があったら良いな」というものがいろいろ出てきます。2年ほど前から開発を始め、現在は二つのサービスを提供しています。いずれも月額で提供しています。 一つは、商品をコーディネートして紹介することができるサービスです。 例えば、机の商品ページに椅子や雑貨との組み合わせ例の写真が掲載されていることがありますが、一緒に写っている椅子や雑貨も欲しいと思った時に探す手間を削減するプログラムです。商品ページの下に、コーディネート例で使われている商品のページへの入り口を設けておけば、探し出す苦労は省けます。 もう一つはレビューの仕組みを補強するサービスです。 店舗からの返信機能や、お客様からの写真投稿機能、レビューの星の数やタグごとにソートできる機能。購入者に自動でレビュー依頼メールが飛ぶ機能を盛り込んだプロダクトをパッケージ化して提供しています。 いずれも私自身が開発しました。他にもアイデアは複数ありますが、忙し過ぎて着手できていません。体制が整ってきたら前に進めたいです。

収益モデルは成果報酬型ですか。

いいえ。制作費用として頂いています。新規構築も運用サポートも、サイトの規模感や作業量に応じて金額を決めています。運用サポートは月ごとに、どこまでやるかお客様と話し合って決めています。お客様のEC事業が成長すれば課題が増え、当社の作業も増えますので、金額は徐々に増えていきます。また売上が上がれば、必ず数年ごとにサイトリニューアルが発生します。 しっかりとサポートさせていただいて、売上を上げ、定期的にリニューアルしていただくというサイクルをぐるぐる回していく。それが当社のビジネスモデルです。 2020年頃までは、来たものは全て受けていましたし、“安く、早く”を売りにやっていたところはありました。パンデミックをきっかけに世界が大きく動いていくのを目の当たりにし、当社も今後の在り方、存在価値を見直し、事業構成や組織体系を変更しました。 マーケティングに注力し事前調査や提案に多くの時間を注ぐようにし制作単価も2倍以上に値上げをしました。 それによって社内に勉強するゆとりが生まれ、社員同士のコミュニケーションも活発化し、収益もコロナ禍前の1.5倍にまで高まりました。

今後の展開についてお話しください。

直近の課題は、私自身がいかに現場から離れられるかです。今年で私は42歳になりますが、40代後半になって現場の一線で頑張っていても邪魔になるだけです。 ECは変化が激しい業界ですので、若い方には付いていけません。私がいなくても成り立つ組織を作る必要があります。マネージャーを任せられる人材を育て、組織的な会社運営を目指す考えです。 また、事業に関しては、今後もECを軸に展開していく計画です。特に注力したいのはマーケティングです。企画や設計等、上流工程の頭脳を使う部分により多くの時間を使いコミットできる組織を作っていきたいと考えています。デザイナーも売上を上げるためのデザインができる人材を育成したい。そのためにマーケティング部署を立ち上げたり、研修の仕組みを取り入れたりして、知識のインプットを図っています。 まず関西圏で「ECサイトの制作といえばソレプロだよね」という立ち位置を築き、将来的には全国的に認知される会社に発展させたいと考えています。